傷病手当金の申請をして安心して療養できる準備をする。

傷病手当金は、申請を出さないと支給とはなりません。 だれもが支給対象となるわけではないので、まずは支給条件を確認し、必要となる申請書添付書類などを準備します。 傷病手当金は長期で仕事ができなくなったとき、生活の手助けとなる制度です。 傷病手当金がどういうものなのか、知識として覚えておくといざという時、役に立ちます。

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目次

傷病手当金について

仕事を長期間休むことになった場合支給される

傷病手当金とは、健康保険の所得保障・休業補償です。 病気やケガなどで仕事ができず療養しなければならない場合には、給与が支給されなかったり減額になったりします。 このような状態になった際にその間の生活の保障として支給されるのが傷病手当金です。 傷病手当金は、業務外で病気やケガをした場合が対象。業務中のケガや病気に関しては、労災保険が対象となります。 健康保険に加入していれば、業務外の病気やケガを自費で治療を受けた場合であっても対象となります。 ただし、傷病手当金は、医療機関を受診すればそのまま自然に給付対象になるというものではなく、自分で申請を行う必要があります。 申請を出さなければいくら保障が必要であっても支給されることはありません。

給料の2/3の額が支給される

療養中給与が十分に支給されない時、傷病手当金として給料の2/3の額が支給されます。 この場合の給与の額とは、いつも受け取っている給与の額ではなく、健康保険の保険料を算出する際に必要な標準報酬日額から計算されます。 標準報酬日額は、1等から47級に区分されており、実際の給与に応じて支給額が決まります。

非課税なので税金が引かれない

通常、給与所得は課税対象ですが、傷病手当金は非課税です。 大企業などになると傷病手当金に付加金が上乗せで支給されることもありますが、付加金も非課税なので、確定申告の必要もありません。 会社員の場合には、年末調整で所得税が決まってきますが、年末調整でも計算に算入されることはありません。

期間は支給を開始した日から1年6ヶ月

傷病手当金は、長期療養が必要な場合に支給されますが、延々と支給対象となるわけではありません。 支給される期間は、支給を開始した日から数えて1年6ヶ月間。それ以上の療養が必要な場合であっても支給対象とはなりません。 最初の給付を受けてから復帰して仕事をしその後また療養に入った場合、復帰していた日も含めて1年6ヶ月の間に欠勤していた日数分、傷病手当金が給付されます。 療養のための欠勤が通算で1年6ヶ月という訳ではないので、注意しましょう。

傷病手当金が支給される条件

今までの業務ができない

医師が診察を行い労務不能であると判断されれば、傷病手当金の受給対象となります。 医師がどのような業務を行っているのかを聞き、症状と合わせて検討し判断を下すことになります。 業務ができない期間は、必ずしも入院している間ではありません。 自宅療養であっても医師の判断によって業務に就くことが出来ず療養が必要であると判断されれば対象となります。

3日連続で休んで4日以降も仕事ができない

傷病手当は連続した4日以上の休みのとき、4日目以降から支給されます。 連続して3日間の休みは待機期間といい、このときは傷病手当の対象にはなりません。この3日間を過ぎると待機完了となり4日前からが支給の対象。 待機期間には、有給と公休も含まれます。例えば、1日目欠勤、2日目有給、3日目公休、このような場合でも待機は完了します。 しかし、4日目以降に有給を取ってしまうと、給料が支払われることになるので、場合によっては傷病手当金の支給がない場合もあります。 有給の取得に関しては会社と相談して決める必要があります。

仕事以外で病気や怪我で入院

業務外でケガや病気となったときに、傷病手当金が給付されます。 入院して療養が必要となる場合はもちろんですが、入院の必要はなくても医師の判断で仕事ができず自宅療養になる場合でも対象となります。 入院での治療を終えてから自宅療養になる場合も、給付対象です。 傷病手当金は仕事中であったのか、仕事以外であったのかが重要なポイントとなります。 仕事中の場合には、労災保険が適用となります。 通勤途中の事故やケガも労災保険の対象となりますから、注意が必要です。

休業中に給与が無い

傷病手当金は、休業中であっても給与の支払がある場合には給付対象となりません。 病気療養で仕事を休むことになっても給与の支払があるとその分の傷病手当金は支給されません。 休業日を会社で有給扱いにしてしまうと、給与支払いの対象となり、傷病手当金が減額となったり、給付されない場合もあります。 休業に入る前にきちんと会社と相談を行いどのような処理になるのかを確認しましょう。 ただし、待機期間の3日間については、有給も含まれます。 休み始めて3日間は有給でも大丈夫ですが、4日目以降は有給を使わないように気をつけましょう。

有給休暇が支給対象日から外れるのは

有給休暇は、会社で1年に何日取るように定めている休みです。有給休暇の場合には、給与の支給対象となります。 仕事を休んではいても有給休暇として扱われた場合には、給与が支給されるため傷病手当の対象となりません。 どの程度有給休暇を利用するのかによって、傷病手当金の支給に影響があることもあります。きちんと会社と相談する必要があります。

給与の内容

毎月の給料

傷病手当金の給与の2/3というのは、基本給ではなく、標準報酬月額のことです。 標準報酬月額とは、毎年4月から6月の3ヶ月間の通勤手当や残業手当などの手当を入れた総額を3で割った金額。 標準報酬月額は、等級で分類されおり、計算された給与額に合わせて等級が決まり、この等級の給与が基本です。 標準報酬月額によって保険料も決定します。1年の途中で昇給などがあり、給与が2等級以上変更になるような場合には、変更届を提出し、傷病手当金では、その時の等級で計算されることになります。

通勤手当や残業手当等の手当

通勤手当や残業手当などは、傷病手当金を受けているときには出ません。 給付金を計算するときにそれらの手当も含まれた金額で計算します。 標準報酬月額(前3ヶ月分の基本給と残業代などの手当を足して3で割った金額)に基づいて傷病手当金の支給額が決定されます。 特別な名目で「手当」はありませんが、計算上ではそれも考慮されています。 標準報酬月額は、3ヶ月分の残業手当や通勤手当なども含めた給料によって平均を計算しますから、傷病手当金は、残業手当や通勤手当が考慮されていることになります。

年4回以上支給される賞与

ボーナスは会社から支給されるもので、傷病手当金は健康保険から支給されるものです。 傷病手当金は療養中に安心して生活できるようにするための制度なので、ボーナスが出るようなことはありません。 ボーナスは法律などで支給しなければならないと決まっているものではなく、支給している会社もあれば支給していない会社もあります。 ボーナスの支給はそれぞれの会社の規定によって違います。実際にどのような規定になっているのかを確認し、ボーナス支給があるのか確認しましょう。

ボーナス支給が考えられる場合

ボーナスの支給はそれぞれの会社の規定によって違ってきます。 基準日となる日に在籍していれば支給対象となる場合もあれば、在籍はしていても休業などに入っている場合には、支給対象とならない場合もあります。 会社の規定で7月31日に在籍していれば支給対象であるならば、8月から休業に入ってもボーナスが支給される可能性があります。 わからない場合には、会社に確認してみましょう。

傷病手当金の対象外

労災保険の対象のものは支給対象外

仕事中や通勤中でのケガや病気に関しては、労災保険が適用となり、傷病手当金の支給対象外となります。 その場合であっても労災保険から保障ががあります。治療の際にも仕事中でのことだと先に医療機関に伝えることも必要です。

病気とみなされないものは支給対象外

傷病手当金の対象となるのは、病気やケガでの療養となります。そのため、美容整形などは、支給対象外です。 美容整形も手術後しばらく仕事ができないケースも考えられますが、この場合、病気やケガとは違い、本人が理解していて仕事を休む判断をしたことになりますから、支給対象外です。 美容整形は、治療が必要となる病気とは違います。傷病手当金は、あくまでも治療が必要となる病気やケガが傷病手当金の対象です。

傷病手当金より多く報酬をもらった場合

傷病手当金は、医師の判断で療養が必要となり、仕事ができずに給料の支給がない場合に対象となります。 ただし、給料の支払があっても傷病手当金の支給額よりも少ない場合には、その差額分が支給対象です。 傷病手当金は、療養のために給料支給がないときの生活保護ですから、療養中の休みが有給扱いになり、給与の支給があって傷病手当金の額よりも多いような場合は支給対象外。 決定した支給額が生活保護に必要な額となりますから、その額よりも多いのは支給の対象となりません。

傷病手当金支給申請について

申請の順番

傷病手当金は、申請を出さないと支給されません。まずは申請を行う必要があります。 また、申請を出す際には、順番があるので気を付けましょう。

1.会社に報告する

業務外のケガや病気によって仕事ができないと医師が判断し、仕事を休んで療養に入る際、まずは、会社にその旨を報告することが必要です。 まず、会社に報告を行うのは、療養中の休職期間をどのように処理するのかなどを相談するためです。 有給扱いにする場合には、給料の支払がありますから、傷病手当金の支給対象とはなりません。 傷病手当金の申請を行う予定であればその旨をきちんと伝えてどのように処理を行うのかを相談しましょう。 傷病手当金の申請では、事業主の証明や準備してもらう書類などもあります。 きちんと相談して会社に準備をしてもらえるようにしましょう。

2.申請書を準備

傷病手当金の申請を行うことが決まれば傷病手当金の申請書を準備します。 申請書は、会社で準備してくれる場合もありますし、自分で準備する場合もあります。 自分で準備する場合には、インターネットで健康保険組合のホームページから申請書をダウンロードして印刷することもできます。 健康保険組合の窓口で直接受け取ることも可能ですし、商工会議所や商工会などにも準備されている場合もあります。 それぞれの市町村役場などに問い合わせすれば、どこに準備されているのかを教えてもらうこともできます。

3.健康保険組合か協会けんぽに提出する

傷病手当の申請書の提出先は健康保険組合か協会けんぽです。 直接窓口に提出することもできますし、郵送することもできます。 窓口に提出すれば、その場で記載漏れなどのチェックも行ってもらうことができるので安心です。 直接足を運ぶのが難しい場合には、郵送で問題ありません。

添付書類が必要

傷病手当の申請書の提出にあたっては添付書類が必要となります。 いくつかの書類が必要となりますから、事前にきちんとチェックしておき漏れのないようにしましょう。 漏れがあると手続きがスムーズにいかず、手当金の支給に時間がかかってしまうことも考えられますから気を付けましょう。 添付書類は、ケースに応じて用意するものが違います。 例えば外傷の場合には負傷原因届の添付が必要となります。どんな添付書類が必要なのか、事前に確認して準備しましょう。

1.療養担当者の意見書

療養担当者の意見書は、医師の証明のことになります。 担当医師に記載してもらう必要がありますが、これはあくまでも過ぎた分に関しての証明となります。 療養に何ヶ月もかかるような場合には、1ヶ月ごとに証明が必要です。ケガや病気のため業務を行うないことの証明をしてもらいます。 医師の証明は、1回記載してもらうのに300円が必要です。この300円は返ってきませんから、理解しておきましょう。 また、申請書の3〜4ページに関しては記載内容が多くなり記載しきれないケースもあります。 この場合には、コピーして添付する必要があります。

2.事業主の証明

傷病手当金の申請書には、事業主の証明も必要となります。 医師の証明同様に過ぎた分の申請になります。 事業主の証明を記載してもらう際には、先に医師の証明をもらいその後に事業主に証明してもらうようにするとスムーズです。 事業主に証明してもらうのは、療養による休職で給与の支給をおこなっていないことになります。 事業主の証明に関しては申請書に記載するだけでなく年金証明書のコピー、年金額改定通知書のコピー、休業補給付決定通知書のコピーも添付する必要があります。 こういった添付書類は他にも必要となる場合もありますから、必要に応じて準備しましょう。

傷病手当金の申請書の記入例

1.健康保険証に記載されている被保険者の記号と番号を記入する

まず、健康保険証に記載されている被保険者の記号番号を記入します。 健康保険証に記載されている番号を左詰めで記載しましょう。 番号は保険証の上のほうに記載されている、記号と番号です。 下のほうに記載されている保険者番号と間違えないようにしましょう。

2.被保険者の生年月日を記入する

被保険者の生年月日は、元号欄にチェックを入れ、生年月日を記載します。 この際に健康保険証に記載されている生年月日と相違がないかもチェックしておくとよいでしょう。 被保険者が亡くなっている場合であっても生年月日欄に関しては被保険者の生年月日を記載します。 被保険者が亡くなっている場合には、氏名や住所などは申請者のものを記入します。間違えやすいので気を付けましょう。

3.氏名を記入、印鑑を押す

氏名は楷書で丁寧に記載します。フリガナはカタカナになっていますから、こちらも記載もれの無いようにしましょう。 氏名の横に捺印も忘れずにしてください。印鑑は、きちんとはっきり押すようにします。 被保険者が氏名を書いた場合には、印鑑を省略することも可能です。 被保険者が亡くなっている場合には、申請を行う人の氏名を記載します。

4.申請者の住所を記入する

申請者の住所記載欄では、申請者が被保険者の場合には、被保険者の住所、被保険者以外の場合には、その人の住所を記載します。 ここで記載した住所に、傷病手当金の支給が決定した時に決定通知書が送付されます。間違いのないようにしましょう。

5.振り込んで欲しい口座を記入する

傷病手当金は金融機関に振込で支払われますから、振込先指定口座欄には、傷病手当金を振り込んで欲しい口座を記入します。 基本的には、被保険者名義の口座に傷病手当金は振り込まれることになります。 他の名義の口座に振り込みを希望する場合には、受取代理人欄に希望の口座を記入することで都合のよい口座で傷病手当金を受け取ることができます。 代理人を受取にする場合には、申請者と代理人の両方の押印が必要です。

申請内容は医師が記入した書類を見る

傷病手当の申請書には、具体的にケガや病気についてなど記入する欄もあります。 こういった欄は療養担当者である医師に記入してもらった書類を参考にしましょう。 傷病手当の申請書は専門的な言葉も必要となりますから、必ず確認することが大切です。 詳しい内容を記入する際には、先に医師の証明をもらった後にするとよりわかりやすくなります。

1.傷病名と初診日を記入する

傷病名と初診日を記入する欄は、自分で判断して記入するのではなく、療養担当者である医師が記載した書類を参考にして記入します。 傷病名などは、医師が正確なものを記載していますから、思い込みなどで記入しないことが大切です。 特に傷病名は専門的な用語であることも多いので、自己判断で記入することは避けましょう。 きちんと医師の記入した書類をもとに間違いのないように記入して下さい。

2.病気の場合は発病時の状況を記入

傷病手当金の申請書の中には、被保険者が記載する欄のなかに発病時の状況を記入する欄があります。 この欄は、発病した時の状況を詳しく記載することになりますから、受診をした際に医師に説明を行ったのと同じ内容を記入しましょう。 自分で記載できない場合には、誰かに話して代筆してもらいましょう。 実際にどのような状況で、どのようになったのかを具体的な説明を記入します。

申請期間について

医師が判断した期間を超えての申請はできない

傷病手当金の申請で申請期間は、医師が判断して労働不能となる期間のこと。 この期間は医師の判断によって決まりますから、医師の判断した労働不能の期間を超えての申請期間で、申請することはできません。 申請期間は医師の証明が必要です。申請はまとめて行うこともできますが、療養が数ヶ月など長期に渡る場合には1ヶ月毎に申請を行うこともできます。 こういった場合であっても先の期間の申請をすることはできません。 経過した期間に関して医師に労働不能であったと証明し、その期間を申請期間として申請することになります。

将来の期間の申請は出来ない

申請期間は、医師が判断した労働不能期間のことになり、この期間は、未来の予想ではなく、労働不能であった過去のことです。 傷病手当金の申請は、すでに経過した期間に関しての申請です。 医師の判断によって3ヶ月ほど療養が必要であった場合であっても、実際にそれだけの期間労働不能となるのかは、わかりません。 回復が早く最初に予定していた期間よりも療養期間が短くなる可能性も十分に考えられますし、その逆も考えられます。 そのため実際に必要であった期間の申請が必要です。

万が一の時は条件と申請方法を把握して傷病手当金を受給しましょう

傷病手当金は、万が一ケガや病気で仕事ができなくなった場合に、療養に必要で給料の支払が行われない期間の生活保護を行うためのものです。 万が一ケガや病気で労働不能となった場合でも、そのままでは傷病手当は支給になりません。申請を出すことで初めて支給となります。 傷病手当は健康保険に加入している人のみが受けることができる保障ですから、申請を行い労働不能の期間でも安心して療養ができるようにしましょう。 傷病手当金について理解しておくことで万が一の際にも心配することなくスムーズに申請を行うことができるでしょう。