両親が年をとるにつれ、気になってくるのが介護の問題。まだまだ大丈夫と思っていてもいつか来るかもしれないときのために、介護のレベルや、行政からどのようなサービスが受けることができるのかをしっかりと理解し、心の準備をしておきましょう。
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目次
要介護1と判断される状態
食事等の際部分的に介助が必要
要介護1の認定を受けている人のほとんどは、基本的には一人で自立して日常生活を送ることができます。しかし、食事や排せつなど、日常生活のなかにおいて重要なポイントで、部分的に介助が必要な状態にあると要介護1の認定を受けることになります。 例えば、椅子から立ちあがるときに人の手を借りないと立ちあがりにくい。排せつのとき人の手がないと便座に座ることができないなど。日常生活を送るうえで、一部分にのみ人の手が必要になってきますが、基本的には自分一人で生活できる状態が要介護1認定になります。 この基本的な生活に必要な所で補助が部分的に必要な間はまだ要介護1ですが、部分的ではなくなってくると認定のレベルも変わってきます。この要介護1の状態を維持するためにも、自分でできることは自分ですることが訓練になります。
歩行が不安定である
歩行が不安定だと要介護1認定を受けることになります。歩行は人間の生活にとって欠かすことのできない動作であり、それが少しであっても不安定であるということは要介護1を受けるに値するからです。 年齢を重ねると、歩行時に膝や腰などに痛みを伴う人が多くいます。立ちあがるときにスッと自力では立ちあがることができないなど、足腰に不安を抱えることが多くなります。そのような状態になってしまうと、転倒したらどうしよう、などと歩行への不安を感じるようになってしまいがちです。 お年寄りにとって外出の機会が減るということは、外部との接触の場が減ってしまい痴呆が進むなど、悪循環になってしまいがちです。 そのような状態を避けるためにも認定を受け、杖や歩行器など補助用具の使用、デイケアなどでの定期的な運動を問い入れることで現状を維持することができるのです。
問題行動を起こす場合がある
基本的には家族と同居している状態であれば、ときどき物忘れのようなものはあっても、話している内容はしっかり理解できている状態にあることが、要介護1認定を受けることになります。 しかし、家にいる場合というのは、基本的に日常的に習慣となっておこなわれていることのため、なかなか問題行動が起こりにくいのですが、外出時など普段とは違うケースに問題行動が起こりやすいのです。このように、ときどきではあるけれども問題行動を起こす場合も要介護1に認定されます。 同じことを繰り返す毎日というのもいいのですが、友達との会話など外部と接触することで、刺激となり認知症予防に繋がったりする可能性もあるため、物忘れ程度であるのであれば、家に引きこもるよりは外出し刺激を受けた生活のほうが好ましいでしょう。
要介護1の人が受けられるサービス
週3回の訪問介護
受けることができるサービスとして、1週間に3回の訪問介護のサービスがあります。身体のどこかに不安を感じるようになると、外出することが不安になったり、環境の変化についていけなくなってしまいがちです。このサービスのいいところは、介護される人が住み慣れた家でサービスを受けることができるということです。 家族と同居している人は、訪問介護のヘルパーが来てくれ、食事や入浴の手伝いをしてくれるため、家族の負担が少し減り楽になります。ヘルパーが来てくれている時間に、買い物に行ったり、気分転換に友達と会ったりと、介護される人を一人で家に置いていくことに不安を感じる場合は、時間を有効に活用できます。 一人暮らしをしている人にとっては高い所での作業、電球の交換など生活するなかで困ったことを解消してくれます。さらに、よき話し相手にもなってくれるため、日々の生活にメリハリを得ることができます。そのため、要介護1のレベルの生活をしっかり維持しながら、介護される人の不安の解消、介護する人の休養にもなります。
週1回の訪問看護
このサービスの内容は、週に1回その介護を受けている人の体の状態をチェックしてもらうというサービスです。歳をかさねると体になんらかの不具合がでてきますが、体温や脈、血圧などを図ってもらい体の機能を維持させることや、向上、改善を目的としたサービスです。 わざわざ、病院に行くほどのことでもない少しの不調や、体に関する気になることなどの話を看護師に聞いてもらうだけで安心の材料になります。同居している人も、介護している人が医療面でなにか不安や疑問に感じることを専門家に相談できるいい機会になります。 受けるサービスの内容は、その介護される人の症状によって変わってきますが、その人に応じた医療行為をおこなってくれます。
週2回のデイサービス
このサービスは日中、老人福祉施設や、老人ホームなどに通い食事や入浴など日常生活に必要なことを楽にできるように訓練をしてくれます。さらに、健康管理のために軽い運動の方法を教えてくれ、みんなで一緒に体操をしたり、レクリエーションなどをして日常にメリハリを与えてくれる楽しいイベントもおこなってくれます。 施設によっては送迎のサービスなどもありますので、家族もわざわざ送り迎えをしなくてもいいため負担が少なく済むサービスの一つです。また家族にとっても週に2回デイサービスに行くことが決まっていると、その間に外出して済ませなければいけない用事を終えることもできますし、お友達とゆっくりランチやお茶をしにも行くことができます。 介護があるとどうしても、家にこもりがちになりがちですが、そういうときこそサービスを利用して自分の時間を作り外に目を向けることも大切になってきます。 同じ年代の人たちと同じような不安を共有し、話をすることは、介護される人の不安の解消やストレス発散にもなりますので、できるだけデイサービスに通い日々の生活を楽しいものにしていきましょう。
3ヶ月に1週間程度の短期入所
1週間程度、老人ホームなどに短期入所することもできます。介護をする家族が「病気になってしまった」「旅行に行く」などというときに、家で一人では介護される側も不安になってしまいます。そういうときのために3ヶ月に1回、短期入所して日常生活を円滑に送るための訓練をおこなってくれます。 同居の場合など毎日一緒に生活し介護をしていると、どうしてもお互いに煮詰まってしまうタイミングがあるでしょう。それは介護される側も、介護する側にとっても精神的にいい状態ではありません。そんなとき、このような短期入所を利用することができれば、お互いに一呼吸置くことができるため、もめごとの回避にもなります。家族も一定期間ではありますが介護から解放されるため、精神的にもリセットできるいい機会になるでしょう。 介護する側の人のなかには、短期であっても預けるということに罪悪感を感じてしまう人もいるかもしれません。しかし、頑張りすぎることはこれから続く介護生活が長続きしません。お互いの精神衛生を保つためにも利用できるものは利用し、ほかの人に頼れる部分は頼りながら、お互いにリラックスした状態で介護生活が送れるようにすることがベストではないでしょうか。
杖などの福祉用具のレンタル
要介護1でも福祉用具のレンタルのサービスを受けることが可能です。もちろん、要介護度が高いほど受けれるサービスは充実します。 要介護1でレンタルできる福祉用具は手すりの設置、スロープの設置、歩行器、歩行を補助するための杖です。ただし、手すりやスロープなどは簡単に設置できるものに限り、設置のために大掛かりな工事などが必要になってくるものは補助の対象外になりますので気を付けましょう。 市町村などの補助を受けながら、今の生活状態の維持と、不安のない生活環境を作ることが介護する家族にとっても大切なことになってきますので、じょうずにレンタルサービスなど活用していきましょう。
要支援2と要介護1の違い
自立度が2以上であれば要介護1
介護認定を受けるにあたって基本とされるポイントは、その認定を受ける人の自立度がどれくらいあるかということです。どのようなことは一人でできて、どのようなことに人の助けを得ながら生活をしなければいけないか、それをチェックするのが自立度判定です。 項目としては、麻痺の有無、起きあがり、立ちあがり、歩行などをチェックする身体機能項目。食事、排せつ、歯磨きなどの生活機能項目。場所を理解しているか、意思の伝達は可能かどうかなどの認知機能項目。感情が安定しているか、大声をだすことなどがないかなどの精神、行動障害項目。薬の服用、買い物、金銭の管理などの社会生活項目。 そのほかにもいくつか項目があり、これらの項目を自分一人で把握視行動できるのか、一部介助が必要なのか、すべて介助が必要なのかなど、どのレベルかをチェックし自立度を決定します。
状態が安定していなければ要介護1
要支援2と要介護1の大きな違いは、介護される人の状態が不安定だというところにあります。 要支援2の認定を受けた人は、動作能力の低下はみられる。そして、そのために実際の生活のなかでなんらかの手助けは必要ではある。しかし、その手助けがあれば今の現状を維持することもしくは、デイサービスや訪問介護の際の訓練を受けることで、改善の可能性がある場合に要支援2の認定を受けます。 一方、要介護1を受けた人は歩行や移動に介助が必要であったり、ときどき痴呆の症状が出始めているなど改善がなかなか難しくなってくる場合に要介護1の認定を受けます。 初年度その認定は半年間有効で、半年後再度認定を受けそこからは1年ごとに更新するという形になります。
要介護1でレンタルできる福祉用具
歩行を補助する歩行器
自力歩行ができることが大前提です。ただしその歩行に不安がある、膝に痛みがあるなどという場合に体を支えるはたらきをしてくれるのが、この歩行器になります。 歩行器には車輪がついているものや、自分の力で歩行器を移動させながら進んでいくタイプのものがあります。足腰に不安を抱えながら日常生活するということは、年配の人にとってはいろいろな動作が億劫になりがちです。歩くということは、日常生活のなかでできる足腰を鍛えるトレーニングにもなっているため、歩くということに不安を感じない状況を作ることが大切になってきます。 歩くという動作は、日常生活のなかで基本的な動作であり、欠かすことのできない動作になりますので、歩行器を使ってでも足を動かし、筋力と日常生活を維持するためにも訓練は必要になります。
立ちあがりを補助する手すり
年齢をかさね足などの筋力が次第に衰えてくると、立ちあがるときに手すりなど無しでは困難になってきます。そういうときに補助する手すりが必要になってきます。お手洗いで便座に座ったとき、自室の椅子に座っているとき、浴室でバスタブからでるときなど、自分の体を支えてくれる手すりがあると立ちあがりがとても楽になります。 そのほか、脱衣所で服を着替えるときなどにも、つかまる手すりや体を支える椅子があると、ズボンなどを履くときに楽になります。自室からお手洗いへ行くときなど生活範囲内に手すりをつけておくと、足腰が弱って歩くことが不安になってきている年配の人も、いざというときにつかまることができ移動することへの安心材料にもなりますので、設置することを検討してみてください。
階段での転倒防止のスロープ
足の筋力が衰えてくると、足が思うようにあがらずほんの少しの段差につまづきやすくなります。最近では家でも段差をなくすなど、どんどんバリアフリー化が進んできています。しかし、若い人ではつまずかないようなドアのほんの2cmほどの段差や、段差などがなくても足があがりにくくなってしまい、つまづくなどということにも気を配らないといけないのが現実です。 さらに、歩行補助のための歩行器などを使っている人が、スムーズに段差を移動できるようにするためにもスロープの設置が必要になります。 万が一、つまづいて転倒してしまい、頭を打ったり手や足を骨折するなど大けがに繋がると、そのあとの介護が本当に大変なものになってしまいます。現在の状態の維持をするために歩きやすい環境を整えると同時に、これ以上介護レベルがあがるような怪我を未然に防ぐための環境を整えることもとても大切なことです。
要介護1を理解し適切な介助を受ける
家族のなかに介護をしなければいけない人がでてくるというのは、どこの家庭にでも起こりうることです。そして、介護される側、介護する側にとってもストレスがかかる大変なことです。いかに、お互いにとって精神的に不安なことがない環境を整え、今の介護レベルを維持するかということが大切なポイントとなってきます。 そのために、まず家族で介護について話し合い、介護する側、介護される側が共通の認識を持って理解すること。そして、自分たちが受けることができるサービスはなにか、どれを利用しどれを利用しないのかを決定することが大切になります。現在ではたくさんのサービスや施設がありますので、どの施設で介護サービスを受けるのかということも介護される側にとっては大事なことになります。 家族だからこそお互いに迷惑をかけてしまっていることに対する申し訳なさや、家族だからこそ今までできていたことが、どんどんできなくなっていくことに対する不安や苛立ちなどという感情がお互いに起こってきます。精神的につらい思いをしがちな介護ですので、外部のサポートに頼る部分は頼りましょう。お互いに精神的にも安全面でもいい環境で介護できることが、長く続く介護を上手に続けるポイントでしょう。
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