知っておきたい!高額医療費を支払った年の確定申告について

病気や怪我で医療機関を受診したり、家族が入院したりなど、1年間でかかった医療費が高額となっている場合、きちんと申請することで負担が軽減することがあります。知っているようで知らなかったこと、新たに変更されたことなど、理解を深めましょう。

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高額医療費の基本

一定額を超えた医療費の支給

各人が加入している公的医療保険制度には、医療費を多く支払った場合に一定額を超えた医療費を支給してくれる高額療養費制度(高額医療支給制度)という制度があります。 年齢や所得により上限は異なりますが、ひと月あたりに支払う医療費のうち上限を超えた超過分は後ほど支給(還付)されたり、事前申請(限度額適用認定証制度)で超過分の支払いが不要となったりします。また、70歳未満の人で直近12ヶ月間のうち3ヶ月間制度適用となっていた場合は4ヶ月目から上限額が低減されます。 さらに、家族の医療費は合算して計算することができます。医療費の合算可能な家族とは、同保険制度内である必要がありますので被保険者の扶養家族となっている者が対象となります。各自で会社の保険に加入している夫婦や、離れて暮らしている健康保険加入の父親と社会保険加入の娘とでは合算できません。 制度利用にあたり、複数の医療機関にかかっている場合は注意が必要です。各医療機関で21,000円を超えている場合のみ合算できます。21,000円を超えない額で医療機関を複数受診している場合は総医療費で上限を超えていても、支給対象となりません。これは、家族の医療費合算の場合も同様です。

申請に必要な書類

実際に高額療養費制度を利用する場合は、自分が所属している健康保険組合に申請をして申請書の入手をしましょう。会社の保険に加入している場合は、業界によって独自の健康保険組合があることもありますので会社に確認する必要があります。フリーランスや年金受給者など国民健康保険に加入している方は、国保のホームページより申請書のダウンロードが可能です。また、お近くの市役所の健康保険課でも入手可能です。 申請書と合わせて必要な書類に、実際に支払いを行った領収書が必要となります。実際に行われた医療行為が明記された診療報酬明細書(レセプト)が、この領収書にあたります。診療報酬明細の記載がない領収書では申請対象となる医療費がどの部分か判断ができないため申請書類として認められない場合があります。 また、医療機関によっては、請求書兼領収書として発行される場合がありますので領収印があるなど、支払った事実が証明できる書類の添付が必要です。

申請書の提出先

書類が揃ったら各申請先へ提出しますが、申請先は保険証記載の保険者によって異なります。申請書類入手の際に確認した窓口へ提出(郵送)します。主な保険者の申請先は以下の通りです。 ☑国民健康保険加入者:各市町村の国民健康保険の窓口 ☑協会けんぽ加入者(会社の保険):所属している健康保険協会の支部 ☑健康保険組合員(業界による独自の組合):各自が加入している健康保険組合 ☑派遣健保加入者(派遣社員等):所属している派遣会社

高額医療費の確定申告

家族分の合算で確定申告

確定申告での医療費は、保険証が別でも世帯全員分を合算して申告することが可能です。保険証での扶養家族と税制上の扶養家族とでは定義が異なるためです。よって、生計を一にしている家族を同世帯として、1年間(1月1日から12月31日まで)に支払った医療費を合算して申告をすることができます。 ここで言う「生計を一にする」とは、必ずしも同居している必要はありません。離れて暮らす実家の親に収入があっても小額のため子供の仕送りで生活している状況であれば、親の医療費も控除の対象として申告することができます。

高額療養費制度と併用も可能な医療費控除

一定額を超えた医療費を支給してくれる高額療養費制度ですが、この制度を申請している場合でも医療費控除の申告は可能です。ただし、高額療養費制度での支給額を差し引いた額が実際に支払った医療費として医療費控除の計算額となります。 ここで注意が必要なのは、高額療養費の支給タイミングが診療月から3ヶ月以上後になるということです。12月分の申請額が確定するのは確定申告期限を越えてしまうため更正の請求などで対応する必要があります。医療費控除の還付申告は5年間、高額療養費は2年間ですので、確定申告期間の混雑時を避けて申請をするのもよいかもしれません。 なお、会社が手続きをしてくれる年末調整で医療費控除を受けることはできませんので自分で確定申告をする必要があります。

医療費控除の計算

医療費控除の計算は、申告者の所得によって異なります。総所得が200万円以上の場合は、実際に支払った医療費から10万円を引いた金額が申告できる医療費となります。総所得が200万円未満の場合は、実際に支払った医療費から総所得の5%を引いた金額となります。 1年間でかかった医療費ー補填された金額(支給額)−10万円または所得の5%=医療費控除額 ここで記載した補填された金額(支給額)とは、高額療養費制度で支給された金額以外にも個人で加入している生命保険会社から支給を受けた医療保険金や入院給付金なども含まれます。また、申告できる医療費控除額の上限は200万円となります。

税金の負担軽減が目的

医療費控除は、実際に高額の医療費がかかった納税者に対して税金の負担軽減が目的です。納税者の所得から医療費を引いて税金を計算し直し、払いすぎている所得税を還付金として返金してもらえます。ただ、医療費控除額がそのまま戻ってくるのではなく申告者の所得に応じて還付金額が変わります。 医療費控除額に所得税の税率により算出され、所得の多い場合は所得税の税率も高くなるため還付金も多くなるということです。夫婦共働きの場合など、納税者が複数いる場合は一番収入が多い人が申告すると最も還付額が多くなります。 また、医療費控除の申告は、住民税にも影響を与えます。住民税の税率は収入額に影響されず一定(10%)なので、医療費控除額が100万円であった場合、その10%である10万円が安くなります。 住民税は前年の所得税率により算出されるため、きちんと確定申告しておくことで次回の住民税が安くなるということです。もちろん、医療費控除の申告を遡って行った際は払いすぎている住民税に対しても還付金をうけとることができます。

控除の対象にならないもの

控除の対象は基本的に治療のための医療費ですので、予防・美容のためのものや個人の希望で使ったものは対象になりません。対象にならないものには以下のものが挙げられます。 ☑インフルエンザ等の予防接種や人間ドック等の健康診断費用 ☑美容整形 ☑健康増進のビタミン剤や漢方薬 ☑入院時に個室を希望した場合の差額ベット代やテレビ使用にかかる雑費等 ☑病院まで自家用車で行ったときにかかったガソリン代や駐車場代 治療目的であれば歯のインプラントや矯正、目のレーシック手術は控除の対象となります。(医師の指示証明等が必要) また、平成29年からセルフメディケーション税制(医療費控除の特例)が始まっています。きちんと健康診断などを受けている人であればドラッグストアなどで購入したOTC医薬品の費用を控除の対象とすることができます。ただし、この制度は現行の医療費控除の適用と併用はできません。医薬品の購入金額の上限(10万円)もあり、どちらを適用するかは自分で選択する必要があります。

領収書を集めてしっかり計算して申告しよう

自分だけでなく家族がかかった入院費や治療費など1年間にかかった医療費を計算すると思いもよらず高額になっている場合があります。かかってしまった高額医療費の負担を少しでも軽減させるためにもしっかり計算して申告するようにしましょう。 平成29年分の確定申告から、領収書の提出の代わりに医療費控除の明細書の添付が必要となりました。平成29年〜31年分は併用期間とされ、特例として領収書の提出でも可能ですが、平成32年分からは医療費控除の明細書での申告となります。 この明細書は、例年1月にフォーマットが公開されますので国税庁のホームページからダウンロードできます。税務署や申告相談会場等でも入手可能です。明細書の項目に従い作成していく際に、実際に支払った金額を記載していきますので領収書等は集めておく必要があります。 また、領収書の提出は必要ありませんが税務署から求められたときは、提示や提出をする必要がありますので自宅で5年間保存する必要があります。 医療機関にかかり保険証を提出し保険適用させると所属する保険組合から一定期間に利用した医療費の明細が通知されることがあります。平成29年度よりこの通知書でも医療費控除で使用できるようになりましたが、実際に支払った金額と異なる場合がありますので領収書で確認する方が確実です。 医療費を支払った際は領収書を保管しておき、1年間でかかった金額に応じて確定申告をするようにしましょう。

公認会計士・税理士 伊藤 温志

エクセライク保険株式会社 代表取締役。2018年MDRT会員取得。
会計事務所の経営を通じ1,000社を超える顧客の税務/会計/保険/資産運用の相談に対応。
通常の代理店ではみれない顧客情報を扱っていることから、豊富な引出しを有し多くのお客さまから支持を集めている。