団体信用生命保険は、住宅ローンの借り入れを検討している方であれば、ローンを組む前に知識を頭に入れておいたほうがいいです。団体信用保険の特徴や加入条件や注意点など、保険内容を理解しておくことで、住宅ローンの借り入れをするときに役に立ちます。
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目次
- 1 団体信用生命保険の特徴
- 2 団体信用生命保険の注意点
- 3 団体信用生命保険は住宅ローン専用の保険で金融機関に支払われる
団体信用生命保険の特徴
住宅ローン専用の生命保険
団体信用生命保険とは、住宅ローン専用の生命保険のこと。通称「団信」ともいわれています。銀行等で住宅ローンを借り入れする際は、団体信用生命保険の加入を条件にしていることがほとんどです。団体信用生命保険に加入しておけば、住宅ローンの債務者が死亡もしくは高度障害状態になったとしても、住宅ローンの残金にあたる金額の保険金が金融機関に支払われるので、住宅ローンが清算できます。 団体信用生命保険の制度は何のためにあるかというと、金融機関を守るためと、住宅ローンを組んだ家族を守るため。もしものことがあり、住宅ローンが支払えなくなった場合、融資した銀行も家族もどちらも困ってしまいます。その不安を取り除くためにある制度ということです。
団体信用生命保険の保障期間について
団体信用生命保険の保障期間については、住宅ローンで契約した返済期間と同じ。つまり、住宅ローンを35年で返済するという契約をしたのであれば、団体信用生命保険の保障期間も35年です。 ローンを繰り上げて返済し、返済期間が32年になったのであれば、団体信用生命保険の保障期間も32年になります。
保険金の受取人は金融機関
団体信用生命保険は一般の生命保険とは違って、保険金の受取人は、住宅ローンの債務者ではなく金融機関です。住宅ローンを借りた方が亡くなってしまったり、高度障害になってしまった場合、金融機関がその保険金で残った住宅ローンを支払ってくれます。 ただし、団体信用生命保険には「死亡した場合もしくは高度障害になった場合」という保障範囲が定められており、それ以外の理由で仕事ができなくなり収入が途絶えたとしても、保険が支払われない可能性があるので注意しましょう。基本保障に特約をプラスして補償範囲を広げることは可能です。その場合は特約料もプラスされます。
死亡した際に金融機関がローンを払う
債務者が死亡した場合、住宅ローンの残金額の保険金が金融機関に支払われます。そして金融機関が残りの住宅ローンの残金を支払ってくれるので、遺された家族は住宅ローンの残金を支払う必要はありません。 つまり、団体信用生命保険に加入することで、住宅ローンの契約者にもしものことがあっても、ローンの返済をすることなく、遺された家族に対して購入した家は守られるということです。団体信用生命保険に加入していなかったら、遺された家族が住宅ローンの返済を続けなければいけません。他に加入している生命保険との兼ね合いはありますが、購入した家に安心して住み続けるためには団体信用生命保険はとても重要な保険だということです。
高度障害になった際に金融機関がローンを払う
債務者が高度障害状態になった場合、住宅ローンの残金額の保険金が金融機関に支払われます。そして金融機関が住宅ローンの残金を支払ってくれるということです。 高度障害の状態の判断は、銀行や保険会社によって大きな違いはありません。高度障害は、以下のような状態のことをいいます。
高度障害の状態とは
☑ 1.両目の視力を全く永久に失った状態。 ☑ 2.言語もしくは、そしゃく機能を全く永久に失った状態。 ☑ 3.中枢神経系もしくは精神に著しい障害を残し、終身常に介護が必要な状態。 ☑ 4.胸腹部臓器に著しい障害を残し、終身常に介護が必要な状態。 ☑ 5.両上肢とも手関節以上で失った状態、もしくはその用を全く永久に失った状態。 ☑ 6.両下肢とも足関節以上で失った状態、もしくはその用を全く永久に失った状態。 ☑ 7.1上肢を手関節以上で失い、さらに1下肢を足関節以上で失った状態、もしくはその用を全く永久に失った状態。 ☑ 8.1上肢の用を全く永久に失い、さらに1下肢を足関節以上で失った状態。
年齢に関係なく一律で年払い
一般的な生命保険の保険料は、年齢が若いほど安くなりますが、団体信用生命保険の保険料率は年齢に関係なく一律で年払い(掛け捨て)です。もし団体信用保険の加入が任意の場合、年齢が高い方にとっては一般的な生命保険よりも団体信用生命保険を選んだほうが保険料が安くなることがほとんど。ただし年齢が若く健康な方であれば、一般的な生命保険を選んだ方が保険料が安くなる可能性があります。 団体信用生命保険は、住宅ローンを借り入れた際に強制的に加入することが多く、この場合の保険料は住宅ローンの金利に含まれ、別途で保険料を支払う必要はありません。ただし場合によっては加入が任意になることもあります。
住宅ローン金利に保険料が含まれる際は別途金なし
団体信用生命保険に強制加入する場合、多くは住宅ローン金利に保険料が含まれる為、別途保険金を支払う必要はありません。民間の金融機関で住宅ローンを借りる場合、ほとんどが団体信用生命保険は強制加入となっています。 もし他に加入している生命保険などがある場合、保障内容がかぶっていないかをチェックしましょう。団体信用生命保険は毎月のローンの返済金額に保険料も含まれているので、保障内容がかぶった他の生命保険料との二重払いのような状態になっていても気づきにくいことが多いです。保険料の無駄を省くために、団体信用生命保険に加入する前に、他に加入している生命保険を見直すことが大切です。
加入が任意の際は別途保険料が必要
民間金融機関のほとんどは、住宅ローンを借りる際、団信の加入は強制加入となっています。しかし、一部の金融機関やフラット35などは、団体信用生命保険の加入が任意となる為、加入を希望する際には別途保険料の支払いが必要となります。 フラット35で夫婦が連帯債務者になっている場合は、二人で加入できる夫婦連帯債務型の保険(夫婦連生団信)もあります。夫婦のどちらか一方の加入者が死亡もしくは高度障害になった場合に、住宅の持ち分や返済額等に関係なく、住宅ローンの残りを全額保険が返済してくれるという制度です。ただし夫婦共働きで、それぞれが別々にローンを組む「ペアローン」を利用した場合は、死亡もしくは高度障害になったパートナーの債務はなくなりますが、自分の返済分は免除対象外なので注意しましょう。
2017年10月からフラット35の団体信用生命保険の制度が変更
☑ 1.フラット35の団体信用生命保険料が金利に含まれるようになった。 ☑ 2.フラット35の引き下げ金利幅が0.3%から0.25%に縮まった。 今までのフラット35の団体信用生命保険は外枠方式になっており、毎月の返済の他に1年に1回の支払いが必要でした。しかし制度が変更になり、1年に1回の支払いが金利に含まれることになり、一般銀行との比較を検討する上ではわかりやすくなりました。
病気やケガは保険金支払いの対象外
団体信用保険の保険金支払いの対象は、債務者の死亡や高度障害の場合です。病気やけがは保険金支払いの対象外となります。 病気やケガで就業不能になった場合でも、毎月の住宅ローンは通常通りに支払わなければいけません。収入がないのに住宅ローンの支払いを続ける場合、貯金を切り崩したとしても長期的には難しいです。もしそうなってしまった場合の対処法として、以下のような方法があります。
住宅ローンをサポートしてくれる保険がある
就業不能になった際に、住宅ローンをサポートしてくれる「住宅ローンサポート保険」という保険もあります。住宅ローンの債務者が病気やケガで働けなくなった場合、収入の減少をカバーしてくれるという内容の保険です。 住宅ローンの返済は何十年と長期で続くものなので、あらかじめ想定できるリスクを回避するための対策として検討してもいいでしょう。ただし必ず加入しなけらば行けないという保険ではありませんので、加入するかどうかはよくお考えください。
特約で保障範囲を広げる
団体信用生命保険の基本保障は「死亡もしくは高度障害」のみなので、特約をプラスし、段階的に少しずつ保障範囲を広げることも可能です。特約をプラスする場合は特約料がかかります。 ☑ 1.がん特約→生まれてはじめてがんと診断された場合、余命6ヶ月と判断されて所定の保険金支払い事由に該当した場合、ローン残高相当の保険金が支払われてローン残高がゼロになる。 ☑ 2.3大疾病特約→「がん」「急性心筋梗塞」「脳卒中」と診断されて所定の保険金支払い事由に該当した場合、ローン残高相当の保険金が支払われてローン残高がゼロになる。 ☑ 3.7大(8大)疾病特約→団体信用生命保険の「死亡」「高度障害」に3大疾病特約の「がん」「急性心筋梗塞」「脳卒中」、さらに5つの重度疾病特約の「糖尿病」「高血圧性疾患」「慢性腎不全」「肝疾患」「慢性膵炎」と診断されて所定の保険金支払い事由に該当した場合、ローン残高相当の保険金が支払われてローン残高がゼロになる。
所定の保険金支払い事由の内容とは
☑ 1.ガン(上皮ガンは除く)と診断された場合、その後の住宅ローン残高がゼロになる。 ☑ 2.急性心筋梗塞や脳卒中になり、その状態が60日以上継続した場合、住宅ローン残高がゼロになる。 ☑ 3.就業不能状態が1ヶ月を超えて継続した場合、返済額の最長12ヶ月を保証し、さらに就業不能状態が13ヶ月を超えて継続した場合、住宅ローン残額がゼロになる。 銀行や保険会社によって若干内容に違いはあるものの、上記のような内容が一般的です。
加入には健康状態の告知が必要
加入の際には、健康状態の告知が必要です。一般的な生命保険よりも告知の項目は少ないものの、健康状態に問題があって加入できない場合は、住宅ローンの借り入れができなくなるかもしれないので、注意しなくてはいけません。 告知書と同意書に記入、記名、捺印をし、その内容を銀行や保険会社がチェックします。チェックにクリアすると団体信用生命保険の加入が承認され、住宅ローンの融資が承認されるという流れです。
債務者死亡後の連絡が遅れると一部の利息が支払われない
住宅ローンの債権者にもしものことがあった場合、その家族はすぐに住宅ローンの借り入れをしている金融機関に連絡をしましょう。債権者死亡後の連絡が遅れてしまうと、返済が滞納しているときの一部の利息が支払われない場合があります。 また、団体信用生命保険の加入の有無を確認するためにも、速やかに返済中の金融機関に連絡をしたほうがいいです。連絡後は、以下の書類を提出します。 ☑ 1.医師の死亡診断書(受託金融機関にある所定の用紙を利用する。) ☑ 2.住民票(死亡の事実の記載があるもの。)
一般の生命保険よりも告知が少なくて済む
団体信用生命保険は一般の生命保険よりも告知が少なくて済みます。告知する内容は、保険の対象になる被保険者の健康に関することで、主に以下の3項目が一般的な例です。 ☑ 1.最近3ヶ月以内に医師の治療・指示・指導や投薬を受けたことがありますか? ☑ 2.過去3年以内に告知が必要な重病の手術を受けたこと、もしくは2週間以上にわたって医師の治療・指示・指導や投薬を受けたことがありますか? ☑ 3.手や足の欠損もしくは機能に障害がありますか?または背骨(脊柱)、視力、聴力、言語、そしゃく機能に障害はありますか? 上記の告知内容は一例ですが、保険会社によって詳細が異なる場合があります。上記のような質問に「はい」もしくは「いいえ」で答え、「はい」という答えには治療の時期や入院の有無、症状の経過などの詳細を正直に記入しましょう。
事業の維持安定や家族の安心に繋がる
団体信用生命保険に加入していると、債務者にもしものことがあった場合、金融機関に対する債務が弁済されます。(債務者が法人の場合、その業務執行について代表権を有する連帯保証人。)そのため団体信用生命保険に加入しておくというだけで、事業の維持安定や家族の安心につながります。 そんなことはないほうがいいのですが、債務者が死亡もしくは高度障害になり収入がなくなってしまった場合、団体信用生命保険に加入していないと、残された家族が住宅ローンの返済を続けていかなくてはいけません。住宅ローンを組む際には、不測の事態も考えておくことも大切です。
団体信用生命保険の注意点
健康状態によっては加入できない場合がある
団体信用生命保険に加入する際は、健康状態を告知するため、良好な健康状態で生命保険に加入できる状態でないと加入できません。住宅ローンを組む際の健康状態は重要なポイントになります。 健康状態の告知書は正直に記入しましょう。もし告知書にウソの内容を記入した場合、告知義務違反となって万が一のときに保険料が下りなくなります。
告知が必要な重病の例
狭心症、心筋梗塞、心臓弁膜症、先天性心臓病、心筋症、高血圧症、不整脈、その他心臓病、脳卒中、脳動脈硬化症、その他脳の病気、精神病、うつ病、神経症、てんかん、自律神経失調症、アルコール依存症、薬物依存症、知的障害、認知症、ぜんそく、慢性気管支炎、肺結核、肺気腫、気管支拡張症、胃かいよう、十二指腸かいよう、かいよう性大腸炎、すい臓炎、クローン病、肝炎、肝硬変、肝機能障害、腎炎、ネフローゼ、腎不全、緑内障、網膜の病気、角膜の病気、ガン、肉腫、白血病、しゅよう、ポリープ、糖尿病、リウマチ、こうげん病、貧血症、紫斑病、子宮筋腫、子宮内膜症、乳腺炎、卵巣のう腫
加入できないと住宅ローン借り入れができないことがある
健康状態の告知は正直にしなくてはいけませんが、団体信用生命保険に加入できる状態でないと判断された場合、住宅ローンの借り入れができないことがあります。 健康上の理由で通常の団体信用生命保険に加入できない場合、引き受け基準が拡大された「ワイド団信」にすると加入できる可能性もあるので、健康上に問題があった場合は金融機関や保険会社に相談してみましょう。ワイド団信に加入できる住宅ローンは、多くの金融機関で取り扱いがあります。金利は少し高くなりますが、安心して借入するためには有効な手段です。
団体信用生命保険に加入できなかった場合
団体信用生命保険もしくはワイド団信に加入できなかった場合でも、住宅ローンの借り入れをする方法はあります。もし加入できなかった場合は、フラット35であれば団体信用生命保険の加入が任意になるので、保険の審査に通らなくても借り入れができます。 フラット35は最大35年という長期間にわたって固定金利で借り入れができる住宅ローンです。フラット35にはメリットデメリットがあるので、詳細を確認し、金融機関の担当者等とよく相談して検討しましょう。
債務者が亡くなった場合は早期連絡
住宅ローンの債務者が亡くなってしまった場合、家族はすぐに金融機関に連絡することが重要。連絡が遅れて返済が滞納していると、返済滞納時の一部の利息が支払われない可能性があるので注意しましょう。 フラット35で夫婦連帯債務型の保険に加入している場合も、妻もしくは夫のどちらかが亡くなった場合はローンの返済義務が免除されるので早期連絡が必要。死亡だけでなく高度障害に認定された場合も同じです。
保障の重複に気を付ける
団体信用保険と一般的な生命保険のカバーしている範囲は重なっていることが多いです。新築住宅を検討する前にすでに他の生命保険に加入しているという人は、保障が重複している場合があるので気をつけましょう。 団体信用保険は住宅ローンを清算してくれる生命保険です。一般的な生命保険は「家賃・生活費・子供の教育費」をカバーしてくれる内容が多く、団体信用生命保険がカバーしている範囲が同じになる可能性があります。保障内容を見直し生命保険の家賃分の保障を削ることで過剰支払いを防ぐことができます。
加入する際には保険を見直す
団体信用生命保険に加入すると、住宅ローンの金利(月々の返済額)に保険料が含まれていることがほとんど。そのため、住宅ローンを利用すると団体信用生命保険に加入していることを意識しなくなってしまう方が多いです。 すでに保険に加入していたという方は、その保険に住宅資金の保障額も含まれている可能性があります。そうなると団体信用生命保険でカバーしている内容と重複し過剰支払いになってしまうので、加入する際には保険を見直しましょう。そうすることで保障の重複を防止できます。
団体信用生命保険は住宅ローン専用の保険で金融機関に支払われる
団体信用生命保険は、住宅ローン専用の生命保険です。家族の安心を図るためには重要な保険だといえます。 もし債務者が死亡もしくは高度障害になってしまった場合、残りの住宅ローンの金額相当の保険が金融機関に支払われるので、残された家族はそれ以後の住宅ローンの負担を背負う必要はありません。また、加入する際には他に加入している生命保険を見直すことで保険料の過剰払いを防止できるため、保障内容をよく理解しておくことも大切です。
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