休職を余儀なくされた時に助けになる傷病手当金。その計算方法とは

急な病気やケガで会社を長期休職することになった時、収入の面で不安に思ったことはありませんか?社会保険の制度の中に傷病手当金という制度があります。長期休職のときに給料を補償してくれる制度です。では、実際にいくら位受け取れるのでしょうか。

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傷病手当金の計算式について

各月の標準報酬額を平均して計算する

社会保険には、全国健康保険協会という団体が運営する通称『協会けんぽ』と呼ばれる組織と、常時700人以上の従業員が働いている企業が自前でしている『組合保険』の2種類があります。ここでは、全国約168万社が加入している『協会けんぽ』の傷病手当の計算式をもとに説明します。傷病手当の計算式は、次の式で計算されます。 ☑支給開始日以前の継続した12ヶ月間の各月の標準報酬額を平均した額÷30日×2/3=1日当たりの傷病手当金額 上の式にあるように傷病手当金は、「標準報酬額」をもとに計算します。標準報酬額は、4月・5月・6月に貰った給料の平均金額のことをいいます。この平均金額は9月から翌年8月まで使用され、これを定時決定といいます。また、ここでいう給料は、基本給+諸手当+交通費のことを指します。 例えば、平成29年12月1日に傷病手当の支給が開始されたと仮定します。標準報酬額は、継続した12ヶ月の平均ですので、各月ごとの標準報酬額の平均を計算します。標準報酬額は、平成29年9月1日〜12月31日までの4ヶ月分は、平成29年の4月・5月・6月の平均金額となり、平成29年1月1日〜平成29年8月31日までの8ヶ月分は平成28年の4月・5月・6月の平均月額となります。 計算するときのポイントとしては、支給開始日が8月1日〜8月31日以外は、どの月であっても前の年の標準報酬額が1ヶ月以上含まれるということです。仮に、平成28年の標準報酬額を23万円、平成29年の標準報酬額を25万円として計算すると、(23万円×8ヶ月+25万円×4ヶ月)÷12ヶ月÷30日×2/3=5260となり、1日当たりの傷病手当金額は、5260円になります。その場合の注意点として、30日で割った時、小数点以下の数字がある場合、1の位で四捨五入する。また、2/3を掛けたときに、小数点以下の数字がある場合、1の位で四捨五入する、と決められています。

支給開始以前の期間が12ヶ月に満たない計算方法

支給開始日以前の期間が12ヶ月に満たない場合、計算方法は少し異なります。 例えば、転職して平成28年9月1日より『協会けんぽ』の被保険者になったとします。それまで『組合保険』に加入していたとして、傷病手当の支給開始日が平成29年4月4日が支給開始日だとすると、期間が12ヶ月に足りていません。平成28年4月・5月・6月をもとに計算した基準報酬額が40万円であっても、この場合は、『協会けんぽ』の全被保険者の標準報酬額の平均である28万円を標準報酬額として計算します。 さらに、平成28年8月31日までは、国民健康保険で平成28年の4月・5月・6月の給料の平均が22万円であった場合は、標準報酬額は22万円で計算します。つまり、支給日以前の期間が12ヶ月に満たない時は、『協会けんぽ』の全被保険者の標準報酬額の平均である28万円か、『協会けんぽ』の被保険者になる前直近の4月・5月・6月の給料の平均額のどちらか低い金額が標準報酬額として計算されることになります。 組合保険の場合、各組合ごとに全被保険者の標準報酬額平均が違うので『協会けんぽ』以外の方は加入している組合に問い合わせが必要です。

傷病手当金を受ける条件

働くことが出来ない

傷病手当を受け取るには、既定の条件を満たしていなければなりません。また、国民健康保険は傷病手当を給付する制度がありませんので、対象外となります。 傷病手当金を受ける条件として、まず、業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であることが条件となります。健康保険給付として受ける療養に限らず、仕事に就くことができないことについての証明があるときは、自費診療を受けた時でも傷病手当金を受けることができます。また、入院していなくても自宅療養でも受けることができます。 注意が必要なのは、業務外の事由ですので労災保険の給付対象であったり、美容整形などの病気とはみなされないものは対象外です。また、仕事ができないことの証明については、業務内容と職種を考慮し第三者である医師が、労務不能と判断する証明が必要です。

連続する3日間を含み4日以上欠勤している

傷病手当を受けるには、連続して3日欠勤していることが条件となります。1日欠勤して1日出勤、また2日欠勤して1日出勤、という場合は傷病手当金を受ける条件を満たしません。『協会けんぽ』の場合、待機期間3日連続して欠勤があれば、4日目から支給開始日となります。3日連続して欠勤して4日以上欠勤する必要があります。 詳細はこちら

給与が傷病手当金より少ない

基本的に給与が支給されている期間は、傷病手当金は支給されません。ただし、給与の支払いがあっても、傷病手当金の額より少ない場合は、その差額が支払われます。また、退職して保険を任意継続した後に病気やケガになった場合は、傷病手当金は支給されません。

傷病手当金を見直される対象

給与の支払いがあった場合

傷病手当金は、業務外の事由による病気やケガで休業している期間について生活保障をおこなう制度になります。したがって、会社より給与が支払われている期間は、傷病手当金は支給されません。

退職後に老齢年金を受け取った場合

傷病手当は、一定の条件を満たせば退職後も、支給開始日から1年6ヶ月は受給できます。その条件とは、 ・退職日に健康保険の被保険者期間が継続して1年以上あること。 ・退職時に傷病手当を受給するための条件を満たしていること。 ・退職日以前及び退職日以後も継続して傷病により労務不能状態が継続していること。 以上の条件を満たしていれば、退職後も傷病手当金を受け取ることができます。 また、老齢年金と並行して傷病手当金を受け取ることは基本的にできません。老齢年金とは、公的年金のことをいいます。傷病手当金と老齢年金を並行して受けることができるのは、公的年金の額の1/360が傷病手当金の日額より少ないときで、その場合は、その差額が支給されます。 詳細はこちら

出産手当金を受け取るようになった場合

出産手当金も老齢年金と同様に、傷病手当金と同時に受け取ることは基本的にはできません。ただし、出産手当金の日額が、傷病手当金の日額より少ないときはその差額を受け取れます。

労災保険の休業給付を受け取った場合

業務外の理由による病気やけがのために労務不能となった場合でも、別の原因で労災保険から休業補償給付を受け取っている期間中は、傷病手当金は支給されません。ただし、休業補償給付の日額が傷病手当金の日額より少ないときは、その差額が支給されます。 給与の支払いがあった、老齢年金を受け取った、出産手当金を受け取った、労災保険の休業給付を受け取った、のいずれかに該当し、規定額以上の傷病給付金を受け取っていた場合、傷病給付金を返納する必要があります。 詳細はこちら

傷病手当を受給する方法

傷病手当金の書類を準備する

まず、傷病手当金を受給するには、申請書類をそろえて必要事項を記入します。必要書類は、「傷病手当金支給申込書」という書類が『協会けんぽ』で発行されています。この書類は『協会けんぽ』のホームページから印刷できますし、会社によっては総務課に相談すれば発行してくれます。 そして、「傷病手当金支給申込書」に必要事項を記入します。自分で記入する欄が1ページ目と2ページ目にあります。3ページ目以降は、事業主に記入してもらう欄と4ページ目に担当医師に記入してもらう欄がありますので、まずは自分で記入する1ページ目と2ページ目をすべて記入します。そして、3ページ目の事業主記入欄を会社の人に記入してもらいます。 初回申請時には、申請期間と申請期間1ヶ月前にかかるタイムカードのコピーと給与明細のコピーが必要です。会社記入欄に記入してもらった「傷病手当支給申請書」を受け取るときに、一緒にもらえるように総務の人に伝えておきましょう。さらに、被保険者の状況によっては、添付書類が必要になりますので、その際は添付書類も揃えます。被験者の状況による必要添付書類は以下になります。 ☑支給開始日以前の12ヶ月以内で、事業所に変更のあった方は、以前の事業所の名称、住所地及び各事業所に使用されていた期間がわかる書類。 ☑障害厚生年金を受けている方は、年金給付額等がわかる書類全てが必要となります。具体的には、障害厚生年金の年金証明書またはこれに準ずるコピー、障害厚生年金給付の額、支給開始年月を証明する書類及び障害厚生年金の直近の額を証明する書類。 ☑資格喪失後に申請する場合で老齢退職年金の給付を受けている方は、年金給付額等がわかる書類の全てが必要となります。老齢退職年金給付の年金証明書またはコピー、老齢退職年金給付の額、支給開始年月日を証明する書類および老齢退職年金の直近の額を証明する書類のコピー。 ☑労災保険から休業補償給付を受けている方は、休業補償給付支給決定通知書のコピーが必要です。 ☑ケガの場合は、負傷原因届が必要です。 ☑第三者によるケガの場合は、第三者行為による傷病届が必要です。(『協会けんぽ』に問い合わせが必要) ☑本人が亡くなられ相続人が請求する場合は、被保険者との続柄のわかる戸籍謄本等が必要です。 傷病手当の申請に詳しい会社であれば、総務の人に相談すれば手続きは進みます。しかし、会社によっては手続きをするのが初めての会社もあり、申請に時間がかかる場合があります。できるだけ、自分自身でも手続きを把握し、添付書類が必要なときは取り寄せるようにしましょう。

主治医に申請書の記入をしてもらう

4ページ目を主治医に記入してもらえば、「傷病手当支給申請書」は完成です。あとは添付書類が必要な方は、取り寄せた添付書類と一緒に、協会けんぽの窓口に持参するか郵送します。協会けんぽの窓口は各都道府県に一つずつあります。近ければ持参するのもよいでしょう。

傷病手当金の計算は標準報酬額がポイント

傷病手当金の計算は、標準報酬額が基準となります。4月・5月・6月の給与の平均金額が標準報酬額です。支払開始日が、8月1日〜8月31日以外は前年度の標準報酬額との加重平均値になります。 障害手当金は、業務上の病気やケガでなくても業務不能と会社・医師の両方が証明すれば、受け取ることができます。例えば、うつ病・職場環境が原因でないがん・休日中のケガに対しても受給できます。会社員にとって、休業することで収入が全くなくなることは、経済面で致命的ともいえます。傷病手当金が、実際にどのくらいの金額の保証があるかを把握しておくことで、収入面で自分自身や家族の不安も和らぐでしょう。 病気やケガのために、どうしても働くことが困難なときは、しっかりと療養して健康な状態で働くほうが健全な選択といえます。長期休業のときは、傷病手当金の制度と手続きを理解し使うことで、「収入がなくなる」と思い悩むことなく、コンディションを整えることを最優先にしましょう。

公認会計士・税理士 伊藤 温志

エクセライク保険株式会社 代表取締役。2018年MDRT会員取得。
会計事務所の経営を通じ1,000社を超える顧客の税務/会計/保険/資産運用の相談に対応。
通常の代理店ではみれない顧客情報を扱っていることから、豊富な引出しを有し多くのお客さまから支持を集めている。