老後の生活の資金源として、長い年月をかけて納付する年金の保険料は、現役世代の中で納付することが経済的に難しくなることもあります。救済措置として保険料を免除、納付猶予制度などがあるのです。払えないからと未納にせずに賢く制度を利用しましょう。
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目次
年金を払えない場合
放置せずに近くの役場へ相談
日本では日本国内に居住する20歳から60歳の成人は、すべて国民健康保険に加入する国民皆保険の制度があります。国民年金などの公的年金も国民保険の一部。老後の生活の資金源、障がいを負ってしまったときに生活を支えるものとして給付を受けることができる制度です。 2015年度からは、所得が400万円以上あり7ヶ月以上保険料を納付しない滞納者に督促が実施されます。督促状を送付し期限内に納めなかった場合、預金や財産を差し押さえられる可能性もあるのです。また、2018年度からは差し押さえ条件が拡大される予定となっています。 国民年金は、収入減や病気などにより年金を支払うことができない場合、保険料の免除や納付猶予制度があります。放置してもいいことは一つもありません。未納、滞納せずに近くの市区町村役場に相談しましょう。
保険料の免除や納付猶予制度がある
国民年金の保険料を納付期限からすぎて国に納付できる期限は2年間です。しかし、2015年度からは国民年金の徴収が強化されており、2年間の間は「未納」扱い。未納の期間があると、将来受給できる金額に影響するのです。 年金は老後の生活資金だけではなく、障がいを負ってしまったときの障害年金、世帯主が亡くなった時の遺族年金を受け取るために納付しています。 国民年金は保険料の免除や納付猶予の申請をすることが可能です。納付猶予制度とは、保険料を後払いしますという制度。どちらの制度も納付期限の2年1ヶ月以内はさかのぼって申請することができます。方法は下で詳しく紹介します。
保険料免除の種類
免除には4種類がある
保険料が免除になるには所得制限があります。所得とは「収入」ではありません。収入から必要経費を差し引いた金額を「所得」といいます。単身世帯なら、本人の所得審査のみです。配偶者がいる方、両親と同居していて世帯主が親の場合、本人のほか配偶者・世帯主の所得も審査の対象となり免除の割合が決定します。
全額免除
前年所得が(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円以下。 単身世帯なら57万円以下。扶養親族1名なら92万。 前年所得の期間は前年の「1月から12月までの所得」のことです。そして、免除の適用期間は毎年7月から6月までになります。老齢基礎年金を受け取るには、保険料を納付した期間、加入していた期間の合計が10年以上が必要。受給資格期間と呼ばれます。全額免除は受給資格期間には入ります。
3/4免除
78万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 あくまで目安ですが単身世帯で93万円の所得の場合です。受給資格期間への算入は認められています。全額納付した場合の年金額の5/8が支給されることになっているのです。
半額免除
118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 単身世帯で141万円の所得額の場合が該当します。保険料を全額納付した場合の年金額の6/8が支給されます。
1/4免除
158万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 保険料を全額納付した場合の年金額の7/8が支給されます。生活保護を受けてる場合でも合計所得が189万円以下であれば4分の1が免除されるのです。
所得がこれらより下であれば受けられる
そのほか生活扶助以外の扶助を、本人もしくは世帯員の1人が受給している場合や前年の所得が125万円以下で「障害のある方」や「寡婦」の場合も免除の対象になります。
保険料免除の条件や注意点
本人が働いている場合
一定額以下の所得の場合、保険料の免除を受けることができます。 ☑ 本人・配偶者・世帯主のうち、もっとも所得が高い人の前年の所得が一定以下であれば免除 1月から6月までに申請する場合は前々年度となります。保険料が免除になった期間は、年金受給資格期間へ算入。しかし保険料免除の場合、年金額を計算する際に保険料をきちんと納付していたときの2分の1となります。 ☑ 本人が無職であっても同居する母親や父親、配偶者に所得があると対象外 注意しなけければならないのは免除の基準は合計所得です。免除申請者本人のほか同居する両親や配偶者に所得がある場合は免除の対象外となります。年金は世帯ごとの連帯責任で納付する義務があるのです。申請する際は、本人のほかに世帯主や配偶者も書類を作成し申請します。
申請に必要なもの
☑ 申請書 ☑ 運転免許証などの本人確認書類 ☑ 年金手帳か基礎年金番号通知書 日本年金機構のホームページより申請書はダウンロードします。書類は直接年金事務所、住民票がある市区町村の役所の国民年金窓口へ提出、または郵送で申請します。
失業してしまった場合
失業、災害などの理由で年金保険料が納付できない場合、特例の免除の適用になります。免除の申請は「前年の所得」が審査基準。失業による免除申請は年度ごとに行います。失業した日の前月から、失業した日が属する年の翌々年の6月までが対象です。
☑ 退職特例が利用できる
退職特例ともいわれる「退職(失業)による特例免除」は、前年の所得が多い場合でも災害、失業があった月の前月から免除が受けられる制度です。
☑ 離職票などがあれば本人所得をゼロとして扱うことができる。そのため配偶者が主婦の場合、免除はほぼ認められる 普通に免除申請をするのではなく、退職特例を申請することで前年の所得の審査対象より申請者本人の所得をゼロとして扱います。特例が適用されると申請者本人の前年所得は0円となり、配偶者が専業主婦の場合審査対象の世帯の世帯所得は0円。
離職票、雇用保険受給資格証のどちらもない場合、最寄りのハローワークから雇用保険資格喪失確認通知書を発行してもらう手続きをしましょう。アルバイト、パートなどで収入が少ない場合は書類がなくても申請は可能です。 ☑ 配偶者や世帯主に所得がある場合>どちらかのもっとも所得が高い人の前年の所得で決まる 単身世帯ではなく、配偶者や同居する親など世帯主に所得がある場合は免除が認められない場合もあります。国民年金は世帯単位で支払うことになっているのです。配偶者や世帯主に所得がある場合、前年の所得が審査の対象となります。 失業保険の給付を受けているから、「退職特例の申請ができない」ということはありません。忘れずに申請を行ないましょう。申請はいつでも可能です。
転職を繰り返してしまった場合
数年のうちに何度か転職を繰り返している場合は、新しい離職票のほかに以前の離職票を持参します。さかのぼり免除の申請ができる場合もあるのです。そして新たな勤務先を見つけて生活が安定してきたら追納することが必要になります。
申請に必要なもの
☑ 免除申請書 ☑ 年金手帳など基礎年金番号がわかるもの ☑ 雇用保険受給資格者証の写し、または雇用保険被保険者離職票等の写しのどちらか ☑ 認印 市区町村の役所へ提出します。郵送でも申請は可能です。
納付猶予制度が受けられる条件
本人が働いている場合
働いていても年金を納付することができない場合、申請することで年金の保険金の納付が猶予される制度があります。 ☑ 20〜50歳未満の方 ☑ 本人と配偶者の前年の所得が一定以下 本人や配偶者、世帯主の中でもっとも所得が高い人の所得が一定額以下の場合は、保険料が免除されます。一定額とは (扶養親族の数+1)×35万円+22万円 で導かれる金額です。` 以前は、30歳未満からでしたが、2016年7月1日からは50歳未満に拡大。若年者納付猶予制度と呼ばれています。納付猶予制度を利用した場合、年金は年金額へ反映されません。払うことが可能になったときに、滞納保険料を過去10年間にさかのぼり納付できる特例追納制度を利用しましょう。
失業してしまった場合
失業した場合は条件が少し異なります。本来、本人の所得、配偶者の所得、同居の世帯主の所得の3つが審査の対象です。しかし、失業の場合は本人の所得は除外されます。納付猶予制度ともいわれる制度です。 ☑ 20〜50歳未満 ☑ 本人・配偶者の前年の所得が一定以下 が条件です。この制度では、親との同居の場合、親に所得があっても影響を受けることはありません。一定の金額とは ☑ 一定額>(扶養親族の数+1)×35万円+22万円 で算出される金額となります。たとえば扶養親族がいない場合は (0+1)×35万円+22万円=57万円 本人の前年所得が57万円以下の場合は対象。2025年6月までの限定措置になっています。退職の理由について自己都合、会社都合など退職の種類は問われません。申請はいつでも可能です。申請して認可がおりるまでに2ヶ月から3ヶ月かかります。最大2年1ヶ月前までさかのぼることができますが、30歳以上の方はさかのぼっても2016年7月までです。
納付猶予には学生の納付特例もある
学生が利用できる納付猶予制度のこと
20歳を超えると国民年金に加入しなければなりません。大学生などの学生は申請があれば在学中は保険料の納付が猶予される「学生納付特例制度」があります。 ☑ 大学、短期大学、高等学校、高等専門学校、専修学校や海外大学の日本分校などに在学している学生 ☑ 本人の前年度所得が一定額以下 学生本人の所得が141万円以下なら利用できる制度。老齢基礎年金を受け取るには原則10年以上の納付済期間が必要です。学生納付特例制度の承認期間も10年以上の受給資格に含まれます。ただし、老齢基礎年金の給付額の計算の対象とはなりません。老齢基礎年金を満額受け取るためには、10年以内に保険料を納付することが必要になります。 年金の後払いを認める制度です。将来受け取る年金の額には影響はありません。保険料を納付できない場合、未納にはしないで学生納付特例を申請しましょう。
保険料免除と納付猶予制度の違い
保険料免除の場合
保険料が免除の場合は、国民年金の保険料拠出は1/2が国庫負担なので、保険料を全額納付した場合にもらえる年金額に対して、保険料を免除された期間がある場合は、老齢基礎年金を受け取る際に1/2(税金分)になる場合があります。 年金の保険料を納める必要がなくなりますが、免除される割合が大きければ大きいほど将来受給できる年金額は少なくなります。年金が納付できるようになったら、必ず追納しましょう。追納できるのは保険料の免除の適用になっていた期間。厚生労働大臣の承認を受けた月の10年間に限られています。 しかし、承認を受けた年の翌年度から3年目以降に保険料を追納する場合は、期間に応じた加算額を合わせて納付しなければなりません。追納するなら早めに行いましょう。
納付猶予制度の場合
納付猶予制度を利用した場合、納付の猶予を受けられるが、年金額には国庫負担分は反映されないのです。したがって、受給できる年金額が少なくなることはありません。滞納とは違うので保険料の督促が行われることはないです。 猶予制度は保険料を後から納付しますという制度なのです。免除制度を利用した場合は国の負担がありますが、納付猶予は国の負担がないので、受給できる金額には影響はありません。 保険料の免除制度を利用する場合も、猶予制度を利用する場合も生活に余裕がでてきたら追納の手続きを行ないましょう。厚生労働大から追納の承認が得られると、納付書が渡されます。金融機関や郵便局、コンビニでも納付可能です。猶予の場合は猶予の期間の保険料を支払わないでいると、猶予期間の分の保険料をまったく納付していないことになり、将来受け取る年金の額に影響します。
どちらも余裕ができたら追納しよう
老後の生活の資金源となるだけでなはく、万が一障害を負ってしまったときの生活の助けともなる年金制度。受給資格を得るには長年にわたる保険料の納付が必要です。しかし、長い現役生活の中では、保険料の納付が困難になる可能性も考えられます。 年金の保険料が納付できないときは保険料の免除や納付猶予制度があります。年金が将来受け取れない事態を防ぐためにも、経済的に困難に陥ってしまった場合は最寄りの年金事務所や役場に相談しましょう。もちろん、生活に余裕ができたら追納することを忘れてはなりません。
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