ケガや病気で働けないときに、健康保険から支給される傷病手当金。 傷病手当金をもらうときに、必要な手続きを知ることが大切です。 傷病手当金には税金がかからないので、年末調整か確定申告をすることによって、税金の還付が期待できます。
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目次
傷病手当金の受給条件
被保険者が怪我や病気で働くことができない
働いている人が、業務中にケガをしたり病気になったりして働けなくなり、会社を休んでいる期間は、給料が支給されません。 そのために失われる賃金によって、生活が困窮するリスクを避けるための制度があります。 ケガや病気が業務中であれば労災として扱われ、働くことができないと診断されると、労災保険から休業補償として、平均賃金の80%が支給されます。 このケガや病気が業務外でのものであった場合は、労災保険では補償されません。 その場合は、健康保険から支給される制度があります。 この健康保険の被保険者が、業務外のケガや病気で休業した場合に、支給されるお金のことを傷病手当金といいます。 ケガや病気の中には、うつ病などの精神疾患も含まれ、傷病手当金からは標準報酬日額の2/3が支給されます。 支給される期間は、最長1年6ヶ月です。 このときの標準報酬日額は、傷病手当金の支給が開始される日より前の12ヶ月間の各月の標準報酬月額を合計して、12で割った額のことです。 支給が開始される日より前の期間が12ヶ月ないときは、支給開始日が含まれる月から前の各月の標準報酬月額を平均した額か、28万円よりも低い金額が採用されます。
仕事を3日間休んだ待機期間がある
傷病手当金が支給されるのは、業務外でケガや病気になり働くことができない状態になってから、連続3日間が経過して4日目以降からです。 この3日間の待機期間は、必ず連続する必要があります。 3日間は、有給休暇を含む3日間でもかまいません。さらに、土日や祝日を含んでも、連続3日間となるのです。 3日連続したあとに、1日だけ出勤してから休みはじめても、それが4日目となり、傷病手当金はこの4日目以降が支給対象となります。
傷病手当金よりも多い給与をもらっていない
通常は、ケガや病気で会社を休むと給料は支払われませんが、まれに休業しても給料を支払ってくれる会社があるかもしれません。 その給料の額が、通常の勤務時の給料と同等であれば、傷病手当金は支給されません。 また、通常の勤務時の給料よりも低い額であっても、傷病手当金の額よりも大きければ支給されません。 傷病手当金よりも低い額であれば、その差額が支給されます。
退職後就労可能になっていない
傷病手当金が支給されているときに退職し、その後も就労が可能になっていないケースでは、引き続き傷病手当金が支給されます。 ただし、退職した時点で1年以上、健康保険に加入していたことが必要です。 傷病手当金が支給されている間は、失業保険が受けられません。 傷病手当金の受給期間である、1年6ヶ月が経過したあとで働ける状態になり、求職活動を始めた場合は受給できます。 ただし、退職してから1年以内です。さらに病気療養を続けるのであれば、受給期間の延長が可能で、延長できるのは最長3年間です。
確定申告の傷病手当金の扱い方
非課税で所得税は課されない
傷病手当金は、所得税や住民税の課税の対象ではなく、非課税となっています。 たとえ100万円を超える高額な支給があっても、非課税なのです。 一部の企業では、傷病手当金とは別に付加給付金が支給されることがありますが、この付加給付金も非課税です。 いずれにしても非課税なので、通常は確定申告の必要はありません。 確定申告の義務はありませんが、収入にカウントされない分、全体の所得が下がるので税金も下がります。 税金が下がると、給与の源泉徴収で多く引かれている分の所得税から、還付が受けられる可能性が高くなるのです。 このようなときは、確定申告をしたほうがよいでしょう。 傷病手当金を受給中に退職していなければ、年末調整の対象になります。 その場合は確定申告をしなくても、源泉徴収で払いすぎた分の税金の還付が受けられます。
医療費から差し引く保険金等に該当しない
療養中の通院はもちろん、入院することもあって、多額の医療費がかかることがあります。 そんなときに、税金から医療費の一部が控除されることを、医療費控除といいます。 支払った1年間の医療費の合計から、10万円か所得が20万円よりも低いときは、所得の5%を引き、さらに保険金などの補填される額を引きます。 その金額が医療費控除の金額となり、最高200万円まで控除されます。 傷病手当金は、この医療費から差し引く保険金などには該当しません。 もし該当すれば、年間の傷病手当金が200万円以上になった場合、医療費控除は全くないことになります。 高額な医療費がかかった場合、税制上非常に有利なので、このことはしっかり頭に入れておきましょう。
傷病手当金に必要な書類
ダウンロード可能な傷病手当金支給申請書
傷病手当金を申請するときに、「傷病手当金支給申請書」という書類を出さなければなりません。 これは、全国健康保険協会(協会けんぽ)での書類の名前で、ほかの健保組合では「傷病手当金請求書」ということもあります。 全国健康保険協会(協会けんぽ)のホームページでは、申請書がPDF形式でダウンロードできます。 ダウンロードできるファイルの中には、手書き用と入力用があります。また、記入例のPDFもダウンロードできますので、しっかり活用しましょう。 ほかの健保組合でも、ほとんどの場合ダウンロードできるようになっています。 ダウンロードは、PDFファイルやワード形式でできるものもあります。それぞれの健保組合で少しずつ違いはありますが、基本的には同じ内容です。 ホームページなどで、確認しておくとよいでしょう。
職場の事業主の証明
傷病手当金支給申請書が入手できたら、申請書の被保険者記入欄に記入します。 保険証の記号と番号、氏名と印鑑、住所、生年月日、振込先の口座番号と療養のために休んだ期間(申請期間)などを記入します。 確認事項も忘れずに記入しましょう。 申請書を会社に郵送するか持参し、会社のほうで事業主の証明の記入欄に記入してもらいます。 記入してもらったら、協会けんぽの加入事業所であれば、全国健康保険協会(協会けんぽ)に提出します。 事業主の証明の欄の記入は、退職後は不要です。
診断した医師の意見書
申請書を通院している病院に持っていき、療養担当者の意見書の記入欄を主治医に記入してもらいます。 この意見書の記入に不備があると、提出先の全国健康保険協会(協会けんぽ)や健保組合で、受け付けてもらえないことがあります。 病院で記入してもらったあとに、記入事項を確認し不備がある場合は、その場で修正してもらうとよいでしょう。 もし不備があれば再提出となります。その場合は、申請書に記入してもらうためだけに再度病院に行くことになり、注意が必要です。 全ての欄の記入が終わったら、全国健康保険協会(協会けんぽ)に申請書を送ります。 全国健康保険協会(協会けんぽ)や健保組合に提出した書類が届くと、間違いがないか確認され、問題がなければ支給が決定されます。 後に決められた支給日に、支給されることになります。 健保組合によっては、全国健康保険協会(協会けんぽ)の申請の手順と少しだけ違うことがあります。 ある健保組合では、まず被保険者欄に記入し、次に医師の意見書欄に記入してもらいます。 次にその申請書を所属する事業所に送ると、事業所記入欄に記入がされて、そのまま健保組合に送られて手続きが完了。 いずれにしても記入する内容についてはほとんど同じです。 申請して早ければ、1ヶ月程度で傷病手当金が支給されることがあります。 支給されるまでの日数には、全国健康保険協会(協会けんぽ)、各健保組合によってバラツキがあります。 また、提出の締め日などがあり、提出のタイミングが悪いとさらに遅くなります。遅い場合は、支給までに3ヶ月程度かかることもあります。
確定申告と傷病手当金の関係を理解しよう
支給された傷病手当金には、所得税や住民税などの税金がかかりません。 収入にもカウントされない分、全体の収入は昨年度よりも下がっているでしょう。 このようなときに確定申告をすることによって、税金が還付される可能性が高くなります。 ただし、会社を退職していなければ年末調整で処理されるので、確定申告の必要はないでしょう。 療養によって傷病手当金が支給されても、金額は通常の賃金と同等の金額がもらえるわけではありません。 経済的なダメージも少なからずあり、しかも手当金が支給されるまでの間は、無給で過ごすことになります。 よって、たとえわずかであっても、税金を還付してもらいましょう。
エクセライク保険株式会社 代表取締役。2018年MDRT会員取得。
会計事務所の経営を通じ1,000社を超える顧客の税務/会計/保険/資産運用の相談に対応。
通常の代理店ではみれない顧客情報を扱っていることから、豊富な引出しを有し多くのお客さまから支持を集めている。