高額医療の手続きは簡単。手際よく申請して便利な制度を活用しよう

病気やケガで入院や継続治療が必要になったら迷わず「高額療養費」の申請手続きをしましょう。高額療養費の申請手続きは、家族が代理でおこなうこともできます。高額療養費の手続き方法を知っておくことで、家族の病気も安心してサポートすることができます。

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高額医療費を申請する方法

事後なら高額療養費を支給申請

「高額医療費制度」は1ヶ月分の総医療費に対して利用できる制度です。治療費が一定額を超えたときに適用され、一定額に達しない場合は自己負担分を窓口に支払うことになります。 治療が長期化し、1ヶ月分の医療費が6万円を超えている場合は、自分が加入している保険者に連絡を入れてみましょう。自分の収入に応じた限度額を教えてもらえます。 もし自分の限度額が57,600円であれば60,000円の診療費は「限度額を超えている」ということになりますが、80,100円の限度額の場合なら「限度額に達していない」ということになり、払い戻しの対象にはなりません。 すでに支払っている1ヶ月分の医療費と限度額を比較し、医療費が限度額を超えている場合に差額分の払い戻しを受けることができます。注意したいのは、入院の場合は差額ベッド代・食事代が計算には含まれないことです。ベッド代と食事代は計算から除外して計算しましょう。 限度額を超えていたら、さっそく保険者へ払い戻しの申請をおこないましょう。申請から約3ヶ月後に、指定の口座に差額分が振り込まれます。 いくら払い戻しされるか具体的に知りたい場合は、高額療養費の計算をしてみましょう。しかしこの計算は少々難解ですので、高額医療費の試算をしてくれるサイトにアクセスしてみてください。総医療費と自分に決められた限度額を入力するだけで簡単に計算してくれます。

事前なら限度額適用認定証を利用申請

入院や手術など、高額な治療と療養を受けることが事前に分かっている場合は、保険者に限度額適用認定証の交付申請をおこないましょう。申請が受理されれば、早ければ即日で「限度額適用認定証」が発行されます。 この「限度額適用認定証」には、自分の自己負担限度額(金額ではなく記号)が記載されています。医療機関にこの認定証を提示すれば、特別な手続き不要で支払額を限度額にとどめてもらえます。 「限度額適用認定証」の提示が間に合わなければ、事後申請して払い戻しを受けることになります。このように「限度額適用認定証」には、高額な医療費の立替えが不要になり、負担が少なくなる大きなメリットがあります。

申請期限は翌月1日から2年以内

高額療養費を事後申請する場合は、申請期間に限りがありますので注意が必要です。申請期限は、治療開始の翌月1日から2年以内までで、これを過ぎると「消滅時効」を迎え、いくら申請をしてもお金は払い戻しされません。これまでに高額な治療を受けたことがあり、まだ2年を経過していない場合は急いで申請手続きをおこないましょう。 今月から高額な治療が始まった場合は、1ヶ月(1日から31日)の診療後、翌月1日以降に払い戻しの申請を開始しましょう。

70歳以上は手続き不要

日本の国民は、70歳を超えると自動的に「高齢者医療」に切り替えられ「高齢医療受給者証」が交付されます。さらに75歳に達すると「後期高齢者医療保険被保険者証」に自動的に切り替えられ、新しい保険者証が交付されます。 70歳を超えた人の保険証は、窓口負担額が1割から2割になり、現役時代より毎回支払う医療費が安くなります。さらにこの保険証には「自己負担限度額」が自動的に設定されていますので、一定額を超えた時点で請求額は0円となります。 つまり、70歳以上の人は「高額療養費」や「限度額適用認定証」の申請手続きは不要となります。70歳以上の人が持つ保険証は通常1枚だけで、外来・入院を問わずすべての診療費に対する限度額適用を受けることができるのです。(外来診療分の限度額適用証は、平成24年から利用できるようになりました)

低所得者は別の認定書必要

所得が低い人はさらに自己負担金額を低くする「医療費負担軽減措置」を受けることができます。こちらも専用の申請書による手続きが必要です。 低所得は区分があり「低所得I」と「低所得?」の2つに分かれています。「低所得I」とは、世帯の全員が「住民税非課税」の対象で、その世帯の各所得(年金額の所得を80万円として計算)が控除を差し引いたとき、0円となる人が該当します。 これに対して「低所得?」とは、同一世帯の世帯主および国保被保険者が住民税非課税の人で「低所得I」に該当しない人です。ここでいう「住民税非課税」は、所得が低い・障がい者や未成年者・寡婦(寡夫)などの理由で前年中の所得が低かった場合に初めて非課税の対象となります。 これらに該当する場合は「標準負担額減額認定証」と記載された認定証を提示する必要があります。多くの場合は「限度額適用認定証」と合体した1枚の認定証になっていますので、手元に2枚保険証がないといって慌てる必要はありません。

高額医療費事前申請手続きからの流れ

保険者に限度額適用認定証の交付申請

窓口での支払いを一定額にとどめる「限度額適用認定証」の交付を受け、その制度を利用するためには、治療開始決定と同時に保険者への交付申請をおこなうことが肝心です。 限度額を超えるほどの治療になるかわからない場合であっても、「限度額適用認定証」は必ず使わなければならないという厳しい決まりはありません。しかし、せっかく存在している社会保険保証制度なのですから、迷わず申請手続きをおこないましょう。

保険者への申請方法

保険者への申請方法は難しくありません。保険者が用意している申請書に必要事項を明記し提出するだけです。受理されて処理が完了したら、自宅に限度額適用認定証が郵送されてきます(早いところでは即日交付してくれる場合もあります) 申請書に記入する内容も、初回申請の場合は住所・氏名・年齢といった基本的な内容を記入すれば完成します。申請手続きは極めて簡単ですので、治療が高額になりそうだと思ったら遠慮なく申請しましょう。 限度額適用証の交付は、代理人の申請でも受け付けてもらえます。(代理人が申請する場合は委任状が必要になることがあります)。また、申請書は郵送でも受け付けてもらえます。交付を急ぐ場合は直接窓口に出向くほうが早いです。保険者によっては即日交付してもらえるところもありますので、急ぐ場合は窓口に行きましょう。

どれくらいの診療費がかかるか目安が知りたい場合は?

医療機関によっては、一連の治療にかかる医療費の概算を教えてくれるところもあります。どのような病気で、どのような治療をおこなうか具体的な方針が決まっていれば、ある程度の概算をだすことは可能です。 治療の経過によって投薬や注射、処置や検査などが増える可能性もありますので、治療前(治療中)に正確な数字をだすことはできませんが、「限度額に達するような治療費となりそうなのか」という問いに対する「ざっくりとした数字」をだしてもらうことは可能です。 診療費に対する問い合わせは、医療機関の「初診受付」や「会計」などの事務員さんに声をかけてみましょう。(診療費の概算について尋ねる患者さんは珍しくありません。また、概算をだすのは難しいことではありませんので気軽に問い合わせしてみてください。)

医療機関窓口に認定証の提示

「限度額適用認定証」を交付されたら、直ちにかかりつけの医療機関に提示しなければなりません。提示するタイミングによっては、限度額適用の手続きに間に合わないことがあります。 特に「前月分」に対する診療費については注意が必要です。限度額適用認定証に記載されている有効期間内の診療分であっても、月を超えた場合は事後申請(保険者から払い戻しを受ける)になります。 早めに提出しておくことで、診療後の支払いは自己負担額までの範囲にとどめられます。「限度額適用認定証」が手元に届き次第、すぐに医療機関の窓口に提示しましょう。

高額医療費事後申請手続きへの流れ

医療機関へ自己負担分支払い

「限度額適用認定証」の提示がない場合は、通常通り医療機関で自己負担額(社会保険保証制度の範囲内、会社員なら3割負担)を支払います。 「限度額適用認定証」がない限りは、医療機関の窓口では「限度額適用証を利用しないもの」として扱われますので、診療費としてかかった金額がその都度窓口で請求されます。とくに支障がないという人は、このような支払い方法・払い戻し方法でも問題はありません。 高額療養費は誰でも活用できる制度なので、診療費費の立て替え払いをするか・後日払い戻しを受けるか、この2つの観点で家計と相談して選べばよいでしょう。

自己負担限度額超過分を保険者へ申請

医療機関から発行された領収証は大切に保管しましょう。1ヶ月分の支払額を証明するために必要です。後日記入する「高額医療費支給申請書」には1ヶ月の診療にかかった診療費を記載する必要がありますので、1枚たりとも捨てないように注意してください。 1ヶ月分の支払額が一定額を超えていたら、保険者に高額医療費の支給申請をおこないましょう。もし一定額を超えていなければ、高額医療費の申請を行おこなう必要はありません。

払い戻しを受ける手続き

事前申請する「限度額適用認定証」はとても簡単でしたが、事後申請の場合はやや煩雑な「高額療養費支給申請書」への記入が必要になります。 「高額療養費支給申請書」には、住所・氏名・年齢などの基本情報以外に、お金を振り込んでもらう口座の番号(口座名義が別の人の場合は委任の署名・押印も必要)と、詳しい診療内容(診療月・受診した医療機関名・診療を受けた期間・実際に支払った自己負担額など)を記入します。 このほか、添付書類の提出を求められるケースもありますので、払い戻しの申請は事前申請よりも手間がかかることを覚えておいてください。

保険者からの超過分払い戻し

高額医療費の申請が終わったのち、約3ヶ月後に医療費の支払い超過分のお金が払い戻しされます。注意したいのは払い戻しまでにかかる期間が3ヶ月以上かかることです。これは、正しい医療費の精査や、査定にかかる必要不可欠な時間です。3ヶ月以内にお金を払い戻ししてもらうことはできません。 翌月も引き続き治療を受ける場合は、治療の途中からでもよいので限度額適用認定証の交付手続きをしておくことをおすすめします。途中から申請する場合、治療開始日までさかのぼることはできません。過ぎた分は後日払い戻しを受けることになります。 また、払い戻しをしてくれる機関は医療機関ではなく、加入している保険(社会保険・国民健康保険)の保険者です。医療機関に請求しても差額分は一切払い戻しされないことも覚えておいてください。

高額医療費を申請して社会保障制度を活用しよう

高額医療費や限度額適用認定証は、日本国民が活用すべき社会保障制度の1つです。この制度は、すべての国民に対して国が整備する「セーフティネット」の1つです。 病気やケガに見舞われない限りは利用することがない医療費制度ですが、自分の周りに高額な治療をうける予定の人がいる場合は、高額医療費や限度額適用認定証の存在を教えてあげましょう。 高額医療費制度は、お金に困窮しているから申請するという「恥ずかしいもの」では決してありません。本来支払わなくてよい医療費を「立て替えるか」「事前に申請するか」のどちらかの方法を選ぶのが高額医療費制度なのです。

公認会計士・税理士 伊藤 温志

エクセライク保険株式会社 代表取締役。2018年MDRT会員取得。
会計事務所の経営を通じ1,000社を超える顧客の税務/会計/保険/資産運用の相談に対応。
通常の代理店ではみれない顧客情報を扱っていることから、豊富な引出しを有し多くのお客さまから支持を集めている。