老後の生活資金として、耳にしたことのある人も多い年金制度。昨今では社会情勢の変化や高齢化社会により、個人年金である年金共済が注目されています。年金制度は、日頃から知識を集めて今後に備えておくことが大切。年金共済の仕組みをしっかりと学び、老後に備えましょう。
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ねんきん共済はどんなもの
全労済が運営する保険
ねんきん共済とは、全労済が運営する保険の一つ。3つの種類に分けられた個人年金「終身年金タイプ」「確定年金タイプ」「変額年金タイプ」の中の、確定年金タイプがメインとなっています。確定年金は、年金の支払期間が確定しているものを指し、受給期間は5年・10年・15年が一般的です。 一方で、終身年金の場合は一生涯年金を受け取ることができ、保険加入者が死亡するまで年金の支払いが継続します。変額年金タイプは、保険会社側の資産運用により、受け取る年金額が変わるため、返戻率(支払った保険料に対する年金額の割合)が高くなるメリットもありますが、元本割れを起こすリスクも考えられます。 またねんきん共済には、家族年金という制度が設けられています。もしも保険料の支払い中に支払者が死亡した場合などは、遺族が従来の給付額の2倍の年金額を受け取ることが可能です。
3つの選べるタイプがある
20歳以上の国民は、一般的に公的年金(国民年金、厚生年金、共済年金)に加入するため、老後の生活は保障されていると考えています。しかし少子高齢化社会が問題となり、将来の生活に不安を持つ人も多く、個人年金保険への加入を検討する人が増えているのです。個人年金は、公的年金だけでは不十分な保障を補うために活用されます。 個人年金保険には主に3種類あり、主流とされているのが、確定年金と終身年金の二つ。変額年金については、取り扱っている保険会社は少ないようです。
確定年金
あらかじめ決定された期間(5年、10年、15年など)で、確実に年金を受け取ることができ、最も好まれている年金タイプ。保険加入者が死亡しても、年金の支給は継続されます。
終身年金
保険加入者が死亡するまで年金を受け取ることができ、加入者が早死にした場合、元割れを起こすリスクもあります。ただし、「最低保障期間」付きの終身保険であれば、加入者の生死にかかわらず、最低限の年金支払機関が確定しているため、ある程度の損失を防ぐことは可能です。 現在終身年金は、近年の金利の低下に伴い、販売停止中となっています。これは、生命保険各社が金利の動向に基づき、国が決定する標準利率を目安に、保険加入者に対して、予定利率や契約者が支払う保険料を決めているためです。
変額年金タイプ
保険加入者が支払った保険料をもとに、保険会社側で株式などの資産運用を行います。この運用の実績により、支給される年金額が決定されます。契約条件によっては、支払った保険料より年金の受給額が下がるといったリスクもあります。
ねんきん共済の保証範囲
保証内容と範囲
ねんきん共済は、「家重型」と呼ばれる確定年金プラン向けの保障が大きな特徴になり、個人年金としての貯蓄性に加え、死亡保障に対して手厚いことも利点としてあげられます。ねんきん共済の確定年金プランによる家重型は、「家族年金」と「重度障害年金」を組み合わせた保障内容が主となります。確定年金プランの保障内容と範囲は以下のとおりです。
遺族確定年金
遺族確定年金とは、保険加入者が死亡した場合であっても、保険料の支払継続を保障するものです。保険加入者の死亡により、名称が確定年金から遺族確定年金へと変更になります。
家族年金
家族年金とは、保険加入者が共済掛け金を支払っている途中に、死亡してしまった場合の保障です。確定年金が支払われる代わりに、残された遺族に対して10年間、契約金額の約2倍の金額の家族年金が支給されます。
重度障害年金
重度障害年金とは、保険加入者が共済掛金を支払っている最中で、重度の障害を負った場合に支払われる年金です。家族年金とは違い、年金支払い開始日に保険加入者が生存していれば、重度障害年金に加え、確定年金を受取ることができます。さらに、それ以後の共済掛金の支払いが免除されます。
シミュレーションで金額を知ろう
ねんきん共済における保障内容と金額のシミュレーションについて、低額型と逓増(ていぞう)型の2種類に分けて確認することができます。ねんきん共済掛金シミュレーションは、同じ契約年金額でも、定額型と逓増型で支払う掛け金額や支給額は変わります。
確定年金プラン家重型・低額型で契約した場合
30歳男性(掛け金振込年数が35年)の場合 ☑1. 年金支払開始年齢:65歳 ☑2. 年金支払期間:15年 ☑3. 契約年金額:48万円(4口) ☑4. 支払共済け掛金:月々16,600円 ☑5. 支払共済掛け金総額:697万2,000円 ☑6. 確定年金受取総額:720万円(受給率、103.3%) ☑7. 家族年金受取総額:掛け金払込期間中に亡くなられた場合、960万円 ☑8. 重度障害年金:掛け金払込期間中に重度の障害を負った場合、720万円
確定年金プラン家重型・逓増型で契約した場合
30歳男性(掛け金振込年数が35年)の場合 ☑1. 年金支払開始年齢:65歳 ☑2. 年金支払期間:15年 ☑3. 契約年金額:48万円(4口) ☑4. 支払共済掛け金:月々21,480円 ☑5. 支払共済掛け金総額:902万1,600円 ☑6. 確定年金受取総額(年々5%ずつ増加する):972万円(受給率、107.7%)65歳:48万円、 70歳:60万円、75歳:72万円、79歳:81万6,000円 ☑7. 家族年金受取総額:掛け金払込期間中に亡くなられた場合、1,176万円 ☑8. 重度障害年金:掛け金払込期間中に重度の障害を負った場合、720万円(重度障害年金の場合、逓増型でも2年目以降の年金額は初年度と同様になります。)
JA共済の年金はどんなもの
年金共済ライフロードの特徴
JA共済が販売する、「予定利率変動型年金共済ライフロード」が現在注目を集めています。年金共済ライフロードは、「確実に受け取れる年金」「老後資金を積立できる」「個人年金保険料控除が受けられるため、節税できる」「医師の検査が審査不要で、簡単な告知で申し込み可能」といった4つの点が特徴としてあげられます。 予定利率変動型年金共済ライフロードは、医師の検査が不要で簡単な告知のみで申し込みが可能とありますが、残念ながら誰でも簡単に加入できる訳ではありません。実は、18歳〜50歳の年齢制限があるため、50歳以上の年齢の人は申し込みすることができないのです。
個人年金保険料を控除できる
年金共済ライフロードは、「掛金払込み期間が10年以上」「年金受取人は契約者本人か配偶者」「年金受取期間が10年以上で受取開始が60歳以上」という3つの条件を満たすことで、個人年金保険料控除が受けられます。個人年金保険料控除は、所得税と住民税で適用要件が異なるので、その違いを確認しましょう。
所得税
☑1. 年間保険料が20,000円以下の場合、控除額は保険料の全額 ☑2. 年間保険料が20,000円〜40,000円の場合、控除額は保険料×0.5+10,000円 ☑3. 年間保険料が40,000円〜80,000円の場合、控除額は保険料×0.25+20,000円 ☑4. 年間保険料が80,000円超の場合、控除額は40,000円 ライフロードの場合、掛金を月々3,000円以上、1,000円単位で設定できるので、毎月7,000円に設定すれば年間で84,000円となり、所得税の控除要件である年間80,000円の掛金に最も近くなります。
住民税
☑1. 年間保険料が12,000円以下の場合、控除額は保険料の全額 ☑2. 年間保険料が12,000円〜32,000円の場合、控除額は保険料×0.5+6,000円 ☑3. 年間保険料が32,000円〜56,000円の場合、控除額は保険料×0.25+14,000円 ☑4. 年間保険料が56,000円超の場合、控除額は28,000円 実際の節税額については、所得税率5%の場合、所得税と住民税ともに、満額の控除額を合計した、68,000円の控除を受けると、「所得税控除40,000円×5%=2,000円」、「住民税控除28,000円×10%=2,800円」となり、合計4,800円の節税額になります。さらに、年間84,000円の保険料に対し、約5.7%のリターンになります。 また、所得税率10%の場合は、「所得税控除40,000円×10%=4,000円」、「住民税控除28,000円×10%=2,800円」となるため、合計6,800円の節税になり、年間保険料に対して約8%のリターンが期待でき、所得税率が15%の場合は、「所得税控除40,000円×15%=6,000円」、「住民税控除28,000円×10%=2,800円」となり、節税額は合計8,800円、年間保険料に対しては約10.4%のリターンになります。
JA共済のメリット
高い利率が魅力
JA共済の最大のメリットとして、保険料として投下した元本が減らないため、高い利率で確実に運用できる点があげられます。例えば25歳から契約した場合は、35年間は保険料の払込を続けて積み上げることになるので、安全で確実に年金を増やしたい人にはおすすめの年金といえます。 当年5年間は、0.5%の予定利率によって固定されますが、その後6年以上積み立てることにより、60歳までは最低保証予定利率は0.75%となり、予定利率が見直されることで、さらに資金が増えることになります。JA共済は、60歳以降になると5年・10年・15年の期間から選んで年金を受給する仕組みです。年金として受け取る期間も予定利率で資金が運用されるため、JA共済のメリットと言えます。 注意点としては、途中で解約した場合、投下資金をすべて回収できないといったデメリットもあるので、加入するなら60歳まで解約しないようにしましょう。万が一、途中で資金を引き出す必要がある人は、元本割れする可能性が高いので、加入する前にしっかりと計画を立るようにしてください。
デメリットも確認しよう
JA共済は保障内容は多いですが、貯蓄性に欠けるといったデメリットがあります。例えば、確定年金プラン家重型・定額型の受給率は、103.3%とさほど高くはなく、資産運用の面での効率を考慮した場合には、他の個人年金保険への加入を検討する必要があります。 また、長い期間掛け金を支払い続けて運用するため、資金が急に必要になった場合、すぐにお金の引き出しをすることができません。例えば18歳から加入した場合、最低でも32年間、30歳から加入した場合でも20年間は掛け金を払い続け、年金として受け取るまでは、資金の引き出しができません。 緊急でお金が必要になった場合は一応解約もできますが、途中解約した場合は返戻金(へんれいきん)が払い込み済の掛金を大きく下回る可能性があります。払い込み前に途中で解約すると、元本割れして損をする可能性があるので、十分注意しましょう。
共済年金はどんな年金
公務員が加入している年金
現在の公的年金には、「国民年金」「厚生年金」そして「共済年金」があります。共済年金は2015年10月から厚生年金に一元化されたため、厚生年金と同じ役割(基礎年金の上乗せ)を担っています。厚生年金に加入するか、共済年金に加入するかは職種によって変わり、会社員は厚生年金、公務員は共済年金と考えられます。 共済制度は3つの制度に分かれており、次のように区分されます。 ☑1. 国家公務員が加入する、国家公務員共済 ☑2. 地方公務員が加入する、地方公務員共済 ☑3. 私立学校の教職員が加入する、私立学校教職員共済 さらに、公的年金は三階立ての制度で成り立っています。公務員などの年金制度は、2015年9月までは一階部分が「共済年金」、三階部分は「職域加算」でしたが、2015年10月から共済年金は厚生年金に一元化されたため、三階部分についての職域加算が廃止され、新たに年金払い退職給付が設立されました。 ☑1. 一階部分:全国民共通の年金制度である「国民年金」 ☑2. 二階部分:会社員、公務員の年金制度である「厚生年金」 ☑3. 三回部分:会社独自の年金制度である「企業年金」、公務員独自の上乗せ制度である「年金払い退職給付」
年金の一元化で統一へ
これまで、公的年金の二階部分については、会社員が加入する「厚生年金」、国家公務員が加入する「国家公務員共済年金」、地方公務員が加入する「地方公務員共済年金」、私立学校の教職員が加入する「私立学校教職員共済年金」の4つに分かれていました。 年金共済と厚生年金の間には制度の格差が存在し、「官民格差」として批判があったため、この格差を解消するため、平成27年10月から国家公務員、地方公務員、私立学校の教職員も、厚生年金に加入することに変わり、二階部分の年金は厚生年金に一元化されました。さらに、退職共済年金として厚生年金に加算されて、年金が支払われます。 厚生年金の一元化により、共済年金にある職域加算が廃止され、共済年金と厚生年金の差異の象徴であった格差は解消されましたが、実際は年金払い退職給付として、形を変えて存続します。終身支給であった職域加算に比べて、年金払い退職給付は、終身部分と有期支給(10年または一時払い)の併給となるため、水準も下がるようです。また、職域加算には不要だった三階部分の保険料(掛金)が新たに発生することになります。
目的で共済年金を選ぶ
個人年金の仕組みは、その商品によってさまざまです。この先の老後を考えて、年金の情報はつねに先取りしておきたいもの。公的年金については、少子高齢化もあり、保険料の受給については多くの人が不安を抱えています。 また、職業や女性の場合は既婚未婚、またご家族の職業勤め先によっては、加入する年金も大きく変わってくるでしょう。まずは自分の公的年金の状態をよく把握して、目的に合った共済年金を選ぶようにしましょう。
エクセライク保険株式会社 代表取締役。2018年MDRT会員取得。
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