老後の貯金をためる方法。必要な額を知り、老後にむけて備えよう

将来を考えたときに、いくら貯金があれば安心して老後を過ごせるのか心配になるものです。大切なのは必要な額を知り、それを目標に着々と貯金をすること。貯金がいくらあれば安心できるのか、またその額を貯めるためになにができるのかをみていきましょう。

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老後の貯金はいくら必要なのか

独身の場合は2000万円

生涯独身で終える人は、これからますます増える傾向にあります。近々男性なら3人に1人、女性なら4人に1人が独身になるともいわれています。そのような中、心配になるのが老後の貯金です。 独身でいることのデメリットは、いざなにかあったときに近くで支えてくれる人がいない可能性があること。また、既婚者と異なり自分の欲求の歯止めがききにくく、欲しいものを買ってしまうなど貯金を貯めにくい傾向もあります。 では、安心して老後を暮らすためにおひとり様はいくらあればよいのでしょうか。寿命が長い女性で考えた場合、一ヶ月あたりの生活費を約15万円、88歳まで生きたとして老後に約5,000万円が必要です。 そのような金額貯められない、と驚く人も多いでしょう。しかし厚生年金が支給される場合、その5,000万円のうちの約3,000万円が年金でまかなえます。そう考えると単身者が安心して暮らせる老後のためには、60歳までに2,000万円が目安ですね。 独身の場合、貯金をしにくい傾向があります。老後のことを考え始めたその日から、計画を立てて貯金を始めてください。

夫婦の場合は5000万円

夫婦世帯の場合、老後の資金はいくらくらいが必要となるのでしょうか。既婚者の場合は、さまざまな家庭の状況が考えられます。住宅ローンが残っていたり、賃貸のマンションで生活している場合や、娯楽や旅行にお金をかけたい場合などです。 また医療費や介護費用もその状況で変わってきます。そのためおおよそになりますが、夫婦世帯が毎月かかる出費は25万円〜35万円程度です。 他に車の車検代や固定資産税、家のリフォーム代、お年玉など孫や子どもにかかる費用、介護サービスの初期費用や医療費などを加えると、ゆとりのある老後を考えるなら年にかかる必要経費300万〜400万円にプラスして、特別出費分が100万円程度必要となります。 ゆとりのある老後を目指すなら、夫婦2人が年に出費する費用は500万円程度と見積もっておくとよいでしょう。夫の退職が65歳、残りの20年が老後として考えたときに夫婦2人の余裕のある老後を考えると、1億ほどになってしまいます。 しかし実際は年金収入として厚生年金なら毎月14万7000円、国民年金の場合は5万5000円程度入り、退職金などももらえるとすれば、必要な老後の貯金はおおよそ5,000万円くらいだと考えられます。

老後の貯金はいつからすべきか

結婚を機に貯金をする人が多い

老後の貯金を開始するきっかけとなるのは、結婚が多いようです。独身時代の生活スタイルを、結婚することにより見直し、将来どうしていくかを夫婦で話し合う機会ができるからでしょう。 また別々だった財布を1つにすることで、家計簿をつけ始めるなど情報の共有化が必要となります。そうするとお金の支出や収入の流れがよく見えてきて、節約するべきポイントや、いくらくらい毎月貯金できているかが可視化されます。 子どもの存在も大きいでしょう。子どもがいれば、生活費も上がるし学費も貯めなければなりません。稼いだ分だけ使ってしまうような生活では成り立たなくなるのです。そのようにお金のこと、貯金のことを結婚を機に考え始めると、老後の心配に結びつきます。 夫婦で5,000万円貯めるとなると、専業主婦ではやっていけないと気づき、共稼ぎの道を選択する夫婦も多数います。収入の一部を毎月しっかりと貯金する。その習慣は早ければ早いほどよいのです。

早く準備することに越したことはない

老後の準備を始めるのに、この日からという期日はありません。老後のことが頭をよぎったとき、そのときが準備すべきときです。 独身ならば2,000万円、既婚者で夫婦世帯を想定するなら5,000万円を定年退職までに貯めておくには、逆算して毎月貯めなければならない金額を計算してみましょう。早ければ早いほど、毎月の貯金額も少なくてすむはずです。 もしも現在の収入から支出を差し引いた金額が、貯金すべき金額に満たない場合は、節約方法や収入の増やしかたなどを見直す必要があります。固定費はもっと削減できないか、外食などが多く食費がかさんでいないか、そもそも収入が少ないから転職や副業をする必要があるのか。 生活スタイルを見直すことは、老後資金を貯めるだけではなく、生活スタイルそのものを向上することにつながります。まずは自分に関わるお金の動きをつかみ、よりお金を有効活用できるよう考えてみてください。

効率よく貯金する方法

固定費を見直す

毎月固定額が消費される固定費。ここを削減することで、効率よく貯金をすることができます。では、どのようなものが見直すべき固定費としてあげられるのでしょうか。

マイカー

車は保有するだけで維持コストが常にかかります。車の購入や修理代、ガソリン代だけではなく、駐車場代や車検代、自動車税までかかってくるので固定費はばかにはできません。そもそも車が必要か。車なし生活を考えてみるのもひとつです。

住宅費

住宅ローンは適切か、賃貸マンションの家賃はもっと抑えられないか見直してください。

保険

なにかあったときのためにかける保険ですが、保険は家の購入の次に高いといわれるほどです。独身、結婚、出産などといったライフステージの変化に合わせて見直すべきです。

通信費

通信費で月に2〜3万の出費があるようならば、それに見合った活用をしているのか考えてください。格安スマホを使用したり、格安サービスを利用したりと見直すことで、大幅に毎月の出費を抑えられるかもしれません。

定期預金をする

ついつい通帳にある分を生活費などで引き落としてしまう場合は、ある程度お金がまとまったら定期預金に入れてしまうという手もあります。普通預金の口座と別になるため、精神的にも引き落としがしにくくなります。 また銀行によってはキャンペーンを行っていたりするので、定期預金を入れることでお米だったりポーチだったり洗剤などの消耗品ももらえることがあります。わずかなことですが、うれしいですよね。 また、定期預金は10万円や50万円といった端数を切った金額で預けることが多いと思うので、お金の管理がしやすくなります。定期に入れた分は老後資金とする、などと決めておくといくら貯まったのか把握が楽です。

逆算して毎月の貯金額を決める

独身なら老後資金は2,000万円、夫婦世帯なら5,000万円とざっくりいいますが、それも個人個人によって額は変わってくるでしょう。自分に合わせた目標額を定めたら、逆算して毎月の貯金額を決めましょう。現在すでにある貯金で、老後資金に回せる分があるのなら、それも差し引いて計算をしてみます。 夫婦世帯の場合は、夫婦で将来どのような老後を過ごしたいのか話し合うことも重要です。ギリギリの生活でよしとするのか、2〜3年に一度は海外旅行を楽しみたいのか、老後をイメージしてみます。 そして、毎月の貯金額も夫婦で情報を共有し、目標を達成するためにできることを2人で考えましょう。もしかしたら転職や副業、共稼ぎなどライフスタイルを大きく変化させなければならないという結論がでるかもしれません。

貯蓄額を減らさない

一度、毎月○万円ずつ老後資金のために貯めると決めたら、無理そうだからと途中でその金額を変更しないようにしましょう。また生活費が足りないからと、それまで貯めてきた老後資金に手を出すのも御法度です。 貯金をするには忍耐が必要。自分に甘いとついついそれまで貯めていたお金を、目先のことに使ってしまいます。もしも自分が貯金を切り崩してしまいそうな性格だとわかっているのなら、パートナーに通帳を預けたり、定期預金などなかなか下ろすことにハードルがある貯金の仕方をするなど、引き落としができないシステムにしてしてしまいましょう。

老後に苦労しないために

お金について学ぶ

学校ではあまりお金について教えてくれる機会はなかったと思います。しかし、お金こそ学ぶべきものなのです。知識の有無により、貯蓄額は大きく変わってきます。 たとえば妻が妊娠したことを例に挙げてみます。そのときに妻は会社を退職するべきか。するのならいつするのがいいのか。それもお金について学んでいれば答えが見えてきます。 出産に関わるお金はさまざまです。まずは申請さえすれば、ほぼもらえる出産育児一時金が基本的に42万。それから働いている女性を主に対象として支給される出産手当金。育児をしながら仕事を頑張ればもらえる育児休業給付金。育児休暇終了後に職場に復帰すればもらえる育児休業者職場復帰給付金。または出産後会社を辞めたとしても、失業手当を受け取ることができます。 お金のことだけを考えれば、退職せずに働き続けるか、育児休業後に退職することがよいとわかります。そのようにお金について知識があれば、ライフスタイルも自然と変わってきます。そして変わることでお金を呼び込むことができるのです。

老後に必要な額を計算する

まずは自分に必要な老後費用を計算することから始めましょう。個人個人を取り巻く状況は異なるので、自分に最適な費用が一般にいわれている額と必ずしも一致するとは限りません。 老後に得る収入が、厚生年金か国民年金か、厚生年金なら14万7,000円、国民年金なら5万5000円です。それだけで9万円近くの差が毎月でます。厚生年金ならまだしも、国民年金だけを頼りに老後を生きられないのはその額からもわかりますね。 他に考慮する点は、現在これまでに貯めてきた貯金額がどれだけあり、その中から老後費用に回せる分があるかどうかです。自分がいままで貯蓄してきた金額を洗い直し、貯金を把握します。 そしてそもそも、どのような老後を送りたいかを考える必要もあります。最低限必要な金額があれば事足りるかもしれません。また、たまには海外旅行に行けるくらいの余裕ある老後を望むならより多くの額を貯めなければなりません。 自分の老後を具体的にイメージすることで、老後費用を貯めることの重要性も再認識できることでしょう。

資産を運用する

せっかくの資産です。普通預金やたんす貯金で遊ばせておくのにはもったいない。せっかくなのでその資産を運用することも考えてみてはいかがでしょうか。 運用の仕方はさまざまです。株式投資もあれば、金やプラチナなどを毎月決まった額購入する方法もあります。こちらは資産を分散することによるリスクヘッジともなります。 しかし気をつけなければならないのは、定期預金や定額預金などと異なり、株式やFXなどの投資は元本が保証されていないことです。またそのリスクはすべて自己責任となります。そのため、貯金をすべて投資に充てるなどといった危険な運用は避けなければなりません。 あくまで資産運用は、貯金にプラスして行うようにしましょう。自分や家族が汗水垂らして稼いだお金です。人に言われるがまま、おすすめの銘柄を選ぶなど他人任せのことはせず、しっかりとお金や資産運用の方法を学び、知識を得た上で行うようにしてください。 資産運用は、リスクもありますがリターンも大きいため、海外では日本人のようにお金を眠らせずに多くの人が行っています。

収入を増やす

もっとも貯金の額を増やす直接的な方法が、収入を増やすことです。現在安定した職に就いていなかったり、日雇労働者のようにキャリアアップが図りにくい仕事の場合などは、会社に就職することを考えてみてもよいです。 また、年収が低いなど現状に不満がある場合も同様です。しかし多くの人が収入アップを伴う転職の難しさを、転職活動を始めてすぐに思い知ります。採用する側も相手の実力を知らない以上、最初から高収入で迎え入れることはリスクが伴うからです。 転職する際には、最初に得られる収入だけではなく、ボーナスやキャリアアップがどのようになされるのかなど会社の給与体系の情報も得られるとよいです。 また収入アップの方法は転職だけではありません。実力をつけたり資格を取ることで、現在の会社内でのキャリアアップを図ることも考えてみてください。それが難しい場合には副業という手もあります。なにも考えずに会社にとどまるよりも、さらに上を目指してみることが重要です。

生命保険を見直す

保険というのは、一度入ったらなんとなくそのまま放置してしまうことが多いものです。しかし家の購入の次にお金がかかるともいわれる保険です。毎月ただ口座から引き落とされるだけでよいのでしょうか。 そもそも保険は結婚や出産、育児などのライフステージの変化に合わせて見直しが必要とされるものです。状況が変わったらしっかりと保険内容の見直しを行ってください。 保険を見直すポイントは、そもそも契約している保証内容が自分に本当に必要なものなのかどうか。そして補償額は適切か。保証の期間は適切かです。たとえば「万が一の場合に家族が安心して生活できるようにしたい」「万が一の場合に子どもの教育費用をまかないたい」「葬儀費用を出せるようにしたい」などのような希望する保証内容を紙に書き出してみたうえで、それにあった保険の種類を選ぶべきです。 保険内容をしっかりと見直すことにより、300万〜400万円ほど保険料を減らせる場合も少なくありません。もしも自分自身で見直すことが難しいようなら、無料の保険見直しを行っている店舗などもあるので相談してみましょう。

老後のために蓄えよう

資産が有り余っているお金持ちでも、一般の庶民でも、時は平等に過ぎ去ります。そして等しく老後がやってくるので、豊かな老後が過ごせるかどうかは、それまでの準備にかかっているのです。 老後費用のことが頭をよぎったときが、貯金に踏み切るよいきっかけ。お金に関する知識をしっかりと身につけ、計画をたてて老後に備えましょう。