「介護医療保険料控除」の概要。控除額や計算方法、適用条件とは?

介護医療保険料控除について、基礎知識をご存じでしょうか。保険の契約時期によって、所得税や住民税の控除額や適用条件が大きく変わります。旧契約と新契約それぞれの概要や計算方法を理解し、最大限の控除額を利用し、節税につなげていきましょう。

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介護医療保険料控除の概要

介護医療保険料控除は生命保険料控除の一部

介護医療保険とは、民間の保険会社が取り扱う介護に備える保険です。入院や通院などの医療費に関する保険金が支払われる保険契約が控除の対象になっています。 介護医療保険料控除は、生命保険料控除の一部です。平成22年の税制改革により、生命保険料控除に新たに加わったものです。旧契約のときには、生命保険料控除と国民年金保険料控除のみ扱われていたといわれています。現在では、新契約となり、介護医療保険料控除が加わり、3つの制度が適用されています。 しかし、旧契約は、廃止になったわけではなく、条件によって旧契約か新契約の両方が適用されている状態です。そのため、現在は、5種類の保険が混在している形になっています。また、旧契約と新契約では、同じ所得税や住民税の控除額に違いがあります。

控除対象の保険

介護医療保険料控除の対象となる保険は、平成24年1月1日以降の契約です。介護医療保険控除の対象は、おもに2つあります。1つ目は、医療費に対して保険金が支払われる契約です。生命保険会社や損害保険会社等と締結した契約のうち、医療費に対して保険金が支払われるものが対象となります。2つ目は、簡易生命保険のうち、疾病や身体の障害等に対して保険金が支払われる契約です。この契約は、医療費のみ対象と定められています。 また、控除の対象となる保険は、医療保険やがん保険、医療費用保険、介護保障保険、介護費用保険などがあります。これらの保険は、介護医療保険料控除に含まれています。平成24年1月1日以降に契約した入院や通院などの給付部分に対して、主契約保険料や特約保険料が控除の対象として適用されます。

控除対象にならない場合

介護医療保険料控除の対象とならないものは、保険契約から5年未満の契約や、貯蓄保険などの契約のものになります。そのほか、外国の生命保険会社や損害保険会社などと国外で締結した場合や、信用保険契約、傷害保険契約、財形住宅貯蓄契約なども含まれません。 また、医療費に関する介護保険の居宅サービスなども控除の対象外です。訪問介護や地域支援事業のサービス等、有料の老人ホーム、生活援助中心の訪問介護の部分などがあげられます。 これら以外にも、控除対象にならない場合がたくさんあります。介護医療保険料の控除対象の確認は、保険会社から送付される書類で確認することができます。書類は、「生命保険料控除証明書」です。介護医療保険料だけではなく、生命保険料や国民年金保険料の詳細まで記載されています。

介護医療保険料控除額の計算方法

旧契約のみの場合

介護医療保険の旧契約とは、平成23年12月31日以前の契約です。旧契約の保険契約は、生命保険料控除に含まれ、生命保険や個人年金保険ともに上限が5万円と適用されています。適用される制度が旧契約か新契約かによって、所得税や住民税の控除額が異なります。控除額は、所得税や住民税どちらも年間の支払保険料額によって控除額に違いがあります。

所得税の控除額

年間支払保険料額が25000円以下の場合、控除額は全額になります。次に、25000円超の50000円以下の場合、控除額は「(年間支払保険料×1/2)+12500円」、50000円超の100000円以下の場合は、「(年間支払保険料×1/4)+25000円」という計算式になります。最後に、年間支払保険料額が100000円を超える場合は、一律5000円の控除額になります。所得税の合計適用限度額は、生命保険や個人年金保険ともに10万円です。

住民税の控除額

年間支払保険料額が15000円以下の場合の控除額は、全額になります。15000円超の40000円以下の場合の控除額は「(年間支払保険料×1/2)+7500円」、40000円超の70000円以下の場合は、「(年間支払保険料×1/4)+17500円」です。年間支払保険料が70000円を超える場合は、一律35000円になります。住民税の合計適用限度額は、ともに7万円です。

新契約のみの場合

介護医療保険料の新契約は、平成24年1月1日以降の契約が適用されます。控除対象の保険は、生命保険や個人年金保険、介護医療保険の3種類です。それぞれの上限は、4万円と定められています。旧契約同様に、新契約の場合も所得税や住民税の控除額が異なります。

所得税の控除額

年間支払保険料が20000円以下の場合の控除額は、全額適用されます。20000円超の40000円以下の控除額は、「(年間支払保険料×1/2)+10000円」、40000円超の80000円以下の控除額は、「(年間支払保険料×1/4)+20000円」という計算方法が使用されます。80000円を超える場合の控除額は、一律4万円です。所得税の合計適用限度額は、12万円になります。

住民税の控除額

年間支払保険料が12000円以下の控除額は、全額です。次に、12000円超の32000円以下の控除額は、「(年間支払保険料×1/2)+6000円」、32000円超の56000円以下の控除額は、「(年間支払保険料×1/4)+14000円」です。最後に、56000円を超える場合は、一律28000円です。住民税の合計適用限度額は、7万円が適用されます。

旧契約と新契約の両方がある場合

旧契約と新契約の両方の契約があった場合、両方の支払保険料について生命保険料控除や個人年金保険料控除の適用を受ける際には、主に3つの選び方があるため、新旧比較して有利な方を選ぶことができます。 1つ目は、新契約の生命保険料控除を適用することです。2つ目は、旧契約の生命保険料控除を適用することです。そして3つ目は、新契約と旧契約の両方を適用することができます。両方を適用する場合は、新契約と旧契約の合計額を上限4万円までとして申告することができます。

介護医療保険料控除のポイント

生命保険料控除の最大控除額は決まっている

介護保険料控除の金額は、新契約の場合、3種類の保険の控除額を合算したもの、旧契約の場合は、2種類の保険の控除額を合算したものとなっています。新契約では、3種類の保険を受けた場合の最大控除額は、所得税が12万円、住民税が7万円になります。旧契約では、2種類の保険を受けた場合の最大控除額は、所得税が10万円、住民税が7万円です。そのため、新契約と旧契約が混在する場合は、どのように適用させるかにより、控除の金額が大きく変わることがあります。

家族名義の保険でも控除が受けられる

生命保険料控除は、介護医療保険料も控除の対象に含まれています。そのため、支払者であれば契約者でなくても控除が適用されます。保険料を支払っている本人や、その家族が保険金の受取人であれば、控除の対象として認められています。 また、本人またはその親族(6親等以内の血族と3親等以内の婚族)であれば、控除の対象となります。控除対象は、契約者よりも誰が保険料を支払っているかが重要です。例えば、契約者が妻で保険料の支払いが夫の場合、妻に収入があったとしても、保険料を支払っているのは夫です。この場合、介護医療保険料控除が適用されるのは夫になるというわけです。つまり、契約者と支払者が異なる場合は、支払者が保険料の控除を受けるという形になります。

控除を申請する方法

生命保険料控除は、介護医療保険料に契約していれば、自動的に適用されるわけではありません。控除は、自分自身で手続きをしなければいけません。そのため、介護医療保険料控除は、申請に必要なものを自分で準備しなければいけません。また、控除申請には、会社員やパートなどの場合と自営業者では異なります。会社員やパートなどは、会社側の年末調整で処理をします。一方、自営業者は、確定申告のときに一緒に申請する必要があります。 保険に加入している場合、介護医療保険料控除の対象になるかどうかは、保険会社から送られてくる書類で確認をすることができます。書類とは、「介護医療保険料控除証明書」です。証明書は、「一般用」や「介護医療用」、「個人年金用」があります。 控除を申請する場合には、介護医療保険料控除証明書の添付が必要になります。介護医療保険料控除証明書は、年末調整や確定申告のときに「確定申告書」に添付することが決められています。添付をしない場合は、控除申請するときに提示する必要があります。そのため、介護医療保険料控除証明書は無くすことがないようにきちんと保管することが大切です。

介護医療保険料控除の書類の書き方

確定申告は、会社側から配られる給与所得の「源泉徴収票」の内容をもとに確定申告書類に記入していかなければいけません。確定申告書類とは、「確定申告書A」の書類を指しています。確定申告書Aは、第1表と第2表があります。 第1表の書類には、給与収入金額や所得金額、所得から差し引かれる金額などを記入するものです。第2表の書類には、所得の内訳や生命保険料控除額、配偶者控除などを記入します。とくに、第2表の14番は、生命保険料控除の合計額を計算し、記入する重要な部分です。年末調整で行える介護医療保険料控除は、保険契約の内容によって控除金額も変わるため、よく確認をしながら書類に記入をしましょう。

適用条件を確認して最大限控除を利用しよう

介護医療保険料控除は、加入時期よって、新契約と旧契約が存在します。旧契約は、平成23年12月31日以前のものであり、新契約は、平成24年1月1日以降のものを指します。それぞれ、適用条件により、所得税や住民税の控除額が異なるため、保険会社から送られてくる控除証明書で確認することが大切です。 生命保険料控除を受けて、所得税や住民税を最大限安くできるようにしましょう。生命保険料控除の申請は、会社員の場合は年末調整、自営業の場合は確定申告となります。生命保険は、介護医療保険や国民年金保険が含まれています。 生命保険に加入している場合は、控除の申請をしなければ損にあたります。生命保険料控除は、所得控除のひとつのため、介護医療保険に加入し備えることで税負担が軽くなります。そのため、介護医療保険料控除について概要を知り、申告を忘れないようにすることが大切です。