傷病手当金それとも有給?病気や大けがをしたら申請しよう

長期の病気や大けがをしてしまい、仕事を休むことになった場合は、有給を使うことも多いと思います。そして申請書を提出すれば、加入している保険から傷病手当を受け取れる制度もあります。自分に合った方法を調べ、どちらを選択するか検討しましょう。

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退職後も傷病手当金を受け取る方法

退職日の当日に出勤しない

傷病手当を受給する場合、退職日当日には出勤してはいけません。傷病手当が打ち切られて継続受給ができなくなり、退職後に手当金がもらえなくなります。それまで連続欠勤していても、退職日に少しでも出勤してしまうと、労務可能と判断されてしまいます。 しかし、退職日はお世話になった方たちへのあいさつ回りや、最後の引き継ぎ、デスクやロッカーの整理など、やらなければいけないことが結構あります。体調が悪くても、出勤してしまうことが多いかもしれません。そういったことは、退職日前日までに済ませておくか、会社にお願いして、欠勤扱いにしてもらうようにします。 被保険者の資格喪失日である退職日は、傷病手当を受給できる条件を満たしていることが必要になります。忘れがちですが、重要ですので覚えておきましょう。

有給休暇はとってよい

あいさつ回りや片付けなど、会社の都合で退職日当日にしか行けなかったり、欠勤扱いにしてもらえない場合もあります。もしも、退職日に会社へ行くことになったら、有給休暇にしてもらうことをおすすめします。 有給扱いにしてもらうと、その日の分は会社から日給分が頂けますし、傷病手当のほうは金額は発生しませんが、受給資格は継続されるので、打ち切られることがなく安心です。傷病手当の申請書に記入してもらう際に、会社が間違って記入しないよう、できるなら提出前に自分で申請書をチェックしましょう。そのまま間違って提出され、保険事務所から連絡があったときは、必ず会社へ連絡し訂正してもらいます。 有給休暇は、労働基準法によって決められています。会社によっては、有給を使えない雰囲気もあるようですが、もし拒否されるようなら、労働基準局などへ相談するとよいでしょう。

退職日を含む4日間の労働不能期間が必要

退職して、初めて傷病手当を申請する場合は、労務不能で欠勤したという日が、退職日を含み連続4日間必要になります。たとえば、病気やけがで連続欠勤していて、退職日に出勤してしまったり、3日欠勤したけど4日目に出勤したりしてしまうと、労務不能という判断にはなりません。 傷病手当を受給する場合は、退職日を含む4日間、連続欠勤するよう気をつけましょう。その中には、有給や会社の定休日などが含まれていても、労務不能期間に含まれます。3日連続欠勤後の4日目から受給資格が発生するため、大切なことは、連続欠勤して労務不能期間を完成させ、退職日も必ず欠勤扱いにするということです。審査の際に、労務可能と判断されてしまうと、受給できなくなりますので、覚えておきましょう。

病院の初診日を退職日の4日以上前にする

仕事ができないほどの病気は、早い段階で診察を受けている方が多いですが、もし病院に行ってない場合は、遅くても退職日の4日以上前には受診しておきましょう。労務不能の証明になる、待機期間の退職日を含む4日前には病院に行き、診察してもらっておく必要があります。 傷病手当の医師記入欄などで、治療期間や初診日などが申請期間とずれていたり、労務不能判断をする待機期間後に、病院に初めて行くことは、受給資格があるとは判断されません。また、申請書を記入してもらえないなどで、病院を変更する場合も、早めにしておきましょう。体調を崩したらまずは病院に行き、治療期間を聞いて、申請書を記入してもらえるか、確認しておくとよいでしょう。

傷病手当金と有給休暇について

傷病手当が申請可能でも有給休暇も申請可能

病気やけがで仕事ができない状況になったら、傷病手当を申請するか、有給休暇を利用ししばらく休むのか、迷ってしまうこともあるでしょう。傷病手当は、申請書を提出すれば、加入している健康保険から手当金が支払われる制度です。一方、有給休暇は会社により日数が決められており、1日単位で取れ、会社に申請すれば欠勤しても給与を受け取ることができます。 傷病手当を申請してしまうと、有給は使えないと思っている方もいるかもしれませんが、全く別の制度になるので、傷病手当の申請をしても、有給休暇の申請も可能です。欠勤中に、どうしても会社に行かなければいけない日ができてしまったら、ぜひ有給休暇を使って出勤しましょう。有給であれば、欠勤扱いになりますので、傷病手当の審査では問題ありません。

傷病手当金より有給休暇の方が多い

傷病手当は保険事務所に申請し、審査が通れば、支払われている給与のおよそ3分の2を、最大1年半受給できます。そして、有給休暇は会社で決められている日数があり、基本的には好きなときに会社に申請すれば、有給を使うことができます。有給の金額は、通常の日給分が支払われます。会社によっては、平均賃金に設定されているところもありますが、1日で計算すれば、傷病手当金より有給のほうが、支給額は多いことになります。 風邪や法事などの短い欠勤の際に、有給が使われることが多く、病気や大けがによる長期の欠勤であれば、傷病手当を申請することが多いようです。また、有給は会社の規定なので知っている方が多いですが、傷病手当の制度は知らない方が多く、体調不良で有給を一気に使ってしまう方もいます。申請中でも有給は使えますので、治療に時間がかかる場合は、傷病手当を申請し、有給は残しておくという方法もおすすめです。

傷病手当金の申請について

申請に必要な証明

1.病気の治療や労務につけない事の証明

傷病手当とは、病気や大けがによって仕事ができなくなり、その間の生活の保障をする制度になりますので、労務につけないことの証明をする必要があります。傷病手当を受給する資格があるか、提出した申請書によって審査がありますので、正確に不備がないよう記入して、提出しなければいけません。 具合が悪くなった、またはけがをしたという場合は、まず病院に行きます。そこで、病気の治療にかかる期間やくわしい病状などを聞き、医師が仕事ができないと判断した場合は、証明してもらい、傷病手当を申請することができます。審査では、医師による証明は重要です。最初に病院に申請したいので、証明を書いてもらえるか確認し、無理であれば早い段階で病院を変更しましょう。

2.会社を欠勤している証明

医師の証明と同じく、会社にも、病気により仕事ができないことの証明をしてもらう必要があります。出勤していれば、労務不能とは認められませんので、審査をするうえで、会社からの証明もとても重要になります。 会社には、申請している期間、欠勤しているか、給料は発生していないかなどを証明してもらいます。タイムカードなど、出勤記録が必要になることがありますので、早い段階で会社には、申請希望を伝えておいたほうがよいでしょう。 証明自体できないなど断られたら、社会保険事務所か労働基準局などの機関へ相談しましょう。申請する際に、会社が証明するのは義務です。ほとんどの会社が協力してくれますので、安心してお願いしましょう。

申請の流れ

1.病気や怪我をする

治療が長引きそうな病気をしてしまったり、仕事ができないほど大けがをしてしまったら、まず病院に行き詳しい検査をしてもらいます。その際、仕事に復帰できるまでの期間や治療費用などの説明を聞き、しばらく仕事ができないと診断されたら、傷病手当の申請を検討します。 治療に時間がかからなければ有給でもいいですが、数週間かかるような場合は、傷病手当の申請をおすすめします。病院で申請したいので、証明欄に記入してもらえるかを、早い段階で確認しておきましょう。このときに、医師にくわしく復帰までの治療期間を聞き、それを目安に申請期間を決定しておきましょう。

2.会社に報告して申請書を準備する

しばらく会社を休むことになったら、すぐに上司に相談の連絡をします。ここで、有給ではなく傷病手当の申請をすることも伝えましょう。会社が申請書の準備や、手配をしてくれる場合もありますが、書類は自分で準備したほうが早い場合もあります。総務課などには「傷病手当の申請をしたいので、記入の際はお願いします」と、一言連絡しておきましょう。 申請書は会社から受け取るほか、管轄の社会保険事務所の窓口か、行くことが難しければ、保険組合のホームページからダウンロードできます。申請書を準備したら、本人記入欄がありますので、間違いがないよう慎重に記入し再度確認しましょう。

3.医師に証明の記入をしてもらう

本人記入欄まで記入したら、病院に申請書を渡します。医師記入欄には、病名と状況や治療期間などを記載してもらい、労務不能である証明をしてもらいます。 証明にはお金が必要ですが、保険が適用されるので、70歳未満であれば3割負担の300円ですみます。病名が分かりずらい場合は、一緒に説明書きや「労務不可」と記入してもらうとよいでしょう。記入してもらい受け取ったら、記載事項に間違いがないかと、医師証明日が申請期間の後の日付になっているかを確認しましょう。

4.事業所に証明の記入をしてもらう

医師の記入まで済んだら会社に提出し、事業主証明欄に記入をお願いしましょう。病気で休んでいる間に給与が発生してないか、出勤していないかなど、総務課などがスムーズに対応してくれます。個人の会社などで時間がかかりそうなときは、早めに申請書について話をしておき、記入が終わったら連絡をもらい確認すると確実です。 そのとき、有給が出勤扱いになっていないか、記入漏れはないかと、証明日が申請期間の日付より後になっているか確認しましょう。

5.全国健康保険協会に傷病手当金支給申請書を提出

すべての記入が終わったら、通常は会社のほうで、そのまま保険協会へ提出してもらえます。自分で提出しなければいけないときは、最後にもう1度不備がないか、添付書類はそろっているかを確認し、社会保険事務所に持参するか、郵送しましょう。 あとは審査期間があり、受給が決定するまでに1ヶ月前後かかります。決定したら、通知書が届き、申請書に記載した口座に入金されるのを待ちます。

医師の診断書について

診断書は医療費控除の対象にならない

傷病手当申請には必要ありませんが、しばらく有給をとる場合は、会社に医師の診断書を提出しなければいけないことがあります。診断書は病院によって金額が異なりますが、医療費控除の対象にはなりませんので、目安として、3,000円〜5,000ほどの金銭的負担がかかります。 診断書は、大きい病院では数週間から1ヶ月ほどかかる場合もあります。また会社によって、診断書の形式が決まっている所もあるので、その場合は会社指定の診断書を病院に持って行き、記入してもらいましょう。まずは、有給の際に診断書が必要か、形式は自由かなど、休みが決まった時点で確認しておくとよいでしょう。

内容を確認する

診断書を記入してもらったら、以下の記載事項に間違いがないかその場で確認しましょう。 ☑1.氏名、現住所 生年月日、年齢を確認する ☑2.病名、療養上の注意を確認する ☑3.医師の氏名と印鑑を確認する ☑4.病院名、病院の住所を確認する 名前の漢字が間違っていないか、住所の番地、生年月日などをチェックします。会社によっては、治療にどのくらいの期間が必要かを、確認されるところが多いので、期間がきちんと記載されているかも確認します。 病院の住所、病院名に誤りがあることは少ないですが、しっかり確認し、同時に担当医師の名前印鑑もチェックしましょう。たまに診断書が封に入れられ、確認できない状態で渡される場合もあります。そのときは、病院に控えがありますので、見せてもらい確認すると安心です。

傷病手当金か有給を使うかは自分で決められる

病気やけがで仕事ができないと、体もきついですが精神的にもつらいものです。周りに迷惑がかからないか、休んでいる間の金銭的な問題など負担になってしまいます。 傷病手当や有給休暇は、病気やけがで仕事ができなくなったときに、少しでも負担を和らげることができるありがたい制度です。会社から、病気で休むなら有給でと決められてしまうことも多いですが、選択は自分自身でできます。自分に合った制度を選択し、ゆっくり体を休めましょう。