小規模企業共済は、中小企業の経営者や役員、個人事業主の退職金や公的年金の上乗せ年金のように利用することが出来るものですが、その掛金は全額控除対象となりますから節税にも役立てることができます。他の共済制度などと合わせて上手に利用しましょう。
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目次
小規模企業共済の概要
加入できるのは個人事業主
小規模企業共済は、別名、事業主の退職金とも呼ばれる共済です。加入資格があるのは、個人事業主、小規模企業の役員となっており、現役を退任したり65歳を迎えた時に請求を行うことで、退職金のようなかたちでまとまったお金が支給される制度となっています。個人事業主や小規模企業の役員の場合には、退職となった場合でもなかなか退職金を準備することが難しくなることが多いため、それぞれで積み立てるための制度です。 小規模企業共済は、会社などで掛けることができず、個人で掛けるものとなりますから、個人の口座から引き落とすことになります。掛金は月額1000円〜7万円の間で1000円刻みで選択することができます。この掛金は従業員の退職金共済のように会社の損金や経費として計上することが出来るものではありません。あくまでも個人で掛けることになります。
公的年金に上乗せし老後に備える
小規模企業共済は、個人事業主や小規模企業の役員が退職金代わりとして活用することが出来る共済制度となっており、毎月積み立てを行って、事業から退いた際に請求を出し支給してもらうものとなります。一括で支給してもらうこともできれば、分割で支給してもらうこともできます。そのため、退職金として一括で受け取ることもでき、分割で支払ってもらって年金の上乗せのような感覚で活用することもできます。
個人型確定拠出年金との違い
小規模企業共済は、国が作った中小企業の経営者のための退職金制度といったものとなっています。これと似たようなものにiDeCo、個人型確定拠出年金があります。小規模企業共済が経営者や会社役員を対象としているのに対して個人型確定拠出年金は、会社役員などではなく、だれもが加入することができる公的年金の上乗せ年金制度となっています。小規模企業共済と比較すると、対象が全く違ったものとなります。 まずは、掛金の違いがあります。小規模企業共済では1000円〜7万円までの掛金から選択することができますが、個人型確定拠出年金は、5000円〜6万8000円までとなっており、小規模企業共済の方が少し多く掛金の選択の幅があります。どちらも、全額所得控除を受けることができます。これは、併用した場合であっても両方の掛金額を所得控除することができます。また、大きな違いとして、途中解約の有無があります。個人型確定拠出年金は途中解約を行うことが難しいのですが、小規模企業共済は途中解約を行うことができます。 利率で検討すると個人型確定拠出年金の方が多少高くなっていますが、これに関しては、その時々の経済情勢によって、違ってくることも考えられます。経営者や役員が加入することが出来る小規模企業共済の場合には契約者貸付制度があり、積み立ててある範囲内から利子を受けることができるため、経営者にとってはこちらもメリットとなります。
小規模企業共済等掛金控除の申請方法
個人事業主の場合
個人事業主が小規模企業共済掛金控除を受ける場合には、確定申告を行う場合に、申請を行うことになります。確定申告書を見てみると小規模企業共済掛金控除の欄があり、この欄に1年分の掛け金を記入し控除を受けることになります。小規模企業共済の掛け金は全額控除対象となりますから、間違えないように記載しましょう。小規模企業共済等掛金控除欄は、ほかにも確定拠出年金法で規定されている企業型年金加入者掛金や個人年金加入者掛金、国民年金基金連合会に支払う国民年金基金なども対象となってきます。 申請を行う際には、掛金の証明書の添付が必要となります。証明書がない場合には、支払いを行ったことを証明することができないため控除を受けることができません。証明書を紛失してしまったりしないように注意しましょう。証明書は、毎年9月以降ぐらいに送られてきますから、大切に保管しておく必要があります。
給与所得者の場合
給与所得者の場合には、年末に行われる年末調整で控除を行えば確定申告を行う必要はありません。この場合でも証明書は必要となります。確定申告は、年末調整を行わなかった場合にのみ行うことになります。年末調整で控除を行う場合には、事業所で行うことになりますから、自分で記載する必要はありません。証明書を事業所へ提出し、年末調整を行ってもらいましょう。仮に、年末調整で控除申請を漏らしてしまったような場合には、確定申告で申請を行うこともできます。
小規模企業共済と確定拠出年金
小規模企業共済のメリットとデメリット
小規模企業共済は、中小企業の経営者や役員、個人事業主などの退職金的な役割を果たしてくれるものとして人気がありますが、メリットもあればデメリットもあります。メリットとしては、他の年金制度などにはない貸付制度があるため、経営者にとっては、事業資金などを準備するのに役立てることもできます。また、中途解約を行うことが出来るのもメリットの1つとなります。途中で掛金の負担が大きく感じるようになった場合には途中解約を行うこともできますから、苦しい中無理をして積み立てを行う必要がありません。 デメリットとしては、まずは中途解約した際に元本割れになる可能性があることがあげられます。元本割れを防ぐために、毎月の掛金を減らしたいといっても小規模企業共済の場合には減額は行うことができません。増額に関してはいつでも行うことができますが、減額はできませんから最初に掛金を決める時や、増額を行う場合には、十分に検討する必要があります。一度増額するとその後減額することが難しいため、経済状態が悪くなっても高い掛金を支払い続けなければならなくなる可能性もあります。
確定拠出年金のメリットとデメリット
確定拠出年金は、小規模企業共済と似たようなものとなりますが、小規模企業共済とは違い、だれもが加入できるものとなっています。これまでも加入対象者は広くなっていましたが、2017年1月より加入対象者がさらに拡大し、基本的には60歳未満の公的年金制度に加入しているすべての人が加入することができるようになりました。 確定拠出年金は、運用先を自分で選択して掛金を出すため、それぞれの希望で運用先を選ぶことができます。給付となった際には掛金にプラスして運用益が支給となります。自分で比較して運用先を選択することが出来ることもメリットですが、それだけでなく、毎月の掛金を減らしやすいというのもメリットのひとつとなります。経済状態に応じて掛金を減額することができますから、少しの掛金になっても続けることができます。 デメリット面では、60歳まで解約や引き出しを行うことが出来ないという点があります。途中解約を行うことができませんから、60歳までは掛金の減額を行っても続ける必要があります。確定拠出年金は、途中解約をお行うことが出来ないことも考えると早い時期から少額でも加入して長くかける方がメリットも大きくなる可能性があります。ただし、運用先はそれぞれが選択することになりますから、そこでどの程度の運用益を得ることが出来るのかも検討する必要があります。
小規模企業共済等掛金控除の概要
控除の対象になる掛金
小規模企業共済の掛金は、全額控除対象となることから節税を考えて加入することも多くなっています。ただし、小規模企業共済だけでなくほかにも控除対象となるものがありますから、これから加入を考えている場合には、ほかのものも検討してみるのもよいでしょう。 小規模企業共済等掛金控除の対象となるのは、小規模企業共済だけでなく、個人型確定拠出年金や心身障害者扶養共済も対象となってきます。これらは、併用して加入している場合であってもそのすべての掛金が対象となりますから漏れのないようにしましょう。また、旧第二種共済契約に関しては、小規模企業共済ではなく、生命保険料控除の対象となります。
小規模企業共済の所得税からの控除額
小規模企業共済の掛け金は1000円〜7万円までとなっています。所得から控除を行うことが出来る対象の掛金は、上限が月7万円、下限は月1000円となりますから、掛金と同じということになります。1年間で納めた掛金のすべてを所得税から控除することができます。 月額の掛金ではなく、納付した掛金となりますから、途中で増額した場合には、増額した分に関しても控除の対象となります。また、年度途中で請求を行った場合には、請求までに納めた掛金が対象となります。月額掛金が多ければそれだけ控除額も大きくなりますが、節税だけを考えて掛金を増やしてしまうと経済的に苦しくなってしまうことも考えられます。所得に見合った掛金を支払うようにしましょう。
個人型確定拠出年金の所得税からの控除額
個人型確定拠出年金も所得税から控除することができますが、その額は、上限が月6万8000円、下限が月5000円となっています。個人型確定拠出年金の掛金は月額1000円〜6万8000円となりますから掛金はすべて控除できるということになります。 ただし、実際に控除申請を行う際には、証明書が必要となります。9月過ぎあたりに送られてくる証明書をきちんと保管するようにしましょう。証明書がない場合には、掛金の支払を確認することが出来ませんから、控除を行うことができません。再発行なども行ってもらうことはできますが、時間がかかることも十分に考えられるため、紛失などしないようにしましょう。また、年末調整や確定申告の時期が近づいてきたら確認しておくことも大切です。
配偶者の掛金は控除できない
年末調整や確定申告で生命保険料控除の申請を行う際には、配偶者や家族の分も自分で掛金の支払いを行っている場合も、控除の対象となります。しかし小規模企業共済等控除では、同じようにはいきません。小規模企業共済等控除では、配偶者などの掛金の控除を行うことができません。小規模企業共済は、基本的に加入する本人の口座から掛金を引き落とすことになりますから、掛金もその本人が支払うことになります。小規模企業共済では、あくまでも自分の掛金のみ控除対象となります。 小規模企業共済自体は、配偶者であっても条件を満たせば加入することが出来ます。その際には、加入する本人の口座から掛金を支払うことになります。配偶者の所得控除の申請の方で利用することになります。
控除内容と仕組みを知って上手に利用しよう
小規模企業共済は、中小企業の経営者や役員、個人事業主の退職金のような役目を果たしてくれる制度となっています。退職金としてだけでなく、公的年金の上乗せ年金としても利用することが出来る便利なものとなっています。さらには、掛金が全て控除対象となるため、節税面でもメリットの大きなものとなっています。 こういった上乗せ年金のようなものは他にもありますから、控除内容がどのようになっているのか、また、その他の条件などはどのようになっているのかなどをきちんと理解し、上手に組み合わせてみるとよりメリットの大きなものにすることができます。 制度を理解する際には、メリットだけでなくデメリットもきちんと理解することが大切です。デメリットを理解することで、どのようなものがそれぞれにとってよりメリットの大きなものとなるのかもわかりやすくなります。また、メリットが大きいからといって、最初から大きな掛金を考えてしまうのではなく、様子を見ながら増額していくなど、計画的に利用していくことも大切です。 いずれにしても中小企業では、経営者や役員に退職金を準備することが大変なことも多く、退職後の生活の不安もあります。こういった制度を上手に利用して、今後に備えていきましょう。
エクセライク保険株式会社 代表取締役。2018年MDRT会員取得。
会計事務所の経営を通じ1,000社を超える顧客の税務/会計/保険/資産運用の相談に対応。
通常の代理店ではみれない顧客情報を扱っていることから、豊富な引出しを有し多くのお客さまから支持を集めている。