「年金を滞納するとどうなる?」段階的に届く通知と対処法について

毎月一定の額を支払う必要のある年金ですが、払えずに悩んではいませんか。自営業などで自分で税金を管理しなくてはならない方は、年金を滞納してしまう可能性も高くなってしまいます。年金を滞納してしまったらどうなるか、対処法をみていきましょう。

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年金を滞納した場合に起こること

催告状が届く

年金は、決められた月の月末までに支払う必要があります。決められた納付月に支払わず、その次の月の月末を過ぎると滞納となり、これをもって年金未納状態となります。これはつまり、2017年1月までに支払う分の年金を、2017年2月末を過ぎても支払っていない場合に、未納状態となるという意味です。この未納状態が続くと、まず送られてくるのが催告状と呼ばれる書類です。 催告状では、どの期間、年金が未納であるかと金額が通知され、支払いを求められます。年金の催告において、最も軽度な告知がこの催告状にあたります。なお、催告状の送付だけでなく、行政から委託された機関より、電話で催告の電話がある場合もあります。電話の場合も、催告状の場合も、この時点で支払う能力がある場合にはすぐに対応し、支払うようにしましょう。 経済的状況などにより支払いが困難な場合には、この催告状を受け取った時点で、市役所などの所定の機関に相談をする必要があります。催告状を無視して未納状態を継続すると、特別催告状の送付につながります。

特別催告状が届く

催告状を受け取った、または催告の電話を受けても支払いを行わず、免除の手続きなども行っていない場合には、次の段階の催告となる特別催告状が届きます。この特別催告状は、年金の未納期間が7〜13ヶ月以上であり、年間所得が300〜400万円以上の場合に送付されます。 ただし、この未納期間、年間所得の制限は年度によって多少前後するため、確認が必要です。たとえば、2013年度、2017年度では、未納期限が13ヶ月であったのに対し、2015年度と2018年度では、未納期間7ヶ月で特別催告状が送付されました。また、年間所得に関していうと、2013年度、2015年度は400万円以上であったのに対し、2017年度、2018年度では、300万円以上の制限でした。 年収の条件などを確認し、免除の条件に当てはまっている場合には、特別催告状を無視せず、即座に免除等の手続きを取るようにしましょう。手続きを行っていない場合には、支払い能力があるのに滞納しているとみなされ、最終的には法的手段の執行にまで、進んでしまうことになるので注意が必要です。 この特別催告状が送付された段階でも、未納金の支払いや、年金納付の免除手続きは間に合うので、できるかぎり迅速に対応しましょう。特別催告状には、差し押さえや法的手段の行使についてなどの文面がありますが、この時点ではまだその効力はありません。

最終催告状が送付される

特別催告状が届いても、なお年金納付を行わず無視をし続ける、または免除に値する経済状況にも関わらず、所定の手続きを行っていない場合には、最終催告状が送付されます。最終催告状は基本的には、支払い能力があるのにも関わわらず、年金保険料の支払いを行わずに未納状態を継続しているもの、そして催告状、並びに特別催告状を無視しているものに送付されます。 これは、最終催告状という名前の通り、最後の催告状であり、これ以降は法的手続きを実行するという最終告知にもなります。この時点であれば、法的手段を取られることもなく、未納分の保険料支払いに延滞金がかかることもありません。この時点で支払いが可能な場合には、通常の年金保険料の支払いと、同額の支払いで済むラストチャンスなので、逃さずに支払いましょう。 毎年、多数の最終催告状が送付されているという事実があります。実際に、平成26年度には65,654通もの最終催告状が送付されました。

督促状の送付

最終催告状が届いた後も、年金保険の未納金を納付しなかった場合には、督促状と呼ばれる書状が送付されることになります。この督促状には、年金未納額の最終支払い期限が示されており、その期限を無視した時点から、延滞金が加算されていきます。この延滞金の利率は非常に高く設定されており、なんと14.6%もの利率で、未納分の年金保険料に延滞金が加算されていくのです。 督促状の前段階である催告状では、支払いには延滞金がかからず、書面にて催告を受けるのみでしたが、督促状からは、その性質が大きく変わっていることがわかると思います。さらに、催告状では、法的手続きに進む可能性が、文面で示唆されているのみでしたが、督促状を受け取って以降は、実際に次の強制徴収、または差し押さえへと、法的な手続きが実行されていくことになります。 この督促状は、平成26年度で46,278件が送付されています。最終催告状の65,654件からは、約20,000件ほど減りますが、かなりの数の督促状が送付されていることがわかるでしょう。

差押予告後に資産の差し押さえが実行される

督促状が送付されると、年金保険料の強制徴収や資産の差し押さえといった、法的手続きを伴った対応が行われることがあります。督促状が送付されたあとに、年金保険料未納者の所得や財産が詳しく調べられ、年金を支払う能力があるか、未納分年金を収めることができるか査定されていきます。 支払い能力を精査されたあとに、支払い能力があると判断されたにも関わわらず、依然として支払いを拒否、または督促状を無視している場合には、差押予告が行われ、資産の差し押さえにより強制徴収に踏み切る旨が通知されることになります。この差押予告後も、未納金支払い等の対応を行わなかった場合には、資産の差し押さえが実行に移されることとなるのです。 資産の差し押さえ件数は、年々増加傾向にあるといわれています。たとえば、平成22年の差し押さえ件数は3,379件でしたが、平成26年には14,999件もの差し押さえを実行しています。なんと4年間で、約4倍を超える差し押さえ件数に増加しているのです。この差し押さえ件数の増加からも、年金滞納者への対応が、年々強化されてきていることが見てとれるでしょう。  

年金がすぐに払えない場合の対処法

免除を申請する

年金保険料の支払いを未納してしまっても、年金保険料を支払うために十分な経済力がなく、すぐに支払えない場合もあるでしょう。その場合には、免除の規定に当てはまっているのかを確認し、当てはまっている場合には、すぐに年金保険料納付の免除申請をするとよいでしょう。 国民年金保険料免除制度に、免除に関しては規定されており、保険料の「全額」「3/4」、「半額」、「1/4」の割合で、それぞれ条件を満たしている場合に免除されます。基本的には、年間所得を基準に判断されますが、失業した場合には、離職票の提出などをもって、所得ゼロとして扱うこともできます。全額免除の基準は、単身所得57万円、扶養親族1名の場合で92万円以下の場合とされています。 所得の基準は、扶養家族の人数によって変化します。また、厚生年金未加入であることも条件となります。これらの所得基準は、年金保険料支払い義務のある本人だけのものを基準とするわけでなく、世帯単位で考えられ、世帯で最も所得の高い人が、審査の対象となるのです。 つまりは、親が十分な収入があるのに、無職の子供が未納している場合には、その親に子の分の年金保険料支払いへの責任があるということです。ただし、親が子の分の保険料を支払わなくてはならない場合には、所得税や住民税から控除を受けられるため、確認しておくとよいでしょう。

最終督促状が届くまでに支払う

年金がいますぐに支払えなくても、まだ催告状を受け取っていない、もしくは受け取ったばかりだという場合には、必ず最終督促状が届くまでに支払うように計画を立てましょう。未納期間があっても、すぐに納付可能になるようならば、大きな問題にはつながりにくいです。しかし、最終督促状がくるまでに支払えばよいと思って、催告状を無視し続けることは危険です。払える状況になったら、すぐに支払いをするようにしましょう。 ただし、ここで注意が必要なのは、年金保険料の納付期限が2年に設定されていることです。2年以内であれば、納付期限が過ぎた保険料も収めることができますが、2年を過ぎたものに関しては時効となり、納付することができません。 これにより、年金受給額が減少してしまったり、障害年金等の年金を受け取れなくなってしまいます。しかし、指定された期間内であれば、2年を過ぎた未納保険料に関しても納付できる「5年後納制度」が、平成27年度10月1日から、平成30年9月30日まで実施されているので、必要であれば活用しましょう。

免除や猶予について相談に行く

年金保険料がすぐに支払えない場合には、年金の免除や支払い猶予が可能かどうか、相談に行きましょう。相談場所としては、年金事務所や市役所の年金課などが指定されています。特別な手続きが必要な場合には、それぞれの相談窓口で対応を受けられるので、まずはどのような対処が可能かを相談し、指示を仰いでみましょう。 納付猶予については、50歳未満で利用でき、免状のときの条件と同様の条件で審査されます。保険料免除は世帯単位で審査されますが、納付猶予を申請する場合には、調査対象が本人、配偶者のみとなります。猶予の場合は、支払い期間や額には含まれないため、十分な年金を受けるためには追納することが推奨されます。

学生は学生納付特例制度を利用する

年金保険料の支払い義務は、満20歳以上から発生します。しかし、大学生や専門学生の場合、20歳を過ぎても収入がなく、年金の支払いができないという場合が多いと思います。その場合には、学生納付特例制度を利用することができます。 本人の所得が141万円以下の場合には、申請がすることが可能です。多くの学生は、この収入に当てはまるはずなので、学生のうちは忘れずに申請するようにしましょう。この特例申請は、毎年申請が必要なので注意しましょう。

分割でも払う意思を示す

年金保険料をすぐに支払うことはできないが、支払う能力があると認められ、免除なども受けられない場合には、分割でも保険料を支払う意思があることを示す必要があります。支払う必要があるのに、支払う意思が見られないとなると、強制徴収につながります。 分割支払いは、年金支払いの制度として確立しているわけではありませんが、窓口に相談に行くことで、対応をしてくれる場合があります。特に、長期間未納が続き、延滞金などもかかっている場合には、支払い額が高額になってしまいます。それらを一括で支払えないなどの場合は、分割支払いを相談してみてください。

年金は余裕を持って必ず払おう

年金の保険料は、20歳以上の全人口に対して、支払い義務が生じます。年金保険料の未納によって、将来の年金受給額に影響が出たり、年金を受け取れなくなるほか、障害年金や遺族年金が受給できなくなってしまう場合もあります。いざというときに、保険金がもらえないということになっては困りますね。 現状で支払い能力があるにも関わらず、支払いをしていない場合には、その影響についても考えて、支払いをすることをおすすめします。また、経済的に支払うことが困難な場合には、未納状態を続けるのではなく、できるかぎり早く市役所等に相談に行きましょう。免除や納付期限の延期、分割支払いなど適切な対応を取ってもらえるため、早めの相談が重要です。年金保険料支払いで困らないよう、余裕をもって支払うようにしたいものです。