日本人の死因上位にある「がん」。発症部位や進行度合い、年齢や性別によって、死亡率や生存率には違いがあります。 性別・年齢別のそれぞれの傾向をはじめ、ステージ、5年生存率の定義についてなど、がんの基礎知識もまとめています。参考にしてください。
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目次
死亡確率が高いがん発症部位
40代以上の男性は消化器系
がんの死亡率は、罹患率に比例して40代からじわじわと上昇し、60代以降急激に増加します。 どの部位のがんによる死亡が多いかは、年齢によって変わります。 年齢別のがん死亡数を発症部位ごとに分け、それぞれの死亡数の割合を見てみると、世代間にはっきりとした違いが見られます。 2015年にがんで死亡した男性の数は22万人ほどですが、そのうち9万人以上が大腸・胃・肝臓などの消化器系のがんで亡くなっています。 年齢別で見ると、とくに40〜60代の割合が高いのがわかります。 40〜60代男性のがん死亡数は消化器系のがんが6割近くを占め、年代によってわずかに変わりますが、割合の高い順はおおむね胃・大腸・肝臓・膵臓・食道・胆のう・胆管となっています。 消化器系のがん死亡数の割合は50代後半がピークで、60代に入ると徐々に低下する傾向にあります。 消化器系に次いで死亡数割合が高いのは肺がんです。肺は、多少の増減はあるものの、全世代を通して常に一定の割合を占めている部位です。 消化器系とひとくくりにせず考えると、男性では肺が最も死亡数の多い部位になります。22万人のうち、5万3千人ほどが肺がんで死亡しています。
40代以上の女性は乳がんなどの女性部位
2015年にがんで死亡した女性は約15万人で、乳がん・子宮がん・卵巣がんなど女性部位のがんで死亡したのは2万5千人ほどです。 そのうち乳がんによる死亡数が、およそ1万3千人と最も多くなっています。 女性特有の部位に発症するがんの死亡数は、年齢による差がとくに著しいのが特徴です。 40〜50代女性では、女性部位のがん発症による死亡数が、全体のおよそ半数にのぼります。 割合が高い順に、乳房・子宮頸部・子宮体部・卵巣となっていて、乳がんの死亡数割合が飛び抜けて高くなっています。 60代までは依然として乳がんなどの割合が高い状態が続きますが、50代の後半から徐々に、女性部位のがん発症による死亡数割合は下がっていきます。 一方で、消化器系のがんや肺がんの割合が少しずつ上がる傾向が見られます。とくに60代の後半になると肺がんの割合が急増し、乳がんとほぼ同じくらいの割合になります。 参考までに、全年齢の乳がんの死亡率は21%ほど。子宮がんは10%、卵巣がんはおよそ7%です。死亡率は、「1年間で人口10万人あたり何人が死亡するか」を示しています。
70代以上の男性は肺がんや前立腺がん
男性は70代になると、消化器系のがんによる死亡数の割合はおよそ5割ほどに低下し、肺がんと前立腺がんの割合が増加していきます。 80代以降はとくに、肺がんによる死亡数が全体の約2割ほどを占めるようになります。肺がんは日本人の死因第一位にもなっています。 ちなみに、男性の肺がんの死亡率は8割を超えていますが、女性の肺がん死亡率は3割ほどです。 肺だけに限らず胃や大腸など多くの部位で、男性は女性と比べてがんの死亡率が高い傾向にあります。 全年齢の前立腺がんの死亡率は、約18%です。
70代以上の女性は消化器系や肺がん
70代女性では、女性部位のがんによる死亡数割合はかなり下がります。 代わりに胃や大腸、肝臓、膵臓などの消化器系のがんによる死亡数が約半数を占めるようになり、次に肺がんの割合が高くなります。 80代以降は食道・胃・大腸が全体の3割以上になってきます。とくに大腸の増加幅が大きく、女性のがん死亡数を押し上げています。 女性のがん死亡数で最も多い部位が大腸で、がん死亡数15万人のうち2万2千人以上が、結腸がん・直腸がんによって亡くなっています。 女性の大腸がんの死亡率は35%ほどです。
がん5年生存確率の定義
治療開始から5年後に生存している人の割合
がんと診断され、治療が開始されてから5年後の生存率を「5年相対生存率」と呼びます。 これは、日本人全体が5年後に生きている確率と比べ、がん患者が生きている確率がどれだけ低いかを数値化したものです。 比較する日本人集団の年齢と性別の分布は、がん患者集団と同じです。 この数字は、治療でがんからどれだけの命を救うことができるか、という指標になります。 確率が高いほど、命を救えるがんだということを示しています。 例を挙げれば、5年生存率が90%を超える皮膚がんや前立腺がん、乳がんは、治療しやすいがんと言われています。 生存率が男女ともに8%にも満たない膵臓がんは、治療が困難ながんである、ということができます。 死亡数1位の肺がんですが、5年生存率は男性で27%、女性で43%。ここでも性別による違いが出ています。
生存していれば再発は関係ない
5年相対生存率は「がん患者が5年後に生存している確率」から考えるので、がんの再発については無関係です。 手術や治療で一度よくなったように見えたがんが、さまざまな形で“再発”することがあります。 取り切れなかった小さながんがまた出てくる、小さくなっていたがんがまた大きくなってくる、別の場所に転移して発症する等、がんの恐ろしいところです。 ただ、どんな形で再発していても、生存していれば割合に含まれることになります。 再発しているかどうかは関係なく、また病状が快方に向かっていても、逆に悪化していても、5年生存率の算出には影響しません。
5年生存率の高いがんと低いがん
ステージIの発見で進行が遅いがんは高い
がんは発症部位によって、さまざまな早さで進行していきます。進行の度合は「ステージ」で表され、がんの大きさ・リンパ節への転移・他の臓器への転移、この3つの基準から分類されます。 最も早期のステージは0、そこから→→→と進みます。ステージ0がないがんも存在します。 当然、ステージが低いうちに治療を始めたほうが5年生存率は上がり、進行が遅いがんほど転移しにくく治りやすいです。 早期のステージ0やはリンパ節への転移がない段階で、ここで発見できると、手術によってがんをきれいに切除することが可能な場合が多いです。 乳がんや前立腺がん、胃がんや大腸がんなどは進行が遅めなことが多く、早期発見で完治の確率が上がるがんとされています。 乳がん・前立腺がんの5年生存率は90%を超えており、胃・大腸も60〜70%ほどです。 他に5年生存率が70%以上の部位は、皮膚・甲状腺・咽頭・子宮・膀胱・悪性リンパ腫などが挙げられます。 5年生存率を上げるのは、がんの種類と、どれだけ早期に発見して治療を開始するかにかかっています。
進行が早めの肺がんや膵臓がんなどは低い
進行が早く早期に発見しにくいがんは、そのぶん5年生存率が下がります。 とくに膵臓がんは進行が早く、他部位への転移の可能性が高いといわれます。生存率は8%以下です。 また、生存率が30〜40%と低い肺がんの中でも、小細胞肺がんの進行がとくに早いとされ、転移も多く見られます。 小細胞肺がんは肺の入り口付近にできることが多いがんで、患者は喫煙者がほとんどです。 治療しても8〜9割の確率で再発し、生存率はタイプによりますが、0〜25%とされています。 その他、脳・胆のう・肝臓・食道・白血病などが、5年生存率が40%以下の部位です。 がんが進行しリンパ節への転移が認められると、その度合いによってステージは〜に上がります。 がんを完全に切除できれば望ましいですが、術後は転移を防ぐための化学療法などが追加で行われることが多いです。 他臓器に転移するとステージとなり、一部分のがんを手術で切り取るだけではどうにもできない状態です。 生存期間を延ばすことにはつながらないため、手術はほぼ行われません。 このように、進行が早い部位のがんは、発見されたときにはすでに手の施しようがない状態だった、といったケースもあり得ます。 早期に発見できたとしても、転移しやすい部位なら治療の難易度は上がります。 進行が早い、発見しにくい、転移しやすい部位のがんは、5年生存率が低下してしまうのです。
年代や性別により発症率の高いがんが異なる
詳しく見ていくと、年齢・性別によって発症しやすいがん、死亡率の高いがんは変わることがわかります。5年生存率も、性差が大きく出ています。 がんに関するさまざまなデータと、自分の性別と年代を照らし合わせ、まずはリスクを知ることから始めましょう。 そして、できるだけリスクを減らし予防に活かす、治療法選択時の判断材料として覚えておくなど、健康に対する意識を高めていきましょう。
エクセライク保険株式会社 代表取締役。2018年MDRT会員取得。
会計事務所の経営を通じ1,000社を超える顧客の税務/会計/保険/資産運用の相談に対応。
通常の代理店ではみれない顧客情報を扱っていることから、豊富な引出しを有し多くのお客さまから支持を集めている。