詳しく知ろう年金改正。ポイントをしっかり押さえ、将来に役立てよう

定年が近づくにつれ、年金のことが気になる人も多いはず。分からないことも多い年金制度ですが、年金は老後の貴重な収入源です。その仕組みも公的年金の一部改正により、変化しています。年金改正のポイントを押さえ、しっかりと老後に役立てましょう。

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年金の改正について

保険料納付が短縮された

社会保険制度の一つである公的年金は、国民年金保険と厚生年金保険に分類されます。国民年金は、日本に住所を持つ20歳以上60歳未満のすべての人が加入する義務があります。さらに国民年金は、自営業者や学生などが対象となる「第1号被保険者」、会社員や公務員が対象となる「第2号被保険者」、第2号被保険者の扶養配偶者の「第3号被保険者」の3種類で構成されています。 一方厚生年金については、厚生年金保険制度が適用されている会社や事業所などで働いている人に適用され、第2号被保険者が加入する制度です。厚生年金保険料は給与から徴収され、始めから国民年金保険料が含まれています。つまり厚生年金の対象者は、自動的に国民年金にも加入していることになります。 また、公的年金には3つの保障があり、将来的に年金を受け取れる「老齢年金」、病気やけがで所定の障害の状態となった対象者に支払われる「障害年金」、被保険者が死亡したときに遺族に支給される「遺族年金」。さらに「老齢年金」の保障の内容に促し、原則年金を受け取ることができる65歳からは、国民年金部分が老齢基礎年金、厚生年金部分が老齢厚生年金へと名称が変わります。 年金の受給資格に必要な納付期間については、改正年金機能強化法の成立により、決められた納付期間の短縮で、平成29年4月から納付期間が25年から10年になりました。これまでは、年金の加入期間が25年必要だったため、老齢年金が欲しくても加入期間が短く、もらえない人が多いことが問題だったのです。 しかしこの改正により、年金の受給資格を得るための必要な期間が10年に短縮され、新たに64万人ほどの人が年金の受給資格を得ることが可能になりました。

無年金者が減少した

少子高齢化が急速に進む日本で、年金機能強化法は、公的年金が人々の生活を支える役割を果たせるように、平成26年4月1日に施行された法律です。また平成29年4月からは、年金を受給するために必要な納付期間が短縮され、10年になりました。 年金機能強化法が施行されると、未納期間があったり、未加入だったり、納付期間の不足のために納付月数が足りなく、今まで年金を受給できていなかった人たちへ、10年あれば年金の受給資格が与えられることになります。よって、年金機能強化法が改正されたことで、納付期間が減りそれに伴い受給者が増加したのです。

任意加入制度を設けた

国民年金は、年金の受給資格期間が25年以上でなければ、老齢基礎年金を受給することはできません。ただし、国民年金に任意加入することで、受給資格期間である25年を満たすことができます。この制度を利用することで、60歳から65歳までの5年間、国民年金保険料を納めて受け取る金額を上げることができます。 国民年金は若い頃に未納があったり、国の制度の都合上(昭和61年4月前は国民年金に強制加入でなかったため)加入しなかった場合は、少ない年金額になってしまいます。そこで任意加入により加入期間を延ばせば、(最大加入期間は40年)年金額を増額することが可能です。任意加入制度は、以下にあてはまる人が対象となります。 ☑ 1. 日本に住所がある60歳以上、65歳未満の人 ☑ 2. 老齢基礎年金の繰上支給を受けていない人 ☑ 3. 20歳〜60歳までの保険料の納付月数が、480ヶ月未満の人 上記の条件に当てはまる人は、国民年金の任意加入の手続きをすることで、保険料の支払を延長し、将来受給できる老齢基礎年金の金額を増やすことができます。

後納制度を設けた

万が一、過去において国民年金保険料が適切に納付できていなかった人に対して、2018年9月末日までに限り、過去5年分まで納めることができる後納制度があります。年金の保険料は、毎月の分を翌月末日までに支払わないと未納になり、その後特別催告状が送られ、そのまま放置していると滞納になってしまいます。 もしも納付を忘れていた場合、2年前までなら納付を遡ることができますが、2年を経過してしまうと時効があるため、納付できなくなります。ただし、それ以前の保険料に納付していないものがある場合、後納制度を利用して、過去5年間の支払い忘れを改めると、貰える金額が増える場合があります。 過去10年分までさかのぼって納付できる10年の後納制度はすでに終了しましたが、2015年10月から2018年9月末日までであれば、5年前まで遡って保険料を納付できます。

支払い方法が一部追加された

国民年金の支払い方法は、現金支払い、口座振替で納めることが一般的でした。しかし平成29年から国民年金保険料の2年分前納を、クレジットカード決済が可能となったため、支払いがよりスムーズになりました。また、国民年金の支払いにはまとめて前払いする方法があり、6ヶ月前納、1年前納、2年前納する場合はそれぞれ割引が適用されます。 平成29年度の国民年金第1号被保険者及び、任意加入被保険者の1ヶ月当たりの保険料(16,490円)を参考に、2年前納をした場合は、口座振替の割引額は15,640円で、クレジットおよび、現金で納付したときの14,400円に比べると、口座振替の割引率の方が高いことが分かります。 しかし、クレジットカードの還元額を考慮すると、クレジット納付の方が得になる場合が多く、年金をクレジットで支払うと手数料もかからないので、興味があれば検討してみても良いでしょう。

将来年金を受け取る上での確認事項

年金がもらえるのは65歳以上

現在、年金の受給は65歳以上となっていますが、希望すれば受給時期の繰り下げや繰り上げをすることができます。数年前まで日本では、60歳から年金を受給することができましたが、財政状況が厳しいなどを理由に65歳に引き上げられました。また、受給時期を繰り下げられるようになった理由として、60歳の定年退職後も働いていたり、人によっては一定の収入があったりするため、年金はまだ必要ない人が存在するからです。 年金の受給年齢については、現在も引き上げている途中段階であり、男性の場合は、2013年度から2025年度、女性の場合は2015年度から2030年度にかけて、段階的に施行されます。高齢者の働き方が多様化したことを理由に行われた制度改正ですが、受給年齢を引き上げることにより、現役世代の保険料負担が増加することも表します。時代の潮流によっては、また制度改正が行われる可能性もあります。

納付期間が10年以上あるか

2017年8月1日から、年金の受給資格期間が25年から10年に短縮されました。このことにより、現在無年金の高齢者にも、受給資格期間を満たせば年金を受け取るとができます。年金を受け取るためには、25年以上の加入期間が原則として必要でした。しかし、将来の無年金者を減らすために、加入期間を10年に引き下げ、年金をもらうことが可能になったのです。 年金は20歳〜60歳までの40年間(480ヶ月)すべて保険料を支払った場合、満額の779,300円(平成29年度)を受け取ることができます。しかし、40年に満たない場合は、加入期間(10年〜39年)に応じて計算した年金額を受け取ります。年金の受給資格が短縮されることで、年金をもらうハードルが大きく下がりました。 今まで年金をもらえなかった人でも、今後もらう可能性があるので、年金資格を得ているか、払い忘れはないかを確認し、この機会に自分の加入期間をしっかりと確認しましょう。

納付金額と受給金額はいくらか

将来、国民年金を満額もらうためには、現役時代に負担する保険料を、40年間支払うことが原則です。支払いが10年しかない人は、受取額が4分の1などになります。また、国民年金は個人事業主やフリーターが加入する年金制度で、サラリーマンや公務員は、厚生年金に加入することになります。なお、厚生年金には国民年金とは違い、満額という概念がありません。 厚生労働省が発表しているデータでは、国民年金の満額支給が月額6万5008円に対して、厚生年金の月額平均支給額は22万1504円になります。受け取れる金額に、大きな差を感じるかもしれませんが、厚生年金は現役時代に支払う保険料が多く、給料の金額が大きくなるほど、支払う保険料も高くなる仕組みになっています。 また、厚生年金は企業などに勤めている人だけが加入できる制度なので、個人事業主の場合は加入することができません。ただしどうしても加入したい場合には、自分の事業を法人化し、厚生年金に加入するという方法もあります。国民年金を満額もらうためには、40年間払い続ける必要がありますが、その保険料は老後の生活費として返ってくるものだと認識しましょう。 もし保険料を支払っていない期間があったとしても、追納することもできるので、保険料の支払いはしっかりと行い、将来に備えましょう。

年金受給には必ず手続きが必要

年金をもらえる人には、受給開始年齢である65歳になると年金事務所から請求書が届くので、必要事項を記入して必ず返送することが大切です。受給開始年齢の3ヶ月前ごろに、日本年金機構から年金請求書が送られてくるので、必要書類と一緒に年金事務所へ提出することで請求手続きが完成します。 年金受給手続きは、自分の誕生日前から行うことが可能です。年金は自分で請求しなければ、支給を受け取ることはできません。年金の支給が自動的に始まると勘違いする人も多いので、覚えておきましょう。

仕事を続ける場合は注意が必要

60歳以降も会社勤めをする人は、厚生年金に加入しなければなりません。年金をもらいながら厚生年金保険に加入する場合、年金の全部又は一部が支給停止されることがあります。これは、在職老齢年金と呼ばれる制度で、65歳未満と65歳以上で、それぞれ年金がカットされる基準の金額が変わります。 在職老齢年金では、老齢厚生年金の月額と、総報酬月額相当額の、月額給与に年間のボーナスを12ヶ月で割ったものを足した金額が基準になります。 65歳未満の年金カットの基準については、年金月額と給与月額の2つを足し、28万円以下のときで、その場合は、年金はカットされません。年金月額が28万円以下で、かつ給与月額が48万円以下なら、2つの合計の28万円を超えた部分の1/2が支給停止となる仕組みです。 一方、65歳以上の年金カットの基準については、年金月額と給与月額の合計額が48万円以下のときで、その場合年金はカットされません。合計額が48万円を超える場合は、48万円を超えた部分の1/2が支給停止となります。この支給カットは、厚生年金加入者だけに適用され、老齢厚生年金だけを対象とした制度です。 パート、アルバイト、自営業者や、フリーで仕事をする場合など、厚生年金に加入せずに働く場合には適用されず、また、老齢基礎年金は対象外となります。

年金改正について知っておこう

若い頃は、老後への興味や関心も低く、他人事のように思っていた年金。定年を控えた年齢になってくると、年金がいつから受給されるのか、一体いくらもらえるのかと、多くの人が不安に思い始めるかもしれません。日本は少子高齢化の時代を迎え、年金そのものに疑問を抱き、保険料を支払わないといった人も増えています。そんな時代の変化を受けて、改正年金機能強化法の成立により、新しいルールが導入されました。 年金の保険料を支払うことは、国民の義務であり、今後の老後の生活を迎えるために支給される、大切な資金です。年金改正について正しい知識を学び、将来きちんと年金を受け取れるよう、今からしっかりと準備をしておきましょう。

公認会計士・税理士 伊藤 温志

エクセライク保険株式会社 代表取締役。2018年MDRT会員取得。
会計事務所の経営を通じ1,000社を超える顧客の税務/会計/保険/資産運用の相談に対応。
通常の代理店ではみれない顧客情報を扱っていることから、豊富な引出しを有し多くのお客さまから支持を集めている。