児童手当拠出金ってどんなもの?財源やその使い道を知っておこう

「児童手当拠出金」は、平成27年に「子ども子育て拠出金」に名称を変更した子育て支援に使われるために集められる税金のことです。 財源はどのように確保され、どのような用途で使用されているのかを詳しくみていきましょう。

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児童手当拠出金はどんなもの

児童手当拠出金の名前が変更に

「児童手当拠出金」とは、児童手当金を始めとした子育てに必要となる養育費を支援する公的給付金に充てることを目的に、社会保障料同様に年金機構から徴収される税金のことです。 この拠出金は、厚生年金保険の被保険者となる従業員を雇っている事業主が負担しています。 その全額を事業主が負担することになるので、従業員側は自分が関係しているという実感が湧かないと思いますが、従業員の厚生年金保険の標準報酬月額および標準賞与額に、拠出金率を乗じて得た額が拠出金の額となっているので、無関係というわけではありません。 児童手当拠出金などから支給される児童手当は、児童を育てる保護者に対して、主に行政から支給される手当のことです。 家庭等における生活の安定と児童の健全育成を目的とした給付で、0歳から中学校卒業までの児童を養育している人に支給されます。 児童手当拠出金は、平成27年4月に「子ども・子育て支援法」が施行されたタイミングで、「児童手当拠出金」」から「子ども・子育て拠出金」に名称が変更されました。また、その運用も「子ども・子育て支援法」のもとで行われるようになりました。

子ども子育て拠出金の支払い金額

「子ども・子育て支援拠出金」は子育て支援のために充てられる税金です。 この拠出金は、会社や事業主が厚生年金を納付する際に、同時に日本年金機構に徴収されますが、この拠出金の実態は、社会保険料というよりは税金です。 この拠出金の支払い金額は、雇用している従業員の標準報酬月額及び標準賞与額に拠出金率を乗じて算出します。 標準報酬月額とは、報酬月額に応じて定められています。拠出金率を乗じて算出された金額を従業員を雇っている事業主が全額負担します。 平成29年3月31日に、「子ども・子育て支援法施行令」の一部を改正する政令が交付され、平成29年4月以降の子ども・子育て拠出金の拠出金率は、0.23%となりました。 拠出金率は、平成24年4月から平成28年3月までは0.15%でした。しかし、平成28年の改正で0.2%と改定され、さらに平成29年4月の改正で0.23%に引き上げられました。 法改正によって拠出金率を0.25%まで引き上げることが認められているので、今後また引き上げられる可能性もあります。 近年の拠出金率の引き上げは、児童手当を始めとする子育て支援事業の財源を確保することが目的とされています。

会社や企業が支払い負担

「子ども・子育て支援拠出金」は、会社や事業主が従業員の厚生年金を納付する際に、一緒に徴収されます。 従業員は子ども・子育て拠出金を納付する必要はなく、その従業員を雇っている会社や事業主が、納付することになっています。 また、厚生年金保険料は雇用者側と従業員が折半で負担しますが、子ども・子育て支援拠出金は雇用者側が全額を負担するよう定められています。 子育て支援に関わるお金ですが、従業員に子どもがいるかどうかは関係ありません。従業員が独身であったり、子どもがいなかったりする場合でも、厚生年金に加入している従業員は全員が対象となります。 社会全体で、子育て支援にかかる費用を負担する、という考えから、一般事業主から拠出金が徴収されることとなっています。従業員が負担しているわけではないので、従業員の給与から天引きされるようなことはありません。

子ども子育て拠出金は何に使われるか

子ども・子育て拠出金は、その名のとおり、子どもを育てることを支援することを目的として徴収されているお金です。そのため、使用用途は、子育てに関連するものに限られます。 元々は、児童手当拠出金という名称だったこともあり、「児童手当事業」に使われていることは想像がつく人も多いのではないでしょうか。 この拠出金を財源として支払われる「児童手当」は、家庭などにおける生活の安定と児童の健全育成を目的として、0歳から中学校卒業までの児童を養育している保護者に支給される手当です。 この手当を受け取ることができるのは、児童本人ではなく、対象となる児童を養育している保護者になります。 子育て世帯において、子どもの養育費などの一部として使用することで、子育ての費用負担を少しでも軽減できるよう設けられた制度です。 児童手当事業以外に拠出金が使われている事業には、放課後児童クラブや延長保育事業、子育て中の親子の交流促進や育児相談などを行う「地域子育て支援拠点事業」などを実施する「地域子ども・子育て支援事業」があります。 この事業には、妊婦健診や乳児全戸訪問など、産まれる前、または産まれてすぐの子どもに対するケア事業も含まれています。 それ以外にも、仕事をしながら子育てをする人を支援することを目的とした、企業主導型の保育事業やベビーシッター事業を支援する「仕事・子育て両立支援事業」などで、この拠出金が使用されています。

児童手当で子育てを楽に

受け取るための条件

児童手当の支給対象となるのは、日本国内に住む0歳以上から中学卒業まで(15歳に到達してから最初の年度末まで)です。児童本人ではなく、受給者支給対象児童を養育している養育者に対して支払われます。 一般には、両親のうち所得が高い方が手当の受給者になりますが、自治体によっては児童の健康保険を負担している側を受給者としている場合もあります。両親に代わって児童を養育しているものがいる場合はその養育者に対して支払われます。 ただし、児童手当の支給には所得制限があり、一定の金額を超える所得がある場合、児童手当の給付金額が減額されます。この所得制限は、児童手当を受け取る人が扶養している扶養親族の人数によって変わります。 なお、共働きの場合には、夫婦の収入の合算ではなく、年収が高いどちらか一人が対象となります。 例えば、専業主婦家庭において、子どもが2人いる世帯(扶養家族が3人)の場合、年収960万円未満であれば、児童手当を受け取ることができます。 年収が960万円以上の場合には、所得制限により、児童手当は支給されませんが、当面のあいだは、児童手当の代わりに子ども一人あたり月額5,000円が特例として支給されます。 個人の世帯状況によって、所得制限の線引きは異なりますので、分からないことがある場合には、各自治体の窓口に確認してみましょう。

住民登録していれば受け取れる

児童手当の支給対象となる児童は、日本国内に住んでいることが条件となります。 国籍は問わないので、外国籍であることを理由に支給対象から外れることはありませんが、日本国内に住所を有しておく必要があります。 児童手当は、住民登録をしている自治体から支給されます。住民登録をしてから、児童手当の請求手続きをするようにしましょう。 また、児童が日本にいないケースとして、海外留学が考えられます。対象の児童が海外留学している場合でも、一定の要件に該当していれば、児童手当の支給対象となります。ただし、留学以外の事由で海外に住んでいる場合には、手当の対象とはならないので注意しましょう。

認定申請書を提出して申請する

児童手当は、自治体に「児童手当認定証明書」を提出して申請することで給付されるようになります。子どもが生まれたり、他の市区町村から転入してきたりした場合には、各自治体に申請しましょう。 児童手当は、基本的には申請した翌月から支給されますが、出生日や転入日が月末に近い場合には、当月の神聖が難しい場合もあります。 その場合、申請日が翌月になっても、出生日や転入日から15日以内であれば、申請月分から支給してもらうことができます。 ただし、申請し忘れると、遡って支給してもらうことはできません。児童手当の受給対象となる子どもがいる場合には、忘れずに早めに手続きをしましょう。

必要な書類を集めよう

児童手当を請求するための申請には、次の書類が必要となります。 ☑児童手当認定申請書 ☑マイナンバー(個人番号) ☑印鑑 ☑申請者名義の健康保険証のコピー ☑申請者名義の振込口座が確認できるもの(預金通帳やカード) 児童手当は児童本人ではなく、保護者に支給されるものです。児童手当の振り込み先として指定できるのは、申請者名義の普通口座に限られます。児童名義口座は指定できないので注意しましょう。 自治体によっては、これら以外にも、申請者の所得証明書や住民票等の書類が必要となる場合があります。詳細は各自治体に問い合わせるか、自治体のホームページで確認して、必要書類をそろえてから申請してください。

受け取れる日にちを確認

児童手当は、毎月振り込まれるものではありません。年に3回(2月・6月・10月)、4ヶ月分ずつまとめて支給されます。 ☑6月(2月〜5月分) ☑10月(6月〜9月分) ☑2月(10月〜1月分) 振込み日については、自治体によって異なりますが、10日や15日に指定口座に振り込まれるケースが多いです。振込み日が土日にあたる場合には、直前の金曜日に振り込まれる自治体と、直後の月曜日に振り込まれる自治体があります。 振込み日の詳細を知りたい場合には、お住まいの自治体に確認してみましょう。 児童手当を受け取り続けるには、年に一回「現況届」を提出する必要があります。現況届は、毎年6月1日時点の養育状況や、前年の所得などを確認し、引き続き児童手当の受給対象となりえるかどうかを判断するために使われます。 現況届を提出しないと児童手当の支給されなくなるので注意しましょう。

貰える金額の違いはあるのか

受け取ることができる児童手当の金額は、対象となる児童の年齢や出生順によって異なります。 ☑0歳〜3歳未満 15,000円 ☑3歳〜小学校修了前の第1子・第2子 10,000円 ☑3歳〜小学校修了前の第3子以降 15,000円 ☑中学生 10,000円 なお、所得制限の対象となる世帯の場合、年齢に関係なく子ども1人につき、5,000円が支給されます。 また、一人親世帯の場合には、児童手当と並行して、「児童扶養手当」を受け取ることができます。児童扶養手当を受け取るには、一定の条件があります。 申請書や必要書類も自治体によって異なるので、受給資格があるかどうかと、申請の方法については、各自治体に問い合わせてみましょう。

子ども子育て拠出金で支え合いの生活

子ども・子育て拠出金の「拠出」とは相互扶助のために金銭や物品を互いに出し合うことを意味しています。 従業員個人が負担しているわけではありませんが、子どもがいるかどうかに関係なく、会社や事業主によって支払われたお金を、子育てにお金が必要となる受給者が受け取っているということを理解しておきましょう。 養育費だけでなく、子どもを育てていくにはさまざまなお金がかかります。子ども・子育て拠出金の活用で、社会全体で子育てを支えている、また、社会全体支えられているという意識をもちましょう。

公認会計士・税理士 伊藤 温志

エクセライク保険株式会社 代表取締役。2018年MDRT会員取得。
会計事務所の経営を通じ1,000社を超える顧客の税務/会計/保険/資産運用の相談に対応。
通常の代理店ではみれない顧客情報を扱っていることから、豊富な引出しを有し多くのお客さまから支持を集めている。