保険加入で税金が安くなる?生命保険控除をわかりやすく解説

「生命保険控除」年末になるとよく聞く言葉ですが、どんなものかよくわからない方も多いのではないでしょうか。生命保険料控除は所得税や住民税における所得控除の一つで、1年間に支払った生命保険料等の一定額が所得から控除される制度です。ここでは詳しい内容を解説します。

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生命保険料控除の特徴

税金の負担が軽くなる、生命保険料控除。会社勤めをされている方は、12月になると「年末調整」の用紙を配布され、提出するよう求められます。書類を提出するだけで後は会社が対応してくれると思いますが、年末調整とは税金の過不足を調整するものなのです。控除を受けられるものがあれば還付金を受け取れます。 年末調整の中には、「生命保険料控除」という項目があります。アルバイトやパートをしている方もよく聞く言葉と思いますが、「生命保険控除」とは何でしょうか。

税金の負担が軽くなる

生命保険料をを支払っている間は、税金の優遇措置があります。預貯金、投資信託、株などといった受け取る場合しか税の優遇措置がない他の金融商品と比べてみると、優位な特徴ですね。控除を受けられるのは、個人で支払った生命保険料の額に応じて所得税・住民税の所得金額からとなっています。 「一般の生命保険控除」「個人年金保険料控除」「介護医療保険料控除」の3種類が生命保険料控除ですが、制限があり、所得税は最大4万円(合計12万円)、住民税は最大2.8万円(合計適用限度額7万円)まで控除を受けることができます。 控除とは、「税金がかからない」「税金が安くなる」といった意味です。控除を受け、税金を安く出来るのは「所得税」と「住民税」を支払っている人のみです。住民税も所得税と同じように、住民税が掛けられる金額から控除して、その分税金を安くできるというわけです。1年間の所得から支払った保険料に応じて決められた金額が差し引かれます。

保険会社や共済で保険に加入している人が対象

以下の3つが生命保険控除の対象となります。 ☑一般生命保険料控除 死亡した場合や怪我、病気などになった場合に一定額の保険金や給付金等を受け取ることが出来る保険です。契約者に関わらず、受取人が本人か配偶者、その他の親族となっている保険が保障の対象となります。 ☑介護医療保険料控除 平成24年1月から対象となった「介護医療保険料」。入院や通院など、介護医療を受けた場合に保険金を受け取ることができます。死亡した時に受け取ることが出来る保険金額が、入院給付金額の100倍を超えていないものに限ります。保険期間中に被保険者が健在であることを条件に受け取ることができる配当金が組み込まれている場合に受け取ることが出来ます。受取人は、契約者かは配偶者、その他の親族で、財形保険と5年未満の貯蓄保険、団体信用生命保険などは対象になりません。 入院や手術などによて受け取ることのできる共済保険や簡易生命保険も介護医療保険料となります。 ☑個人年金保険料控除 個人年金保険料は、老後の生活資金準備のために積み立てる為の生命保険です。控除の対象は、受取人が契約者か、または配偶者であること、保険料を支払う期間が10年以上であること(一時払は対象外となってしまうので注意。)、年金の受取が始まるのが60歳以降で、「確定年金」や「有期年金」であることです。また、年金を受け取る期間が10年以上であること。「個人年金保険料税制適格特約」という、控除を受ける為に加入する特約を契約していることです。対象外となるのは変額個人年金保険です。 また、特約で、「災害入院特約」や「疾病入院特約」などを付加た場合、特約は「一般生命保険料控除」の対象になります。新制度の場合は保障の内容ごとに異なっており、「一般生命保険料控除」か「介護医療保険料控除」になります。対象外になってしまう特約もありますので、年末に保険会社から届く「生命保険料控除証明書」などで確認しましょう。 外国生命保険会社、または外国損害保険会社などと国外において締結した保険契約などは、非対象となります。

一時払いの保険契約は年に一度だけ対象

契約したときに全ての保険料をまとめて一度に支払ってしまうことを、保険料の「一時払い」と言います。例えば、10年間の保険を契約する時、最初に10年分の保険料を全て払ってしまうことです。最近では一時払い終身保険、一時払い個人年金保険などと言った、定年退職者向けに一時払い専用の商品が販売されるようになっています。一時払いのできる保険の種類に、終身保険、養老保険、個人年金保険、こども保険などがあります。これらの保険は、一時払いのみの商品や、支払い方を選べるものがあります。 保険料の払い方には、月ごとに払ったり、半年、年に一度など色々なパターンがあります。まとめて一括で支払ってしまうと、保険料の総額が最も安くなるというメリットがあります。支払うタイミングに応じて割引率が変わってきますが、どちらにしても保障内容は変わらないのでまとめて支払ってしまう方がお得です。生命保険料の「一時払い」は、支払った年のみ生命保険料控除の対象です。 複数の保険に入っている場合、一般の生命保険料控除と介護医療保険料控除の控除額を計算するときは、まずは全ての保険料を合計します。控除額には限度額がありますので、分割払いで入っている保険の保険料が控除額の限界まで使っている人は、一時払いで払った分は、残念ですが税金を安くする効果はありません。

自動振替貸付の場合も対象となる

自動振替貸付制度を利用した場合も正常の保険料の支払いがされているとみなされるので、保険料控除の対象となります。 自動振替貸付制度とは、保険料に支払いを払込猶予期間内に済ませなかった場合、保険会社が保険料を立て替えてくれます。事前に保険会社に伝えない限り、自動的行われます。これは、「自動振替貸付」という制度です。解約返戻金のある保険種類(終身保険、養老保険など)に適用される制度で、もし払うのを忘れてしまっても立て替えてくれるため、保険契約を継続することができます。 自動振替貸付で立て替る1回の金額は、年払契約の場合、は1年分の保険料額です。半年払契約の場合、半年分の保険料額、月払契約の場合は6ヶ月分の保険料額となります。月払契約でも一度に6ヶ月分の借入れとなってしまい、借入金額には利息がかかってしまいます。ただし、払込猶予期間が過ぎた後3ヶ月以内に、当月分までの未納分保険料相当額を全てまとめて振り込んだ場合は、利息がかかりません。また、自動振替貸付を取消すこともできます。

ただし、解約払戻金のない生命保険や十分な解約返戻金額がなければ対象保険種類であっても、適用されません。

所得税や住民税が減額される

生命保険料控除では、その年に支払った保険料に応じて一定額を所得から差し引くことができます。それにより、その年の課税対象になる所得額が少なるなる為、結果所得税が安くなります。また生命保険料控除は、住民税の計算にも適用されるため、住民税も少なくなります。この税金が安くなるということが生命保険料控除のメリットです。

更新ごとに新契約の控除額が適用

契約から10年・15年などを当初の特約保険期間として、特約保険期間が満了するごとに、終身保険の払込期間満了までを限度として更新していく「更新型保険」。通常、特約保険料は、更新のつど高くなります。 更新とは保険の契約が満了して新規契約を締結することを意味しますので、更新が平成24年1月1日以降になされた場合には、税改正後の制度が適用されることにご留意ください。更新型の生命保険の場合のは新契約で算出するのか旧契約で算出するのか、しっかりチェックすることがポイントです。

主契約と特約は別で考える

ひとつの生命保険に加入すると、その保険から、入院した場合は入院給付金が、死亡した場合は死亡保険金が支払われたりします。ひとつの保険であるのに複数の保障が備わっています。その中のどれかひとつがメインの保障であり、その他はオプションで付加された保障です。オプションを付けることにより、保障内容を拡充させています。 このメインになる保障を「主契約」、オプションで付ける保障を「特約」と呼んでいます。生命保険は、「主契約」と「特約」の組み合わせから成り立っています。平成24年1月1日以降に締結した保険契約より、新しい生命保険料控除制度が適用されます。主契約と特約の保障内容が異なる場合については、それぞれの保障内容により各控除区分が適用されます。新制度の適用対象となる保険の区分は、各保険会社にてご確認ください。

1月1日から12月31日までが対象期間

生命保険料控除の対象となる支払期間は、その年の1月1日から12月31日までです。1年間で支払った金額と支払う予定の金額の合計が控除の対象となります。この合計の金額は、生命保険会社より10月ごろから送られてくる「生命保険料控除証明書」に記載されていますので、確認して下さい。

配当金は保険料合計から差し引く

生命保険の新制度に変わる前の平成24年1月1日以前(旧制度)が適用される契約に配当金などがある場合は、1年間の払込保険料から配当金(年間正味払込保険料)を引くと除額を計算することができます。平成24年1月1日以降の「新制度」が適用される契約をしていて配当金などがある場合は、1年間の払込保険料から配当金などを(年間正味払込保険料)引いて控除額を計算します。ここまでは旧制度と同じです。この場合は、契約に割り当てられる配当金等の金額は、「一般生命保険料」と「介護医療保険料」と「個人年金保険料」と「保険料控除の対象外となる保険料」の各保険料による比例配分で算出します。旧制度と新制度の両方を契約されており両方とも配当金などがある場合は、まずは「旧制度」が適用される分の保険料から配当金などを差し引いた額を算出します。「旧制度」適用の払込保険料より配当金等などの金額が多く、差し引きが出来なかった場合、差し引きが出来なかった配当金などの金額分を「新制度」が適用される保険料から差し引きます。この時、その配当金などの金額を「一般生命保険料」「介護医療保険料」「個人年金保険料」「保険料控除の対象外となる保険料」の各保険料で分けてして算出します。 契約者と保険金受取人が同一人の場合、その保険金は一時所得とみなされ、所得税、住民税の課税の対象となります。 生命保険控除の対象期間の内に配当金を受け取る場合、1年の払込保険料から配当金等を差し引いた金額が控除対象の金額となります。

会社勤めは年末調整をする

年末調整を受ける年の1月から12月の間で、勤務先が給付している毎月の給料やボーナスの金額を集計します。また一年間の給料にかかる所得税の金額も集計します。一般的に年収の金額に応じて、所得税の徴収額も変わってきます。 勤務先から支給される給料から、通勤手当等の必要経費を引き、さらに必要経費を差し引いた金額が、課税給与所得の金額となります。課税所得は、「課税所得額=所得控除後の金額-所得控除の額の合計額」の計算式で算出することができます。また、年税額とは、本来納めるべき一年間の確定所得税額のことですが、年税額は「年税額=税額(課税給与所得金額×税率)-住宅借入金等特別控除額」で算出することができます。年末調整の最後の作業は、給料から天引きされている所得税額を清算して、過不足を調整する作業となります。支払っている所得税が多すぎるときには還付金が戻ってきますし、不足している場合には追加で徴収されます。過不足金を調整した後は、一年間分の所得税額を納付することになります。 10月ごろに保険保険会社から「生命保険控除証明書」が送られてきます。これは、普通のハガキや封筒で送られてきますので、間違って捨てないようにしましょう。この生命保険料控除証明書は、年末まで使わないので、しっかり保管しておきましょう。万が一紛失した場合、保険に電話することで対応してくれる保険会社がほとんどですが、保険会社によっては受け付けてくれない場合もあります。そうなってしまうと、生命保険料控除を受けられなくなってしまいますので、お気を付けください。 年末なると、会社勤めの方は「給与所得者の保険料控除等申告書」を配布されます。この2つを一緒に勤務先に提出すれば会社で年末調整してくれるので、手続きは完了です。保険料を給料天引きにしている場合は、「生命保険料控除証明書」の提出は必要ありません。 もし、会社に生命保険料控除を受けるための書類を提出し忘れた場合は、翌年、確定申告をすれば所得税の払い戻しを受けられます。また、自営・自由業者は確定申告が必要です。

自営業は確定申告をする

自営業やフリーランスの方の場合は、翌年の2月16日から3月15日までの所得税の「確定申告」で生命保険料控除の手続きを行うことができます。会社員の場合は、年末調整で経理の方に税金を調整してもらえるので、 多くの方は自分で確定申告をする必要がありません。会社員で確定申告をするのは、所得控除が増えた場合や2ヶ所以上から収入がある場合等です。税金を還付してもらえそうな場合に確定申告するのが一般的です。 自営業やフリーランスの方は、基本的に自分で確定申告をする必要があります。1年間の売上や経費などを日々帳簿づけして、それらを集計したものを確定申告書類に記入していきます。これを確定申告時期に税務署へ提出します。確定申告は、白色申告と青色申告の2種類に分かれています。ざっくりと説明すると、白色申告は簡単にできるが特典なし、青色申告は白色に比べて面倒で、なおかつ簿記の知識を必要としますが、いくつかの特典が受けられます。 個人事業の事業年度は1月1日〜12月31日と定められているので、この間は日々の取引を記録しておきます。帳簿づけは、手書きではとても大変で、簿記の知識も必要になります。個人事業用の会計ソフトなど使えば帳簿づけが簡単で正確になるでしょう。日々の売上や必要経費を、会計ソフトに入力して過ごしましょう。 帳簿づけをしていなかった!という場合には、その年度の領収書や納品書、売上などが入金された預金通帳などをもとに、できる範囲で会計ソフトへ入力して帳簿を完成させましょう。1年分の取引内容を入力し終えたら、確定申告書類を作成します。会計ソフトにつけた取引内容は、自動で確定申告書類のデータに反映されます。なので、ユーザーは必要箇所を少し入力するだけで確定申告書類を作る事ができます。 ソフト内で出来上がった確定申告書類は、そのまま印刷して税務署へ提出できます。プリンターをお持ちでない方は、コンビニなどで印刷するか、あるいは会計ソフトの画面の内容を、確定申告書類にそのまま書き写しましょう。出来上がった確定申告書類は、2月16日〜3月15日の確定申告期間内に税務署へ提出します。 ちなみに、会計ソフトに記録した内容は大事な部分を印刷して保管しておきます。ソフト内で作成された帳簿自体は、確定申告の時に提出するわけではありませんが、定められた期間の間(5年〜7年)保管しておく義務があります。 1年間の収入から、仕入高や必要経費を差し引いたものが「所得」です。「収入 − 必要経費など = 所得」となっており、自営業やフリーランスの場合、所得が38万円以下の場合、確定申告の必要がありません。副業の場合は、20万円以下でしたら確定申告をする必要がありません。 確定申告書類の出し方には、以下の3通りの方法があります。 ☑確定申告書類を税務署へ持っていって提出する(あるいは税務署で書いて提出) ☑確定申告書類を税務署へ郵送する ☑e-taxで電子申告する(この場合は基本的に書類提出の必要なし) 直接提出する場合と郵送の場合は「生命保険料 控除証明書」を確定申告に添付して税務署に提出ください。e-taxの場合は、入力のみで提出の必要はありませんが、5年間は保管義務がありますので、自宅でキチンと保管しておきましょう。

生命保険料控除の対象となる保険

生命保険控除を受けるには、対象となる保険に加入していることが条件です。平成22年度の税制改正において、生命保険料控除の対象となる保険契約等が改正されました。 平成24年1月1日以後に締結した保険契約(新生命保険料)と、平成23年12月31日以前に締結した保険契約(旧生命保険料)では内容が違ってくるので、しっかり把握しておきましょう。

生命保険会社と契約した生命保険

生命保険会社や外国生命保険会社等と保険契約、または生存、死亡どちらにしても一定額の保険金等が支払われる保険契約は控除対象です。

旧簡易保険で契約した生命共済や年金共済

郵便局が民営化される前に販売していた簡易保険を、旧簡易保険と言います。旧簡易保険は、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構に引き継がれましたが、請求や手続きなどの契約の取扱いは、機構から株式会社かんぽ生命に委託され、さらに日本郵便株式会社に再委託されています。 こちらの旧簡易保険で契約した生命共済や年金共済は生命保険料控除の対象となります。

農協で契約した生命共済や年金共済

農業を営んでいる方、農協の地区内に住んでいる方、農業を営む法人を「農協組合員」と言います。また、農協組合員以外で、出資されて全ての事業が利用可能になっている方(但し、農協の地区内に住所のある個人)を「准組合員」と言います。 農協組合員と准組合員の方が加入されている農協(JA)農業協同組合と締結した生命共済契約などの契約は生命保険料控除の対象となります。

生協で契約した生命共済や年金共済

「生協」とは、「(消費)生活協同組合」の略称です。一定の地域や職域の組合員で組織し、組合員の生活に必要な物資の供給、生活の改善などを目的とする団体です。コープ共済などが有名ですね。生協の組合員の方が入れる生協の生命共済や年金共済は、生命保険料控除の対象となります。

漁協で契約した生命共済や年金共済

漁協とは漁業協同組合の略で、漁業を営む方(漁民)よって組織された協同組合です。「JF(Japan Fisheries cooperative の略)」とも呼ばれています。北海道では、「魚組」と呼ばれています。 漁協が運営する、組合員の方が入っている生命保険や年金共済は、生命保険控除の対象となります。

生命保険会社で契約した保険金が支払われる保険

生命保険と言えば、亡くなった時だけでなく、怪我や病気、要介護状態などになった場合も保険金が支払われる保障があります。こういった保障に関しても、生命保険控除の対象となります。「安いから」「内容が薄いから」などと思わず、申告しましょう。

損害保険会社で契約した保険金が支払われる保険

損害補償会社とは、自然災害、車などの衝突事故などの急なアクシデントで物が損害を受けた場合に保障してくれる保険会社です。こちらの保険も対象となります。 要介護状態や、傷害、病気などによって保険金が支払われる損害保険会社と契約した保険契約も生命保険控除の対象です。 条件があり、5年に未たない保険期間の契約で、貯蓄保険や貯蓄共済と言われるものは含まれません。また、国外において締結した外国生命保険会社など、また、外国損害保険会社などの信用保険契約、傷害保険契約、財形貯蓄契約、財形住宅貯蓄契約、財形年金貯蓄契約は生命保険控除の対象とならないのでご注意ください。

生命保険料控除は年末調整や確定申告が必要で税金の負担が軽くできる

生命保険料控除は年末調整や確定申告が必要ですが、きちんと対応すれば税金の負担を軽くすることができます。10月頃になると各保険会社から生命保険料控除証明書が送られてきます。申告の際にはこの証明書の添付が必要になります。会社勤めの方は、年末調整で書類の提出を忘れないようお気をつけください。 自営業、フリーランスの方は確定申告で、「生命保険料控除証明書」の提出、申告を忘れずに生命保険控除をしましょう。