児童手当法の概要。支給期間や所得制限などの基礎情報をチェック

子どもひとりひとりに支給される「児童手当」。近年法律が改正されて支給に制限ができましたが、それ以外にもわかりにくいことがたくさんあります。 児童手当について「支給はいつまで?」「月額はいくら?」「受給者になれるのは誰?」などの基本的な情報をまとめました。

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子どもの成長を手助けする児童手当法

子どもの成長を支援する法律

児童手当について、内閣府のホームページには「家庭等における生活の安定と児童の健全育成を目的とした給付」とあります。 つまり児童手当とは、生活や教育など、子どもの成長に関わる環境を整える目的で、国から子どもの養育者へ支給されるお金のことです。 給付金の支払いにはさまざまな基準や制限があり、家庭環境や子どもの人数、年齢などによって、給付の有無や支給される額が決まります。支給を受けるには申請が必要です。 以上、児童手当の概要や申請方法、支給方法、支給条件などを定めたものが児童手当法です。児童手当は内閣府の子育て支援政策のひとつであり、厚生労働省の管轄となっています。

平成24年の4月に改正

平成24年の3月31日に「児童手当法施行規則の一部を改正する内閣府令」が公布され、翌月の4月から、それまでの「子ども手当法」に代わり現在の児童手当法となりました。 支給額や対象年齢に変更はありませんが、大きな変更点のひとつに所得制限があります。所得が基準以上ある家庭には、手当が満額支給されません。 扶養親族等の人数と所得額によって支給に制限がかかり、収入額が1,000万以上の家庭には満額支給されないケースもあるので、実質は高所得者層の増税になっているという見方もあります。 所得の算出方法は決まっていて、基準に該当するかは自分で調べる必要があります。

費用は国と地方で負担

児童手当の財源は、国と地方(都道府県・市区町村)、一部が事業主拠出金で構成されています。 所得制限限度額以上の家庭に支給される特例給付は、国が2/3、地方が1/3を負担しています。 被用者の0〜3歳未満までの児童手当は事業主が7/15、国が16/45、地方が8/45を負担しています。 非被用者の0〜3歳未満の児童手当と、すべての3歳〜中学卒業までの児童手当は、国が2/3、地方が1/3を負担しています。 平成29年度予算では、給付総額は2兆1,985億円となっており、前年度よりやや減額しています。 内訳は国が約1兆2,000億円、地方が約6,000億円、事業主が約1,800億円、所属する庁が10割を負担している公務員分が約1,900億円です。

内閣府のHPでチェックできる

児童手当法施行令や児童手当法施行規則などは、内閣府のホームページで公開されていて、すべて閲覧することができます。 法令そのものは難しくてわかりにくいかもしれませんが、児童手当におけるQ&Aなどでわかりやすく説明してあるので、ぜひ活用してください。 所得制限の正確な数字も掲載されていて、自分の家庭の扶養親族人数と所得額が当てはまるか調べることができます。 他にも支給条件や受給者の指定についてなど、児童手当でわからないことがあれば、内閣府のホームページを参考にしましょう。 また、児童手当法は一部改正されるたびに公開されています。定期的に覗き、最新情報を見ておくとよいでしょう。 詳細はこちら

児童手当の支給に関する基礎情報

支給期間は子どもが15歳になる3月末まで

児童手当の支給期間は、子どもが生まれてから開始され、15歳になった次の3月末で終了します。 例として、2017年10月に15歳になると2018年3月末まで、2018年3月に15歳になると同年3月末までが支給期間に該当し、どちらも最後の支給月は2018年6月です。 中学を卒業する年の3月まで、と覚えておくとよいでしょう。最終支給は2月・3月分がまとめて、6月の支給日に振り込まれます。 ちなみに児童手当を申請し忘れた場合、さかのぼって受給することはできません。支給の対象となる期間は0歳からですが、3歳まで申請を忘れていたら、それまでの3年分の手当はもらえない、ということになります。

出生から15日以内に申請する

児童手当は、通常は申請した日の翌月から支給開始となります。例えば11月10日に申請すると、支給は12月分からです。 ただし例外として、月末の出産や災害、引っ越しなどやむを得ない理由で申請が困難だった場合、申請手続きをした月も支給対象になる、という救済措置があります。 とくに月末の出産に関しては、出産翌日〜15日以内に申請すると、申請月も支給対象になるという「15日特例」があることを知っておきましょう。 例えば、子どもが10月30日に生まれたら、11月14日までに申請手続きをします。承認されると、申請が11月であっても、11月分から支給されることになります。10月31日に手続きすれば、通常のルール通り翌月の11月分から支給開始です。 生後14日以内の提出が必須の出生届と同時に、児童手当の申請手続きも済ませてしまうのが、手続き漏れもしにくく、やりやすい方法です。 窓口が違うこともありますが、どちらも役所で手続きできます。ただし公務員の場合、財源が違うため、児童手当の申請は職場での手続きとなるので気を付けてください。 また「15日特例」について、里帰り出産では注意が必要です。児童手当は、居住地の役所が出生届を受理しない限り認定されません。 里帰り先の役所に出生届を出してから、居住地の役所が受理するまでには時差があり、この間に月をまたいでしまうと、「15日特例」は適用されません。申請日の翌月の支給開始となってしまいます。 できるだけ、出生届は居住地の役所に提出しましょう。月初め・中頃・月末など、出産日によって慌ただしさは変わります。出産前に家族と、手続きの方法を数パターン考えておくと安心です。

子どもの人数や年齢で支給金額が変動する

児童手当の支給額は、子どもの年齢と人数によって決められています。子どもが複数いる場合は、その分支給額は増えることになります。 ☑0〜3歳未満は月額15,000円 ☑3歳〜小学校修了までの第1子・第2子は月額10,000円 ☑第3子以降は月額15,000円 ☑中学生は月額10,000円 例として、0歳・3歳・8歳の子どもがいるなら、15,000+10,000+10,000で月に35,000円の支給です。 7年後に一番上が中学を卒業したら、下の7歳と10歳の子どもの分で15,000+10,000=25,000円が月の支給額となります。 3歳未満と、3人目以降にやや手厚い仕組みになっています。 また児童手当をもらい続けるには、毎年「現況届」を提出する必要があります。6月が近づくと郵送されてくるので、きちんと記入して必要書類を添付し、6月中に返送しましょう。この手続きをしないと、6月分以降の手当が受給できなくなってしまいます。

所得制限がある

平成24年から開始された児童手当法には、給付において「所得制限」があります。すべての子どもに無条件かつ一律で支給されるわけでないので、注意が必要です。 この「所得」とは一般的にいわれる手取りのことで、給与や不動産収入などの総額=いわゆる「年収」から、医療費控除などの「控除額」を差し引き、さらに「80,000円」を引いたあとの数字を指します。 共働き世帯などでは、合計ではなくどちらか一方、収入が高いほうだけで所得を計算します。 こうして計算して出した所得が定められた額よりも多いと、手当は満額支給されません。「定められた額」は、扶養親族等の人数によって異なります。「所得額」のほかに「収入額」も定められていますが、参考程度で、通常は「所得額」を基準にします。 扶養親族は、昨年12月末日の時点での人数を考えます。年が明けてから結婚した場合や、子どもが年明けに生まれた場合などは、ここでの扶養親族等の人数には含まれないので気を付けましょう。扶養親族等が「0人」の場合があるのはこのためです。 所得制限限度額以上の家庭は、手当は満額ではなくなります。「特例給付」により、子ども1人につき、年齢は関係なく、月額5,000円が支給されることになっています。

子どもと同居している者に給付される

児童手当は原則として、「日本国内で子どもと同居している養育者」に対して支給されます。基本的に、申請するのは受給者本人でなければいけません。 子どもと同居する養育者が多数いる場合、生計の中心となっている人、つまり収入が最も多い人が受給者となります。自治体によっては、子どもの健康保険料を払っている人を受給者とするケースもあります。 離婚講義中などで、生計を別にして子どもと別居中なら、たとえ父親のほうが収入が多くても、子どもと同居して養育している母親に対して支払われます。一方、単身赴任などで生計を同じくして別居中であるなら、父母のうち所得の高いほうに支給されます。 また、受給するのは必ず両親である必要はありません。両親が海外に赴任して祖父母に子どもを預けている場合、親が祖父母のうちどちらかを児童手当の受給者として指定すれば、祖父母が手当を受給することができます。 子どもが児童養護施設に入っている場合、施設設置者などが受給者として指定されます。受給者に国籍の制限はありませんが、日本国内に居住していることが条件です。 ちなみに、子どもだけが留学で海外に居住している場合、支給対象となるにはいくつか条件があります。 数ヶ月〜1年ほどの短期の留学では対象から外れることはありませんが、3年以上の長期に渡る留学や、日本での継続居住期間が3年未満である場合は、支給の対象外になります。 教育目的以外での居住や、留学先で親や後見人などと同居している場合、留学とは見なされず、対象から外れます。 家族全員が海外に引っ越した場合は、日本の児童手当の対象外です。各種手当については、現地の法律を調べましょう。

年に計3回の支給がある

給付金の支給は年に3回、2月・6月・10月です。支給日は5日・10日・15日など自治体によって異なり、各自治体のホームページで確認できます。 支給日になると1度に4ヶ月分が、申請時に指定した口座へまとめて振り込まれます。支給月の前月分まで、例として6、7、8、9月分が10月に一括支給です。 子どもが複数いれば、複数人分まとめての振り込みとなります。通帳の記載は一行なので、それだけでは内訳はわかりません。 振り込み明細のハガキが送られてくるところもありますが、なにもない自治体もあるので、支給月には口座をチェックするようにしましょう。4ヶ月分がいくらになるのか、支給額は事前に把握しておくのが望ましいです。

子どもの将来のために児童手当を活用しよう

月額で見るとそこまでではないと感じるかもしれませんが、年額を考えるととても大きなお金です。使い道が厳格に制限されているわけではありませんが、せっかくの児童手当、計画的に使っていければ理想的です。 支給されたら子ども用の別口座に積み立てておく、習い事の月謝に回すなど、子どもの将来のために上手に活用しましょう。

公認会計士・税理士 伊藤 温志

エクセライク保険株式会社 代表取締役。2018年MDRT会員取得。
会計事務所の経営を通じ1,000社を超える顧客の税務/会計/保険/資産運用の相談に対応。
通常の代理店ではみれない顧客情報を扱っていることから、豊富な引出しを有し多くのお客さまから支持を集めている。