年金の納付猶予制度の救済対象とは?免除される金額と手続方法を知る

年金の納付猶予制度とは、さまざまな理由で年金の保険料を支払うことが難しい場合の救済制度。未納のままでは、将来年金を受け取れなくなる可能性も考えられます。内容をしっかりと把握し賢く上手に活用することで、そのような事態を回避しましょう。

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年金の支払いが難しいときの救済制度

国民年金保険料免除と納付猶予制度

所得が少なかったり、失業した場合などに、国民年金を月々納めていくことに負担を感じる人もいます。そのようなときは未納のままにするのではなく、国民年金免除の手続きを取るようにしましょう。免除の申請が下りれば、国民年金保険料の納付が免除されます。 免除にも種類があり、全額免除、4分の3免除、半額免除、4分の1免除の4種類となっています。 また、収入が少なく国民年金保険料の納付が難しい人には、国民年金保険料納付猶予という制度があります。本人または配偶者の前年度所得が一定額以下の場合や、失業した場合、申請し承認されることで保険料の納付が猶予される制度です。20歳以上50歳未満の人が対象となっており、2025年6月までの措置とされています。 収入の少ない学生には、学生納付特例制度という免除および猶予の制度があり、本人の所得審査が必要です。 注意しなければならない点は、年金を未納のままで放置しておくと、将来的に障害や死亡の際の障害基礎年金や遺族基礎年金などが受け取れない場合も出てくるということです。保険料を支払うのが難しい場合には、住んでいる市区町村の国民年金担当窓口で相談するようにしましょう。

厚生年金保険料免除と納付猶予制度

厚生年金保険料には免除はないと思われがちですが、妊娠出産を機に仕事ができなかった期間について事業主が年金事務所に申し出ることで、被保険者と事業主両方の負担が免除されるという制度があります。 適用される期間は産前産後休業期間といい、産前の場合ですと42日間(多胎の場合は98日間)、産後は65日間となっています。 申請をするのは事業主ですが、必ず産前産後休業をしている間に行う必要があります。この制度では産前産後休業期間中の給与の有無は問いません。 この免除期間は将来年金を計算するにあたって、きちんと保険料を納めた期間として扱われることになっているので安心です。

年金納付猶予制度の救済対象となる人

年齢による対象

平成28年6月までは30歳未満の人だけが対象であった年金納付猶予制度ですが、平成28年7月以降は20歳以上50歳未満の方までが対象となりました。今まで対象ではなかった30歳以上50歳未満の人達も、救済対象に入ることができるわけです。 20歳から50歳未満の人で、本人または配偶者の前年度所得が一定額以下の場合に申請し、承認されれば年金納付猶予制度を受けることができます。 納付猶予期間中であっても、障害年金や遺族年金を受け取ることもできますので、未納のままで放置しておくよりも、きちんと手続きを取った方がメリットが多いことが分かります。 免除と猶予の主な違いは、例えば全額免除の場合、将来の年金支給額は満額を支払った人たちの半分として計算されるのに対し、猶予の場合ですと老齢基礎年金の受給額には反映されないといった違いがあります。免除が一部支払ったという形をとるのに対して、猶予はそのような形はとりません。

審査をした上で経済的に納付が難しい人

年金納付猶予制度の救済対象となるには、前年度所得が一定額以下となることが必要です。申請者本人と申請者の配偶者それぞれの所得が、次の式に当てはめた数字よりも下回るときに対象者となります。 (扶養親族等の数+1)×35万円+22万円、という式です。 審査は日本年金機構で行われ、承認されると納付が猶予されます。猶予された分は経済的に困窮していない後日に追納することで、将来もらえる年金額を増やすことができるようになっています。

学生の人は学生納付特例制度

学生とは、大学生、大学院生、短期大学、高等学校、高等専門学校、特別支援学校、専修学校や各種学校などのことをいいます。また、夜間や定時制、通信制の学校も含まれます。 本人の前年所得額が一定以下であれば、申請することができます。申請者本人のみの本年度の所得基準=118万円+扶養親族などの数×38万円+社会保険料控除など、という式で求めることができ、親や配偶者の所得は関係しません。 対象となる学校は、日本年金機構のホームページ「学生納付特例対象校一覧」より確認することができます。 申請をする際に必要なものは年金手帳、学生であることや学生であったことを証明する書類、失業した方が申請する場合には失業したことが確認できる書類が必要です。 あとで保険料を追納する場合には、追納加算額があることと追納申込書が必要になることを忘れないようにしましょう。加算額が上乗せされるケースは、承認を受けた期間の翌年度から起算し3年度目以降に追納する際に、当時の保険料に経過した期間に応じた加算額が追加される場合です。 後日追納することによって、将来的に受給できる老齢基礎年金の額を増やすことができます。 詳細はこちら

会社を退職した人は失業による特例免除

会社を辞めて収入が今までより減ってしまった人に対しての救済措置として、申請することにより保険料の免除や猶予を受けることができる制度があります。 雇用保険の被保険者であった方は、雇用保険受給資格者証の写しと雇用保険被保険者離職票などの写しが申請の際には必要になります。 また、事業の廃止や休止を行っている方は公的機関が交付する証明書などで、失業の状態を証明できる書類が必要となってきます。具体的には税務署や保健所などへ提出した書類の控えなどです。 申請は住民票のある地区町村の年金担当窓口にて行います。

年金が免除される金額について

年金の全額免除

国民年金免除の中でもいちばん多い免除額である全額免除。厚生労働省から事務を委託され、年金業務を行っている日本年金機構ですが、年金が免除される場合において必要な審査も行っている機関になります。年金のことで何かわからないことがある場合には、日本年金機構のホームページを読むと解決するケースは多いです。 年金の全額免除の申請は、本人・世帯主・配偶者の前年所得が一定以下の場合や失業した場合などに申請することができます。前年所得が次に示す式に当てはめたとき、計算した金額の範囲内であることが基準になります。 (扶養親族などの数+1)×35万円+22万円 全額免除の申請が通り、国民年金保険料が免除になった場合には将来的に免除された期間については、老齢基礎年金の2分の1が支給されることになります。

年金の一部免除

国民年金保険料の全額免除に関しては審査基準が厳しく、全ての人が受けられる制度ではありませんが、4分の3免除や半額免除、4分の1免除などの年金一部免除を受けられる人もいます。 4分の3免除の場合、老齢基礎年金を全額納付した時に受給できる年金額のうち8分の5を、将来受給できることになります。半額免除の場合が、8分の6。4分の1免除が8分の7となっています。 免除の割合が大きければ大きい程、将来受給できる年金額は少なくなっていくという仕組みです。 将来老齢基礎年金を受給するためには、保険料を納めた期間や保険加入期間が合計で10年以上必要になってきます。保険料の免除や猶予の制度を受けていたとしても、この10年の期間に算入されるので安心です。

年金納付猶予制度の手続き方法

申請に必要な書類

国民年金納付猶予制度に申請する場合に必要な書類は、保険料免除納付猶予申請書と年金手帳です。その他にも前年または前々年の所得を証明する書類や、所得について税申告をしていない場合には所得の申立書、失業による申請の場合には雇用保険受給資格者証の写しまたは雇用保険被保険者離職票などの写しが必要になります。 また事業の廃止や休止を行っている方は、先述しましたが公的機関、具体的には税務署や保健所などに提出した書類の控えなどの公的機関が交付する証明書が必要です。つまり失業の状態が証明できるものを提出する必要があるのです。税務署や保健所が交付する証明書は、受付印のあるものに限ります。 申請は原則として毎年度必要になります。 保険料免除(一部免除は除く)や猶予の申請が通った人で、「次の年も申請を希望する」と最初の申請時に書面で伝えた場合には、改めて申請を行うことなく継続して申請されたものとして審査を行ってくれます。継続希望の人は、書類の継続希望区分欄に丸を付けるのを忘れないようにしましょう。 ただし、この措置は2025年6月までという限りのある制度です。

申請を届け出るところ

申請の書類の準備が整ったら、住民票がある市(区)役所、町村役場の国民年金担当窓口にて提出を行ってください。郵送することも可能です。 保険料免除や納付猶予の申請書は年金事務所かもしくは、市区町村の国民年金担当窓口に備え付けてあるものを用いるか、国民年金機構のホームページからプリントアウトして記入してください。 詳細はこちら

審査方法と基準

年金納付猶予制度の所得審査の対象者は、本人と配偶者です。同居している親などは対象にはなりません。審査の対象年齢は20歳以上50歳未満となっています。 日本年金機構が行う年金納付猶予制度の所得審査の基準は、次の式で求められます。前年所得が(扶養親族の数+1)×35万+22万という式です。例えば子供がいない場合ですと、57万となり前年所得が57万を超えなければ審査の対象となります。 所得の目安としてもうひとつの例をとって、夫婦に子供2人で扶養が3人で計算してみましょう。すると式は(3+1)×35万+22万=162万となります。162万円を超えなければいいわけです。このようにして式に当てはめることで、所得審査の基準を求めることができます。 基準を満たしているのならば申請書類と年金手帳を持ち、住民票のある市区町村の年金窓口へ行って申請手続きを行いましょう。 ここで注意しておきたいのは、納付猶予の申請が通った場合には納付猶予期間は年金の受給資格期間には算入できるのですが、猶予期間は年金額には反映しないということです。 あくまでも後日追納する形で、将来受給できる年金額を増やすことができます。

年金支払いが難しい時は納付猶予を考えよう

失業したり、収入が極端に少なかったりして国民年金の支払いが負担になってしまっている人や、そのまま未納を続けている人にとっても、年金納付猶予制度はとてもメリットがあるものになっています。 2025年6月までの措置ですが、年金未納を続けていてもデメリットしかありません。障害者基礎年金や遺族基礎年金を受け取れなくなる可能性が出てきてしまうからです。 国民年金の支払いが負担だなと感じたら、住んでいる地域の年金担当窓口で相談するといいでしょう。今ある制度をよく知り十分に活用することで、将来受給できる年金を確保しておきましょう。