家計を担う家族が亡くなった場合、遺族の生活費をカバーするために支給される遺族年金。いざ、遺族年金受給者の立場になると、年金に対して税金はかかるのか、確定申告は必要なのかなど、疑問は尽きませんが、遺族年金に関する疑問点を解消していきましょう。
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目次
遺族年金は確定申告が必要か
非課税のため確定申告をする必要がない
愛する家族が亡くなり、残された家族に給付される遺族年金。しかし、実際に自分や家族が遺族年金受給者になったときには、さまざまな疑問が出てくるはずです。中でもまず気になることが、給付された遺族年金に税金がかかるのかどうかという点です。 結論からいいますと、遺族年金は非課税なので確定申告は不要です。公的年金には「老齢年金」「障害年金」「遺族年金」の3種類がありますが、その中では、老齢年金のみ課税対象となります。そして、障害年金と遺族年金には所得税も相続税もかからないので、遺族年金受給者が申告する必要はないのです。 国税庁によると、「国民年金法、厚生年金法、恩給法、旧船員保険法、国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法、私立学校教職員共済法、旧農林漁業団体職員共済組合法」に基づき、遺族に支給される遺族年金・遺族恩給には、所得税や相続税はかからないと説明されています。 遺族年金はいかなる場合も非課税であり、その収入に対する上限もありません。年金の受け取り額が非常に高額なものであっても、課税はされないので安心です。一般的に国民年金や厚生年金から支給され、非課税の対象となる年金は、遺族基礎年金、寡婦年金、死亡一時金、遺族厚生年金(中高齢寡婦加算等の加算を含む)と呼ばれていますので覚えておきましょう。
遺族年金以外の収入がある場合は申告の必要あり
遺族年金の受給者が働くなどして、公的年金のほかにも収入がある場合は、確定申告の必要があります。このケースだと、遺族年金として給付された部分には税金がかからず、それ以外の収入に対してのみ、所得税の課税対象となります。 つまり、遺族年金額を除外した所得に対し、受給者が還付を受けるための確定申告です。たとえば、収入から経費を差し引いた所得が20万円以上の場合や、事業所得があるときには、申告が必要となるでしょう。しかし、年金以外の所得税が20万円を下回る場合は、確定申告は不要です。
遺族の生活支援の為に支給されるので課税対象外となる
遺族年金とは、被保険者が亡くなった家族の生活を支援するための年金です。この年金は、経済的に困窮することのないよう、残された遺族に対して給付されます。そのため、通常の所得とは扱いが異なり、課税対象とはなりません。 通常「年金」というと、老齢年金のことを指しますが、こちらは課税対象です。なぜかというと、毎月保険料を払った末に、基準年齢に達すると受給できる老齢年金は、給与などの所得と同じように扱われるからです。 しかし、遺族年金については非課税所得扱いになるので、通常の年金や手当とは違って、納税の義務はありません。このように、遺族年金は基本的に非課税となっていますので安心です。
遺族年金受給者を扶養家族にする場合
扶養の場合でも非課税として扱われる
遺族年金受給者を扶養家族にする際は、世帯の所得についてどのように考えればよいのでしょう。まず、遺族年金を受給中の人物を扶養したい場合、扶養控除の対象になります。そもそも家族を扶養に入れるためには、対象者の年間所得が38万円以下、給与のみなら103万円以下でなければならないという条件があります。 ところが、遺族年金による所得はこれに含まれないため、扶養の対象となる人物の所得制限には抵触せず、扶養家族の条件をクリアできます。しかし、受給者に遺族年金以外の所得がない場合はよいのですが、もし年金以外に所得がある場合は、注意が必要です。 その場合、その受給者の全所得から遺族年金分を差し引いた金額が、扶養の所得制限の上限を超えていないことが、扶養家族として扶養控除の対象にする条件となります。親などの家族を扶養に入れることで、扶養控除が適用され、これにより世帯の所得税や住民税が安くなるというメリットがありますので、遺族年金受給者の親と同居する際は、親を扶養家族にするのがよい選択といえます。
遺族年金以外に収入がある場合は遺族年金のみ非課税となる
遺族年金受給者が、年金以外にも収入を得ている場合、遺族年金分の金額には課税されません。遺族年金とは、残された家族に対する生活支援の目的があり、生活の基盤を築くための最低限の遺族年金から、税を徴収するのにふさわしくないと捉えられているためです。 また、年金は原則として一人一つの年金を受給できるとされており、ニつ以上の年金を受け取ることが可能な状態のときは、どちらか一方を選択しなくてはなりません。しかし、老齢基礎年金を受給中の65歳以上の方が、遺族年金を受け取る立場になった場合は、特例で併せて受給することができます。そのような場合は、老齢基礎年金分には課税され、遺族年金は非課税とすることができます。 課税対象金額を知りたい場合は、すべての所得金額から、遺族年金所得額を引いた額が課税対象になり、所得制限の基準となることを覚えておいてください。
遺族年金の確定申告の書き方と注意点
年末調整で扶養控除等申告書に扶養控除ありと記入して提出
遺族年金受給者を扶養控除の対象とする場合には、手続きが必要です。確定申告が必要な方は、扶養控除等(異動)申告書とともに、確定申告書の「配偶者(特別)控除・扶養控除」という欄に記入して提出します。会社勤めの方で確定申告が不要な場合は、年末調整のみで手続きが完了します。 年末調整の扶養控除等(異動)申告書に「扶養控除あり」と記入して提出するだけで、扶養控除の適用ができます。親を扶養に入れる際は「B控除対象扶養親族(16歳以上)」という欄に氏名・個人番号・生年月日・住所・続柄・同居・別居など親の情報を記入して提出します。 所得に応じて控除される金額が決まり、所得税や住民税が節約できますので、扶養控除申請は忘れずに行いましょう。
年齢や状況によって条件があるので注意
遺族年金は、残された家族の年齢や状況によって受給できるかどうかが決まります。まず、国民年金の被保険者、もしくは老齢基礎年金の資格期間を満たした人が、死亡したときに支給される遺族基礎年金の場合をみてみましょう。 この遺族基礎年金の支給対象者が、「18歳未満の年度末の子(障害がある子の場合は20歳未満)がいる配偶者またはその子」となり、年金加入者が生活を維持していたことが条件となります。1点注意したいことは、妻が死亡して夫が受給するパターンです。その際は、妻の死亡時に、夫の年齢が55歳以上であることが条件となります。 また、遺族年金を受給するためには、受給する側の所得制限があります。亡くなった人が生計を維持していたことが要件で、遺族の前年の収入が850万円未満であること、または所得が655万5,000円未満であることなどから判断します。 次に、会社員や公務員などの厚生年金加入者が亡くなったときに、支給される遺族厚生年金についてみてみましょう。受給できる遺族の条件は、優先度が高い順番に1.配偶者または子ども(遺族基礎年金の子どもの条件と同じ)、2.父母、3.孫(子どもと同じ制限あり)、4.祖父母となります。 配偶者または子どもが受給者となる場合、遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方を受給する流れになります。遺族基礎年金では、子どもがいない配偶者は受給資格がありませんが、遺族厚生年金は子どもがいない配偶者も受給できます。 しかし、配偶者にも年齢制限があり、30歳未満の妻だと受給期間は5年間となります。また、夫が受給対象者の場合は、そもそも受給資格を与えられないので注意しましょう。
年度ごとに扶養対象や条件が変更される場合があるので注意
遺族年金が支給されるかどうかは、亡くなった人が、国民年金や厚生年金に加入していることが条件となります。ほかにも、遺族基礎年金の場合は、亡くなった人が60歳以上65歳未満で元国民年金加入者だったり、老齢基礎年金を受給中だったりなどの要件のいずれかを、満たしている必要があります。 また、遺族厚生年金の場合は、1級または2級の障害厚生年金を受給していたり、老齢厚生年金を受給中だったりといういずれかの要件を満たすことが必須です。こうした条件や扶養対象などの内容は、年度ごとに改正される可能性もあります。したがって、手続きをお考えの方は、あらかじめ国税庁のホームページなどで、該当項目をチェックしておきましょう。
遺族年金以外の所得がない場合は確定申告の必要なし
残された家族が受け取ることのできる遺族年金には、所得税や相続税がかかりません。つまり、遺族は課税の心配をすることなく、安心して遺族年金を受け取ることができます。年金受給者が、遺族年金以外に収入を得ていないのであれば、確定申告の必要もありません。 遺族年金のほかに収入がある場合は、遺族年金額に対しては非課税ですので、その他の収入分にのみ所得税がかかると覚えておきましょう。
エクセライク保険株式会社 代表取締役。2018年MDRT会員取得。
会計事務所の経営を通じ1,000社を超える顧客の税務/会計/保険/資産運用の相談に対応。
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