民間の介護保険は本人(家族)の意思で加入する任意保険です。また公的介護保険ではカバーできない部分を「現金」でサポートします。年齢や内容は各保険会社で異なるため、確認をして加入の有無の判断や、自分のライフプランに必要か検討していきましょう。
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目次
民間の介護保険の基本
民間保険の必要性
民間の介護保険は、公的介護保険ではカバーしきれない部分を現金でサポートするものです。 要介護の認定を受けて自宅や施設などで介護をする場合に公的介護保険では、カバーできないものやしきれないものがでてくるのは必須です。 それらはすべて自己負担となり、継続するものや一時的に発生するものとさまざまです。それらが家計を圧迫していく不安がある場合、それまでに充分な蓄えが間に合わないと感じている場合は、民間の介護保険の検討をしておくのはひとつの方法です。 民間の介護保険は任意です。各保険会社により多種多様にプランがでています。 選ぶときのポイントは、「介護保障の種類」「保障される条件」「貯蓄性」があげられます。特にこの3つについて比較していき検討していくといいでしょう。 また公的介護保険に該当しない介護者にも、民間の介護保険は対応が可能な場合があります。保険会社各社の判断がありますので確認が必要です。これらのカバーを民間の介護保険が現金給付で補っていきます。
民間の介護保険の特徴
公的介護保険の適用は65歳からと国で決められています(一部例外あり)。一方民間の介護保険については、各民間の保険会社の規定に該当している人であれば受けることができます。 加入に関しては、公的介護保険は「40歳以上64歳以下」と決まっています。 この年齢でなおかつ、健康保険に加入している人が公的介護保険に加入することができます。民間の介護保険については加入する場合、年齢の制限がないのがほとんどです。ただし加入する際に健康に問題がある場合は、加入が認められない場合があるため確認が必要です。また若いうちに加入すると比較的低い金額からなため、始めやすいきっかけなります。 ポイントしては民間の介護保険の給付対象は要介護度2以上あるいは、保険会社の規定条件を満たしているものです。 必要になったときの現金での給付はとても安心できるのが魅力のひとつです。ただ終身タイプと掛け捨てタイプでは支払っていく保険料がことなります。また終身タイプの場合、途中で変えることのタイミングが難しいといわれています。 また65歳未満で介護が必要になった場合(特定疾病の16種類のみ)でも該当にならないものは自己負担となるため、もしものために民間の介護保険は必要になります。(加入の内容により、保険会社の規定で給付の可能あり) ※特定疾病は「末期のガン、関節リウマチ、パーキンソン病ほか」です。(要確認) 民間の介護保険に加入している人は「介護医療保険料控除」が受けられます。これを受けると年間約10,000円の税金を節約することが可能となります。
民間保険は不必要な人
民間の介護保険は任意です。加入が必要のない人もいます。たとえば「近くに世話をしてくれるだろう家族がいる場合」、「老後資金、生活資金以外の費用まで用意ができている人(できる人)」などは、民間の介護保険の加入性は薄いでしょう。 ただ今後、公的介護保険の受給条件等は厳しくなっていくようなので、不安がある場合は、掛け捨てタイプでの検討をしてもいいでしょう。
加入率はまだ少ない
民間の介護保険加入率はまだ低く、15%前後です。ですが年々増加傾向にあります。 これは公的介護保険に対しての制度改正、制度見直しがあり、一部の要介護度の条件が厳しくなったりと、高齢者増加で公的介護保険の内容の変化が著しいことが要因になっています。 また物価の高騰や消費税のアップなどを見越して、貯蓄のひとつとして加入する傾向もでてきています。
民間の介護保険
介護にかかる諸経費
介護にかかる諸経費は「日常生活費」「交通費」「住宅改修、福祉用具」です。これらは公的介護保険でまかなえるものと、まかないきれないものがあります。 介護にかかる費用は考え方として2つになります。「一時的な費用」と「毎月(一定)かかる費用」です。 一時的な費用とは、要介護認定を受けたあとに早い段階での給付となり、介護ための初期費用として利用することが多いです。自宅で介護する場合と、施設等で介護する場合とでは用意することなども異なります。 自宅で介護する場合に迎え入れるために、一部家屋の改修工事をする必要があったり、介護ベッド等介護用品の準備(リースあるいは購入)、また施設等での介護の場合入所費などにあてることができます。 この一時的に発生する金額は平均で約80万円といわれています。 一定の費用も介護の場所、程度によって異なりますが、衣類やシーツ、おむつ、防水シーツ、などです。一定の費用でも平均79,000万円ほどかかるといわれています。 また、平均介護期間という指標があり、平均介護期間は4年11ヶ月とだされています。これに当てはめると、トータルで「546万1,000円」になります。 すべてを公的介護保険でまかなうことは難しく、自己負担でのカバーも決して少なくはありません。そのため家計を圧迫する場合がほとんどです。民間の介護保険は、自己負担の部分を少しでもカバーする保険になるのです。
頼れる人がいない場合
家族が近くにいない、世話をしてもらえそうな人がいない場合。 または十分な介護を希望したい場合、該当年齢に満たない状態で介護が必要になった場合でも、いつでも補償が受けられるようにしておきたい場合は民間の介護保険は必要になってくるでしょう。 各保険会社やプランによって異なりますが、要介護認定で2以上の判定を受けると、介護一時金がまず支払われます。これにより介護施設等の入所費にあてることが可能になります。(要確認) また比較的軽い状態の介護であって家族が世話をする場合でも、今後要介護度が高くなることを想定して施設等に入ることが必要になった場合の蓄えとして、用意しておくことも重要です。
公的保険ではカバーしきれない場合
要介護の認定を受けケアマネージャーと相談をしてプランを立てても、公的介護保険だけではカバーしきれないことがほとんどです。公的保険適用外のものや、1割~2割の自己負担分、支給限度額を超えてしまった分などは継続していくうえで必ず発生します。 たとえば、「家事代行サービス」「おむつ代」「交通費(タクシー代)など」は適用外です。 その場合はすべて自己負担になります。より快適な老後を、介護状態になって子どもや家族には迷惑をかけたくないなどの理由で、公的介護保険制度と、さらに民間の介護保険に加入する動きは少しづつですが増加傾向にあるのが現状です。 民間の介護保険の所定の介護状態になってしまったとき「介護一時金」「介護年金」などが給付されるためです。また「終身介護保障保険」に加入すると、「介護年金」は生涯受け取ることも可能です。この場合、介護が長期にわたっても備えることができます。(終身タイプは定期(掛け捨て)タイプより月々の保険料は高くなります) 民間の介護保険への加入を検討する場合は、いくつかの保険会社を比較検討することが大切です。それだけ各保険会社により異なるからです。
公的保険の年齢に達していない場合
公的介護保険の場合は、65歳以上からが該当になります。たとえば64歳で介護が必要になっても、特定疾病に指定されている16種類の病気であることが認定された場合のみ、受けることができます。たとえば事故などで介護が必要になっても該当していないため、受けることができません。 民間の介護保険は年齢の幅が広いため、各保険会社の規定で決まるため、64歳以下でも介護の必要がでてきた場合は給付を受けることができます。ただしすべてではなく、また加入している保険によって大幅に異るため、確認は必ず必要です。
家族の状況に合わせて加入するかどうか考えよう
高齢化社会の現在。また少子化の流れはいまだ続いています。福祉政策があげられていますが、高齢者に対しての基準は厳しくなるばかりです。民間の介護保険は家族の介護負担を、あるいは少しでも快適な老後のための「備え」のための保険です。保障の基本内容は、保険会社独自のものが多いため、どのようなものがあるのか複数社で検討し、無理のない範囲ではじめていくことがよいでしょう。
エクセライク保険株式会社 代表取締役。2018年MDRT会員取得。
会計事務所の経営を通じ1,000社を超える顧客の税務/会計/保険/資産運用の相談に対応。
通常の代理店ではみれない顧客情報を扱っていることから、豊富な引出しを有し多くのお客さまから支持を集めている。